Mr.ノーバディ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Mr.ノーバディ
Nobody
監督 イリヤ・ナイシュラー英語版
脚本 デレク・コルスタッド英語版
製作
製作総指揮
出演者
音楽 デヴィッド・バックリー英語版
撮影 パヴェウ・ポゴジェルスキ
編集
  • ウィリアム・イェー
  • エヴァン・シフ
製作会社
配給 アメリカ合衆国の旗 ユニバーサル・ピクチャーズ
日本の旗 東宝東和
公開 アメリカ合衆国の旗 2021年3月26日
日本の旗 2021年6月11日
上映時間 92分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
興行収入 世界の旗 $55,405,035[1]
日本の旗 1億7000万円[2]
テンプレートを表示

Mr.ノーバディ』(原題:Nobody)は、2021年アメリカ合衆国アクションスリラー映画。平凡で何者でもない存在(ノーバディ)として妻子と暮らしていた中年男の活躍を描いている[3]

監督はイリヤ・ナイシュラー英語版、脚本はデレク・コルスタッド英語版。出演はボブ・オデンカークコニー・ニールセンRZAクリストファー・ロイドアレクセイ・セレブリャコフ英語版など。主演のオデンカークはプロデューサーも務めた。

2021年3月26日に、ユニバーサル・ピクチャーズによって米国で劇場公開された。この映画は、批評家たちから総じて肯定的なレビューを受けた。

ストーリー[編集]

プロローグ
金型工場で会計士を務めるハッチ・マンセルボブ・オデンカーク)は、妻には距離を置かれ、息子からも尊敬されないものの、娘を含めた4人家族で営々と普通の生活を送る平凡な男だった。
ある夜、男女2人組の強盗がハッチの家に侵入した。彼はチャンスがあったにも関わらず反撃を躊躇し、2人を取り逃がしてしまう。そのため息子のブレイク(ゲージ・マンロー)と妻のベッカコニー・ニールセン)はハッチに失望し、彼からますます心が離れそうになる。
そんな中、娘の『ネコのブレスレット』がなくなったことに気づく。憤慨したハッチは強盗犯の自宅を探り出し、夫婦であった2人組を痛めつけて奪還を試みるが、そこで酸素マスクを装着した乳児の姿を見た彼は怒りの矛先を見失い、自らの腕時計だけを取り返して彼らを見逃してしまう。
序盤
悶々としたままバスで帰途に就いたハッチだったが、その最中、バスに乗り込んできたテディ・クズネツォフらチンピラグループの傍若無人な振る舞いに、ついに怒りを爆発させ、反撃を食らいながらもチンピラたちを徹底的に叩きのめす。
弟を殺害されたロシアン・マフィアのユリアンは、部下を使ってハッチが加害者であることを突き止め、ハッチの弱みを探そうと、女ハッカーを使ってペンタゴンに正体を洗わせる。
中盤
その夜ハッチは、マフィアによる武装集団によって自宅を強襲され、反撃を試みて大半を行動不能にしたものの、スタンガンによって気絶させられる。車のトランクに入れられて拉致されてしまうが、手錠を外して消火器を噴射して脱出する。
家族を逃がし、自宅に放火して行動不能にした武装集団たちを始末する。隠していた金塊を回収したハッチは、義父エディ・ウィリアムズに金塊を支払って金型工場を買収し、マフィア達に対抗するための工作を始める。
ハッチへの報復として老人ホームを襲撃したロシアンマフィアは、ハッチの父デイビッドによりショットガンで返り討ちにされる。
終盤
ハッチはロシアン・マフィアのアジトを強襲して、ユリアンの資産をすべて燃やし、ユリアンに「自分と関わるな」と忠告する。だが、怒り狂ったユリアンは部下に車で追跡させ、カーチェイスとなる。
工場まで逃げ込んだハッチは追いつめられるが、異母兄弟のハリー・マンセルや父の援護により工場内まで逃げ込む。工場内に仕込んでおいたトラップを活用しながら、ハリー達はマフィア達を殲滅していく。弾切れとなったハッチだが、防弾ガラスに地雷をつけて特攻して、爆発によりユリアンを倒す。

キャスト[編集]

※括弧内は日本語吹替[4]

主人公の家族[編集]

ハッチ・マンセル - ボブ・オデンカーク安原義人
金型工場に勤める会計士。妻と二児を抱えるごく平凡な"NOBODY=誰でもない"男として日々の生活を送っているが、裏では家族にも知られていない危険な過去を持っている。立場の弱い相手に対しては非情に徹しきれない性格。貯金を元手に工場の買収を計画しており、現在はオーナーである義父と交渉中。
ストーリー序盤にチンピラ5人を相手に制圧するが、けっして無敵ではなく殴られたり刺されたりと、かなりのダメージを受けながら反撃している。
ベッカ・マンセル - コニー・ニールセン日野由利加
ハッチの妻。
ブレイク・マンセル - ゲージ・マンロー(バトリ勝悟
ハッチの息子。
サミー・マンセル - ペイズリー・カドラス(佐藤里緒
ハッチの娘。

主人公の親族[編集]

デイビッド・マンセル - クリストファー・ロイド側見民雄
ハッチの父。元FBI捜査官。マフィアとはショットガンで戦った。
ハリー・マンセル - RZA志村知幸
ハッチの異母兄弟。マフィアとはスナイパーライフルで戦った。
エディ・ウィリアムズ - マイケル・アイアンサイド廣田行生
ハッチの義父であり、彼が勤務する金型工場のオーナーでもある。豪放な性格でハッチの理解者だが、金銭にがめつい一面もある。
チャーリー・ウィリアムズ - ビリー・マクレラン(中島智彦
ベッカの弟でハッチの義弟。父の工場の役員を務める。

マフィア[編集]

ユリアン・クズネツォフ - アレクセイ・セレブリャコフ英語版広瀬彰勇
ハッチと彼の家族を狙うロシアン・マフィアのボス。
ロシアン・マフィアの年金基金を管理している。
バーバー - コリン・サーモン谷昌樹
ユリアンに雇われたロシアン・マフィアの兵士。
パヴェル - アラヤ・メンゲシャ英語版
ユリアンに雇われたロシアン・マフィアの兵士。

バスのチンピラ[編集]

テディ・クズネツォフ - アレクサンドル・パル英語版関口雄吾
ユリアンの弟。
バスのチンピラ - ダニエル・バーンハード俊藤光利
テディのチンピラ仲間。

その他[編集]

ダレン - J・P・マヌー
ペンタゴンの役人。

製作[編集]

2018年1月、ボブ・オデンカークが映画のキャストに加わったことが発表された。イリヤ・ナイシュラーがデレク・コルスタットの脚本でもって、監督を務めた。オデンカークは映画のプロデューサーも務め、デヴィッド・リーチもプロデューサーに名を連ねた。コルスタットは、Marc S. Fischerとともにエグゼクティブプロデューサーも務めてた [5] 。STXエンターテインメントが本作を配給することになっていたが [6] 、2019年4月、ユニバーサル・ピクチャーズが、STXから映画の配給権を取得した [7]

2019年10月、コニー・ニールセンクリストファー・ロイドが映画のキャストに加わった [8]

主要撮影は2019年9月にロサンゼルスで始まり[9] 、2019年10月にカナダのウィニペグで製作が再開された[10]

公開[編集]

当初、ユニバーサル・ピクチャーズによって2020年8月14日に米国で劇場公開される予定だったが[11]4月7日、COVID-19のパンデミックにより、映画は6か月後の2021年2月26日に延期された [12]

7月9日、公開日が1週間繰り上がり2021年2月19日に再設定さされた [13]。しかし、2020年12月10日、ユニバーサル・ピクチャーズは当初の計画を採用することを決定し、2月26日の公開に向けてスケジュールを再び変更した 。

2021年1月21日になって、公開日は2021年4月2日に延期されたが[14] 、翌月、映画は1週間繰り上がって2021年3月26日に公開された [15]

批評[編集]

興行収入[編集]

米国での公開1週間前に、バラエティ誌は、COVID以前の市場でなら約1500万ドルもの興収デビューであっただろうと推測したのに対し、コロナ禍では最初の週末で約500万ドルの総収入になるのではないかと見積もった [16]

批評家の反応[編集]

レビューアグリゲーターのRotten Tomatoesでは、275件の評論の84%がこの映画に肯定的なレビューを与え、平均評価は7/10、批評家の一致した見解は「『Mr. ノーバディ』はこのジャンルでの新境地を開拓することはないが、この本能的で暴力的なスリラーは他の多くのものを打ち砕き、粉砕し、破壊している。そして、一方でボブ・オデンカークがアクションスターになるために必要なものを持っていることを証明している。」 となっている[17]

Metacriticでは、この映画の加重平均スコアは43件の評論に基づいて100点満点中64点であり、「一般的に好意的なレビュー」を示している[18]

出典[編集]

  1. ^ Nobody” (英語). Box Office Mojo. 2022年2月9日閲覧。
  2. ^ キネマ旬報』 2022年3月下旬特別号 p.33
  3. ^ Mr.ノーバディ”. WOWOW. 2022年2月9日閲覧。
  4. ^ Mr.ノーバディ”. ふきカエル大作戦!! (2021年11月4日). 2021年11月4日閲覧。
  5. ^ Nobody: February 19, 2021” (英語). Universal Pictures. 2020年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月14日閲覧。
  6. ^ N'Duka, Amanda (2018年1月11日). “Bob Odenkirk To Produce & Star In STX Action Thriller 'Nobody' From 'Atomic Blonde', 'John Wick' Producers” (英語). Deadline Hollywood. オリジナルの2019年12月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20191211015240/https://deadline.com/2018/01/bob-odenkirk-stx-nobody-atomic-blonde-john-wick-producers-1202241018/ 2019年12月10日閲覧。 
  7. ^ Kroll, Justin (2019年4月22日). “'Hobbs & Shaw' Director David Leitch, Kelly McCormick Sign First-Look Deal With Universal (EXCLUSIVE)” (英語). Variety. オリジナルの2019年9月29日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190929113911/https://variety.com/2019/film/news/david-leitch-hobbs-and-shaw-director-first-look-deal-1203192704/ 2019年12月10日閲覧。 
  8. ^ Sneider, Jeff (2019年10月14日). “Exclusive: Christopher Lloyd, Connie Nielsen Join Bob Odenkirk in Action-Thriller 'Nobody'” (英語). Collider. オリジナルの2019年12月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20191211015246/https://collider.com/bob-odenkirk-nobody-movie-christopher-lloyd-connie-nielsen/ 2019年12月10日閲覧。 
  9. ^ “Nobody” (英語). Production List. オリジナルの2019年12月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20191211020757/https://productionlist.com/production/nobody-2/ 2019年12月10日閲覧。 
  10. ^ Charron, Jeremie (2019年10月6日). “Film starring Bob Odenkirk and Christopher Lloyd to shoot in Winnipeg in October” (英語). CTV News. https://winnipeg.ctvnews.ca/film-starring-bob-odenkirk-and-christopher-lloyd-to-shoot-in-winnipeg-in-october-1.4626427 2019年10月6日閲覧。 
  11. ^ Couch, Aaron (2019年9月19日). “Universal Sets Bob Odenkirk Action Thriller 'Nobody' for August 2020” (英語). The Hollywood Reporter. オリジナルの2019年12月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20191207052831/https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/nobody-movie-release-date-set-2020-1241185 2019年12月10日閲覧。 
  12. ^ McClintock, Pamela (2020年4月7日). “Universal Bumps 'Nobody' to Winter, Delays M. Night Shyamalan's Untitled Film” (英語). The Hollywood Reporter. オリジナルの2020年4月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200407192356/https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/universal-delays-nobody-m-night-shyamalans-untitled-film-1288964 2020年4月7日閲覧。 
  13. ^ D'Alessandro, Anthony (2020年12月10日). “Universal's Bob Odenkirk Action Thriller 'Nobody' Now Going A Week Later” (英語). Deadline. オリジナルの2020年7月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200709183412/https://deadline.com/2020/07/m-night-shyamalan-bob-odenkirk-nobody-universal-movie-release-date-change-1202902785/ 2020年12月10日閲覧。 
  14. ^ Jackson, Angelique (2021年1月22日). “Universal Sets New Release Dates for Bob Odenkirk's 'Nobody,' Edgar Wright's 'Last Night in Soho'” (英語). Variety. https://variety.com/2021/film/news/bob-odenkirk-nobody-edgar-wright-michael-bay-release-date-universal-focus-features-1234889942/ 2021年1月24日閲覧。 
  15. ^ D'Alessandro, Anthony (2021年2月22日). “Bob Odenkirk Action Movie 'Nobody' Opening Earlier” (英語). Deadline Hollywood. https://deadline.com/2021/02/bob-odenkirk-action-movie-nobody-opening-earlier-1234698776/ 2021年2月23日閲覧。 
  16. ^ Eriksen, Kaare (2021年3月19日). “‘Godzilla vs. Kong’ Poised to Be Pandemic’s Best Performer Yet at U.S. Box Office, With Projected $23.7M Opening Weekend” (英語). Variety. https://variety.com/vip/godzilla-vs-kong-poised-to-be-pandemics-best-performer-yet-at-u-s-box-office-1234934248/ 2021年3月20日閲覧。 
  17. ^ Nobody” (英語). Rotten Tomatoes. 2022年2月9日閲覧。
  18. ^ "Nobody" (英語). Metacritic. 2022年2月9日閲覧。

 

外部リンク[編集]