MicroCarb

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MicroCarb
所属 CNES
状態 計画中
目的 二酸化炭素の濃度測定
観測対象 地球の大気
設計寿命 5年
打上げ日時 2020年(予定)
物理的特長
本体寸法 0.6m x 0.8m x 1.0m
質量 170kg
発生電力 180W
姿勢制御方式 3軸姿勢制御
軌道要素
周回対象 地球
軌道 太陽同期軌道
高度 (h) 650km
軌道傾斜角 (i) 98度 
回帰日数 25日
降交点通過
地方時
10時30分
観測機器
近赤外線分光計
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MicroCarb は、地球温暖化の原因物質である二酸化炭素の濃度を観測する人工衛星。フランス国立宇宙研究センター(CNES)によって計画が進められ、2020年の打ち上げが予定されている。

概要[編集]

温室効果ガスである大気中の二酸化炭素を宇宙から観測する人工衛星MicroCarbは、その大気吸収スペクトル(短波長赤外線)を観測して地球全球マッピングを行い、二酸化炭素の排出源と吸収源を明らかにすると共にその季節変動を調べる。 CNESによって2010年6月より研究が開始され、第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)がパリにおいて開催中の2015年12月8日、フランス政府はMicroCarbの予算化と最初の2500万ユーロの投入を発表し、2017年にはさらに7500万ユーロが追加された。これらの資金はフランス政府の特別予算「未来への投資プログラム(Programme Investissement d'Avenir:PIA)」から拠出されている。最終的なプロジェクトの費用総額は1億7500万ユーロとみられる [1]

2020年の打ち上げを目指して準備が進められており、計画通りに進むと、二酸化炭素を宇宙から観測する衛星として、日本のGOSATシリーズ(2009年および2018年)、アメリカのOCO-2(2014年)、中国のTANSAT(2016年)に続くものとなる。

観測機器[編集]

地球に向けられたMicroCarbの観測装置は、地表に反射する太陽光を取り込んで波長ごとのスペクトルに分解し、大気中の二酸化炭素によって吸収される近赤外線の波長帯でその強さ測定する。この測定値が観測点における二酸化炭素の濃度を反映したものとなる。 スペクトルの分離にはエシェル回折格子を使用し、二酸化炭素の吸収を観測する波長(1605nmおよび2034nm)ごとに検出器にかけられる。 装置はCNESの小型衛星プラットフォームMYRIADEに搭載可能なようコンパクトにまとめられており、二酸化炭素濃度の観測精度は先行するミッションの同等以上(濃度1ppm、誤差0.3%)を目指している。 フランスの気候環境科学研究所(Laboratoire des Sciences duClimat et de l’Environnement、LSCE) およびラプラス研究所(Institut Pierre Simon Laplace、IPSL)によって開発され、エアバス・ディフェンス・アンド・スペース社によって製造が行われる。

関連項目[編集]

脚注[編集]

参考文献・外部リンク[編集]