My Crypto Heroes

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『My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)』は、double jump.tokyo株式会社が開発・提供するブロックチェーンMMORPG。通称、マイクリ。2018年11月30日に正式にサービスを開始し、イーサリアムベースのブロックチェーンゲームとして、取引高[1]・取引量[2]・DAU[3]で世界1位を記録した。iOS[4]、Android[5]およびブラウザ(拡張機能としてメタマスクが必要)などからプレイが可能。

「ゲームにかけた 時間も お金も 情熱も、 あなたの資産となる世界」をキャッチコピーとしており、ゲームデータをゲーム外に取り出して自由に保有・交換・売買することができる。2018年末から2019年にかけて、初のテレビCM[6]が放送された。

概要[編集]

プレイヤーは、ブロックチェーン上の“世界の歴史上の英雄達(ヒーロー)”を集めて、数々のアイテムを手に入れながら、仮想世界の制覇を目指す。ゲーム内の世界は「クリプトワールド(Crypto World)」と呼ばれ、敵となるエネミーを倒すことでアイテムを入手し、ヒーローを育成することができる。

コンテンツとしては、エネミーを討伐するクエストモード(PvE)、プレイヤー同士で戦うアリーナやデュエルカップ(PvP)、プレイヤーが所属する国同士で戦うフラッグ戦(GvG)などが存在する。

歴史[編集]

ソーシャルゲームを開発・提供するモブキャストに勤めていた上野広伸(通称、マスターノブ)が、2018年4月3日にブロックチェーンゲーム専業会社としてdouble jump.tokyoを設立した[7]

2019年2月20日に公開されたインタビューの中で上野は「いわゆる(基本無料アイテム課金制の)ガチャをビジネスモデルの中核に添えて、ユーザーさんに時間やお金をたくさん使ってもらう仕組みのソーシャルゲームは、ゲームサービスが終了すると、今までかけてきた時間もお金も無に消えてしまいます。このような状況をたくさん見る中で、もう少しどうにかならないのかなという思いがありました。」と述べており、技術的・ビジネス的観点からこれを解決する手法としてブロックチェーンを採用している[8]

ゲームアセット[編集]

マイクリでは、「ヒーロー」「エクステンション」「ランド」と呼ばれる3種類のゲームアセットが存在する。これらのゲームデータはブロックチェーンであるイーサリアム上で発行および記録されており、ゲームサービスが終了した場合もユーザーはアセットを保有し続けることができる。しかしながら、アセットの画像やレベルといったステータスなど、一部のデータはゲーム提供元のサーバーによって管理されており、ゲームサービス終了時の課題が完全に解決されているとはいえない。

ヒーロー[編集]

歴史上の人物がヒーローとして登場し、ヒーローごとに固有のスキルを有する。

ヒーローのレアリティによってブロックチェーン上で規定された最大発行数が公開されており、追加発行を行うことはできない。

ヒーローのレアリティと最大発行数
レアリティ 最大発行数
リミテッド レジェンダリー(Limited Legendary) 9
レジェンダリー(Legendary) 20
エピック(Epic) 100
レア(Rare) 250
アンコモン(Uncommon) 1,000
コモン(Common) 2,400
ノービス(Novice) なし(ゲーム外への取り出し不可)

ヒーローはゲーム内の販売、またはイベントでの配布のみによって入手が可能である。

エクステンション[編集]

各ヒーローは、2つのエクステンション(武器)を装着することができる。エクステンションもヒーローと同様のレアリティと最大発行数が設定されている。

エクステンションは販売は行われず、ゲームプレイまたはイベント配布によってのみ入手することができる。

代表的な入手方法は、クエストでの入手および公式大会での入賞報奨である。

ランドセクタ[編集]

マイクリにはランドと呼ばれる国々が設定され、プレーヤーは国を選択して所属することができる。

ランドセクタと呼ばれる土地に相当するアセットが発行されており、プレーヤーがゲーム内で課金を行なった場合、70%は運営収益となるが、残る30%はそのプレーヤーが所属するランドセクタの保有者に還元される。ランドセクタは最大1,000区画に分割されており、各ランドによって分割数は異なっている。

ランドセクタを保有するプレーヤーはロードと呼ばれる。

技術規格[編集]

これらのアセットはイーサリアム上でNon-Fungible Token (NFT)として発行される。規格はERC721を用いる。

バトル[編集]

マイクリのバトルでは3体のヒーローを用いる。

各ヒーローは固有スキルと2つのエクステンションの合計3つの技の持ち、それぞれの行動値(チャージ)に従って攻撃が行われる[9]

ランド[編集]

マイクリには9つのランドが存在し、ランドセクタの保有割合が10%を超える最大3名のプレーヤーがキングとしてその国の運営権を持つ。

キングはフラッグ戦の対戦相手の決定や自国名や国旗画像の変更ができるほか、プレーヤーからマエストロを最大6名任命し、ゲーム内通貨を報酬として設定してランド運営を委託することができる。また、キングはマイクリのステークホルダーであるロードの代表として、ゲーム提供元であるdouble jump.tokyoと意見交換する機会を持つ。マイクリがゲーム公式SNSとして導入しているDiscordにて各国キングとdouble jump.tokyo専用のグループが作成されており、ゲームに関する意思決定などにキングは関わることができる。

Ocean、Strarberry、Tangerine、Limeの4ヶ国のランドセクタは事前応募による抽選によって販売が行われ[10]、販売価格は各国500ETH(当時およそ700万円)。

Graphite、Grape、Sage、Blueberry、Rubyはゲーム内通貨GUMを用いて、ゲーム内で全プレイヤーに対してダッチオークション形式で販売が行われた。

Ocean
初代国王(シーズン1-シーズン14)を海外プレーヤーが務めたこともあり、日本発のゲームでありながら、海外プレーヤーが多く所属している。
ファオ帝国(旧Strawberry)
ブロックチェーンゲームに特化したメディアであるピプリクトに登場する魔王ファオ[11]が国王を務める。スイーツを好み、最近はさつまいもを育てている。
Tangerine[12]
9ヶ国の中で唯一ランドセクタを独占保有しているランドである。国王はSNSが苦手らしい。
DRAGON(LIME)(旧Lime)[13]
初心者プレーヤーのサポートが手厚いことで知られる。また、9ヶ国の中では唯一の国歌[14]が存在し、プレーヤーによる作詞作曲およびコーラスによって作成されている。
(箱)愚羅φ斗(旧Graphite)
国名の変更と由来は明らかにされていない。TangerineによるGraphiteランドセクタの買収によって侵攻を受けている。
Grape[15]
初代国王(シーズン1-シーズン16)はマイクリのアドバイザーも務めた根本晃。現Ocean国王が修行を積んだ地でもある。
Sage[16]
シーズン1より同一国王による安定した運営が行われている。控え目な国王の影響か、プレーヤーによる個性的なイベントが多い。
チキン海賊団(旧Blueberry)[17]
初代国王(シーズン1)による民主主義国家宣言、無政府国家、商人による国土の買収など初期は混乱が多かったものの、現在は安定した国家運営が行われている。
流星外(旧Ruby)[18]
カリスマ的国王を中心に強プレーヤーが多く集まる。国王はゲーム内のアカウント名の変更および掲示板機能のみによってプレーヤーと会話を行なっている。また、国王は一部の他国プレーヤーを愛を込めて豚と呼称する。

フラッグ戦[編集]

各ランドの代表プレーヤー5名(G5)同士によるGvG対戦。各ランドのG5は、シーズン中5回に渡って行われる予選(ナイト戦)によって選出される。

各ランドはシーズンごとに侵攻する国を設定することができ、勝利によって該当国のフラッグを奪うことができる。一国によるクリプトワールドの統一はまだ達成されておらず、また達成時に何が起こるかは明言されていない。

シーズン2[19]およびシーズン5[20]のフラッグ戦では、ユーザー主催によるパブリックビューイングがお台場ユナイテッド・シネマで開催された[21]

アート[編集]

アートマーケット
ヒーローに設定できるアート画像は、ゲーム内のマーケットに出品して販売することができる。
アートギャラリー
2020年3月2日からはアートギャラリー機能が設けられ、展示されている人気のあるアート作品を閲覧することができる。
印税機能
ユーザーから一定の「いいね」を獲得したアートには、アート作成者に対して印税収入の権利が付与される。該当するアートが設定されたヒーローがゲーム内マーケットで取引された際、手数料の一部がアート作成者に還元される。

沿革[編集]

2018年[編集]

  • 1月26日 - 現double jump.tokyoのCEO上野広伸およびCOO玉舎直人、さらにスマートアプリ代表取締役の佐藤崇により、ブロックチェーン分野における新事業についての企画会議が熱海で行われる。[22]
  • 2月 - 上野・玉舎に加え、DLEの沖縄子会社ちゅらっぷす取締役である中山詞夫とモンスターファームシリーズのプランナーである高宮孝治によって、現在のマイクリの企画コンセプトが決定する。この時点での仮タイトルは「クリプトヒーロー」。
  • 4月3日 - double jump.tokyo設立
  • 5月7日 - double jump.tokyoがDLEの子会社となる。[23]
  • 5月28日 - オフチェーンおよびオンチェーンのハイブリッド設計から、フルオンチェーンDappsへの移行を検討し始める。
  • 7月 - 現BlockBase株式会社のCEO真木 大樹がチームに加入する。
  • 8月 - ブレイブ フロンティアをブロックチェーンゲーム化したブレイブ フロンティア ヒーローズの初代プロヂューサーである石川駿がチームに加入する。
  • 7月3日 - 株式会社でらゲーおよびDLEから資金調達を行う。
  • 9月3日 - プレセールおよびバトルβについて発表を行う。
  • 9月20日 - 銀座にてミートアップを開催
  • 9月21日 - プレセールを開催
  • 9月25日 - バトルβテスト開始
  • 9月30日 - PvPコンテンツのテストによって、サイドチェーンとして利用していたLoomがトランザクション詰まりを起こす。
  • 10月1日 - プレセールが終了し、694ETHの最終売上を記録
  • 10月10日 - アートエディット機能のテスト版を実装する。
  • 10月18日 - バトル機能の一部のオフチェーン化を行う。
  • 10月21日 - ランキング戦最終日、再びトランザクション詰まりが発生する。これを受け、さらにオフチェーン化を進める。[24]
  • 11月30日 - My Crypto Heroes正式リリースおよびクラウドセールの実施
  • 12月 - 年末および年明けにかけてテレビCMの放送を行う。WebCMの放送も行われた。

2019年[編集]

2020年[編集]

関連作品[編集]

マイクリで発行されるゲームアセットは、ゲーム外に取り出すことができ、また以下の関連ゲームで使用することができる。

My Crypto Saga(マイクリS)
double jump.tokyoが提供予定のマイクリ正式後継タイトル。2020年6月10日にバトルβテストの公開が予定されていたが、「我々が目指したマイクリSの”あるべきバトルシステム”を実現するためには、設計変更を含めた作り直しが必要」として、中止が決定した[25]
予定されていたバトルβテストでは、マイクリの全ての「ヒーロー」が「ソウル(Soul)」として使用できることが発表されていた。また、詳細は公開されていないものの「ランド」もマイクリSで使用できる予定である。
Crypto Spells(クリプトスペルズ)
Brave Frontier Heroes(ブレイブフロンティアヒーローズ)
CHOJO
ChainGuardians

脚注[編集]

  1. ^ Narita, Hiroyuki (2019年10月10日). “ブロックチェーンゲーム市場レポート:NFT取引(2019年8月)” (英語). Medium. 2020年7月4日閲覧。
  2. ^ Narita, Hiroyuki (2019年7月31日). “ブロックチェーンゲーム市場レポート:NFT取引(2019年 2Q)” (英語). Medium. 2020年7月4日閲覧。
  3. ^ https://twitter.com/mycryptoheroes/status/1074335228791971840” (日本語). Twitter. 2020年7月4日閲覧。
  4. ^ マイクリApp - My Crypto Heroes” (日本語). App Store. 2020年7月4日閲覧。
  5. ^ マイクリApp - My Crypto Heroes - Google Play のアプリ” (日本語). play.google.com. 2020年7月4日閲覧。
  6. ^ YouTube”. www.youtube.com. 2020年7月4日閲覧。
  7. ^ jump.tokyo, double. “DApps/ブロックチェーンゲーム専業開発会社 double jump.tokyo” (英語). DApps/ブロックチェーンゲーム専業開発会社 double jump.tokyo. 2020年7月4日閲覧。
  8. ^ 【前編】世界No.1ブロックチェーンゲーム「マイクリプトヒーローズ」開発者インタビュー|500ETH(800万円相当)のランド4種が完売” (日本語). 仮想通貨ニュースサイト-CoinPost. 2020年7月4日閲覧。
  9. ^ 【マイクリ】AGIについて完全攻略 | 仮想通貨だけで食っていく男のブログ” (日本語). tomoiyuma.com (2018年12月18日). 2020年7月4日閲覧。
  10. ^ koji.takamiya@djt (2019年2月18日). “[announcement ランドプレセール]” (英語). Medium. 2020年7月4日閲覧。
  11. ^ [キャラ紹介 ファオ|ピプリクト(piprycto)-ブロックチェーンゲームの最新情報&攻略サイト]” (日本語). ピプリクト(piprycto)-ブロックチェーンゲームの最新情報&攻略サイト. 2020年7月4日閲覧。
  12. ^ マイクリ タンジェリンの宰相 みかん農園|Blue Chain Lab.” (日本語). Blue Chain Lab.. 2020年7月4日閲覧。
  13. ^ マイクリ 竜の国の勃興 竜王と芸人の物語|Blue Chain Lab.” (日本語). Blue Chain Lab.. 2020年7月4日閲覧。
  14. ^ YouTube”. www.youtube.com. 2020年7月4日閲覧。
  15. ^ マイクリ 天下統一への道|Blue Chain Lab.” (日本語). Blue Chain Lab.. 2020年7月4日閲覧。
  16. ^ マイクリ 国民の歓喜が聞こえるか? 謎の国 セージ|Blue Chain Lab.” (日本語). Blue Chain Lab.. 2020年7月4日閲覧。
  17. ^ マイクリ ブルーベリー國の王交代劇|Blue Chain Lab.” (日本語). Blue Chain Lab.. 2020年7月4日閲覧。
  18. ^ マイクリ 狂人か天才か 流星街の王のメッセージ|Blue Chain Lab.” (日本語). Blue Chain Lab.. 2020年7月4日閲覧。
  19. ^ マイクリ-フラッグ戦パブリックビューイング #1” (日本語). Peatix. 2020年7月4日閲覧。
  20. ^ マイクリ-フラッグ戦パブリックビューイング #2 シーズン5” (日本語). Peatix. 2020年7月4日閲覧。
  21. ^ マイクリのフラッグ戦パブリックビューイングとロードマップまとめ” (日本語). bitdays.jp. 2020年7月4日閲覧。
  22. ^ MyCryptoHeroes誕生秘話:ブロックチェーンゲームに挑戦した男たち” (日本語). dApps market~ブロックチェーンアプリ評価・ゲーム攻略・口コミまとめ~ (2018年11月15日). 2020年7月15日閲覧。
  23. ^ ブロックチェーンゲーム開発専業 double jump.tokyo 株式会社を子会社化 2018 年夏に新作ブロックチェーンゲームを公開予定”. 2018年5月7日閲覧。
  24. ^ 【Hi-Con登壇資料】ブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」で バトルβ版をリリースしてみました!〜課題と対処の現場録〜” (英語). Speaker Deck. 2020年7月15日閲覧。
  25. ^ koji.takamiya@djt (2020年6月9日). “[マイクリSMy Crypto Saga Battleβテスト日程発表]” (英語). Medium. 2020年7月4日閲覧。