Performance rights organisation

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Performance rights organisationPerforming rights organisationPRO)は、Performing rights(Performance rightsとも表記される。著作権の一種。)の権利者と、著作物を実演(perform)しようとする者との間を仲介し、使用料の徴収および分配の事業を行う組織をいう[1][2]。著作権の一種としてPerforming rightsという類型が存在するアメリカなどでみられる組織[3]であり、日本では、著作権等管理事業者が同様の事業を行うことはできるものの、著作権法上「Performing rightsの管理に特化した組織」というものが特に予定されていないため、2013年現在、日本語での定訳は存在していない。したがって、以下では、PROと表記する。

Performing rights[編集]

Performing rightsとは、著作権の一種であり、例えばアメリカ著作権法106条4項では、著作物を「公に実演する(perform the copyrighted work publicly)」権利が認められている。ここでいう「実演(perform)」とは、「直接または何らかの装置もしくはプロセスを使用して、著作物を朗読、表現、演奏、舞踊または上演すること」(アメリカ著作権法101条)をいい、日本の著作権法での「実演」とは対象が異なる。日本の制度上、performing rightsと一致する支分権の類型が存在しないため、これに関しても日本語での定訳は存在しない。

また、アメリカ著作権法でも著作権は原始的に著作者に帰属する(201条a)が、ここでいう「著作者」について、録音物(Sound recordings[4])の著作権に関しては、その録音を行った実演家(performer)やレコード製作者が著作者であるとされる[5]。したがって、録音された音楽に関するperforming rightsは、その音楽を作詞作曲した者のみならず、歌手やレコード会社等にも帰属することになる。

「performing rights」という著作権の類型が存在する国では、PROという枠組みで、作詞家、作曲家、歌手、レコード会社等のperforming rightsを管理することが行われている。他方、日本の著作権法では、歌手やレコード会社の権利は、著作権ではなく著作隣接権として別に保護されているが、日本の著作権等管理事業法では、「著作権等」として、著作権と著作隣接権を併せて規定しているため、著作権等管理事業者が著作権と著作隣接権の両方(著作権等の中に含まれるperforming rightsに相当する権利)を管理することができる(著作権等管理事業法2条2項)。

各国の状況[編集]

アメリカ[編集]

アメリカでは、次のようなperforming rights societyが存在する。

イギリス[編集]

イギリスにおいてはフォノグラフィック・パフォーマンス・リミテッド英語版が設立され、その任に当たっている[6]。しかし、使用料が高額であることから、実際には利用しづらい状況にある[6]

日本[編集]

日本では、前述のとおり、PROという枠組みは存在しないものの、著作権等管理事業者が著作権や著作隣接権(その中に含まれるperforming rights)を管理している。音楽出版という事業形態の隆盛からプラーゲ旋風などの大騒動に至るまで、その歴史的経緯は長く、音楽業界において常に一定の存在感を発揮してきた[要出典]

performing rightsに相当する権利は、著作権の一部として、作詞家や作詞家の権利(演奏権等)が、著作隣接権の一部として、実演家の権利である商業用レコードの二次使用料請求権(95条)とレコード製作者の権利である商業用レコードの二次使用料請求権(97条)が、それぞれ別個の権利として著作権法に規定されている。

著作権については、日本音楽著作権協会イーライセンスジャパン・ライツ・クリアランス等が管理事業を行っている。

実演家の権利については、日本芸能実演家団体協議会が設立され、1971年3月に文化庁から「商業用レコード二次使用料を受ける団体」としての指定を受けた[7]。同団体はこの徴収機能をさらに強化すべく、日本音楽事業者協会日本音楽制作者連盟に呼びかけ、1993年10月に三団体合同で実演家著作隣接権センターを設立した[8]

レコード製作者の権利については、日本レコード協会等が管理事業を行っている。

脚注[編集]

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  1. ^ 榎本幹朗 (2012年7月12日). “連載第08回 違法DL刑罰化で揺れるイギリス Spotifyにスポットライト”. Musicman-NET. エフ・ビー・コミュニケーションズ. p. 1. 2012年11月10日閲覧。
  2. ^ 榎本幹朗 (2012年11月5日). “連載第28回 なぜ日本にはPandoraのようなネット放送が生まれないのか”. Musicman-NET. エフ・ビー・コミュニケーションズ. p. 2. 2012年11月10日閲覧。
  3. ^ アメリカ著作権法では、「Performing rights society」として規定されている。
  4. ^ 「一連の音楽、会話その他の音声(映画その他の視聴覚著作物に伴う音声を除く)を固定することによって得られる著作物」をいう(101条)。
  5. ^ アメリカ著作権局「Copyright Registration for Sound Recordings
  6. ^ a b 榎本幹朗; 青木高貴 (2012年9月28日). “【特別対談3】 Pandoraを日本の放送局がやるとしたら…”. Musicman-NET. エフ・ビー・コミュニケーションズ. p. 2. 2012年11月10日閲覧。
  7. ^ 沿革”. 組織概要. 日本芸能実演家団体協議会. 2012年11月10日閲覧。
  8. ^ CPRAの紹介”. CPRAとは. 実演家著作隣接権センター. 2012年11月10日閲覧。

関連項目[編集]