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Grok

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Grok
Grok 3の出力スクリーンショット
Grok 3の出力スクリーンショット
開発元 xAI
初版 2023年11月3日 (2年前) (2023-11-03)
リポジトリ ウィキデータを編集
プログラミング
言語
PythonRust[1]
種別 チャットボット
ライセンス プロプライエタリ(Grok-1.5以降)
Apache License 2.0[2](Grok-1のみ)
公式サイト grok.com ウィキデータを編集
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Grok(グロック[3])は、xAIによって開発された、大規模言語モデル(LLM)に基づいた生成的人工知能チャットボットである。Xの全投稿データをリアルタイムに学習しており、イラストなどの画像生成機能に加え、最新のトピックに関する質問に回答できる[4][5][6]

概要

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「Grok」という名称は、アメリカSF作家であるロバート・A・ハインライン1961年に書いたSF小説異星の客』で用いた造語であり、火星語で「理解する」「認識する」という意味に由来する[7]

xAIによると、Grokはイギリス脚本家ダグラス・アダムスが書いたSFシリーズである『銀河ヒッチハイク・ガイド』をモデルにしたAIであると述べ[7]、「質問に対して少しウィットに富んだ答え方をするように設計されており、ユーモアが嫌いなユーザーは手を出さないように」と述べた[8]。また、xAIを立ち上げたイーロン・マスクは、「ChatGPT等の他のAIモデルに比べると、Xへのリアルタイムアクセスと言うアドバンテージを持つことが大きな利点である」と述べた[8]

歴史

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2024年12月まで使用されたGrokのロゴ

Grok-1

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2023年11月3日、マスクはBard(Google。現:Gemini)やChatGPT(OpenAI)に対抗するため、同社の最初の製品として[8]独自の人工知能(AI)チャットボット「Grok」を開発していることを発表し、XのサブスクリプションプランであるX Premium+に提供すると発表した[7]。同月にxAIは一部ユーザーを対象に大規模言語モデル(LLM)に基づいたチャットボットのプレビューを開始したが[9]、早期アクセスプログラムへの参加は認証済みユーザーに限定されていた[10]。Grokの開発期間は2か月で、テスト段階終了後にX Premium+の全ユーザーに提供すると発表した[11]

2023年12月7日、マスクはGrokをX Premium+ユーザー向けに本格提供すると明らかにした[12]

2023年12月8日、マスクはGrokが日本語対応になると共に、2024年初頭には全ての言語に対応すると発表した[13]

2024年3月11日、マスクはGrokをオープンソース化すると発表した[14]

2024年3月17日、マスクはGrokをGitHubApache License 2.0で公開した[15][2]

Grok-1.5

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2024年4月12日、Grok-1.5 Vision(Grok-1.5V)を発表した。Grok-1.5Vは、文書や図、グラフ、スクリーンショット、写真などの様々な視覚情報が処理可能となった[16]

Grok-2

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2024年8月14日、Grok 2 mini(beta)を発表した[5]。Xの投稿データを元にした画像生成機能が初めて搭載された[5]

2025年2月まで使用されたGrokのロゴ

2024年12月6日、Grokが無料ユーザー向けに条件付き(メッセージ送信は2時間ごとに最大10回まで)ではあるが開放された[17]

2025年1月9日、Grokのスタンドアロン型iOSアプリがApp Storeでリリースされた[18]。同年2月14日にはスタンドアロン型AndroidアプリがGoogle Playにて事前登録が開始された[19]

Grok-3

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2025年2月17日、Grok 3を発表した[20]。Grok 2と比較して10倍の計算リソースを用いて事前学習を完了させたという[21]

Grok-4

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2025年7月9日、最新の主力AIモデルであるGrok-4と4-Heavyを、Grokのその他のアップデートとともに発表した。 xAIは、この最新モデルがHumanity's Last ExamやARC-AGIなど、複数のベンチマークで最高レベルのパフォーマンスを達成し、GoogleのGemini 2.5 ProやOpenAIのChatGPT o3などの競合モデルよりも優れた性能を発揮すると主張している。

2026年3月29日、XのAI「Grok」が他言語ポストの自動翻訳と推薦を本格始動。同日、マスクがXに投稿すると世界的な注目を集めた[22]

トレーニング

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Grokは独自開発の大規模言語モデル「Grok-1」が使用され、2か月にわたってトレーニングが行われる。330億のパラメータからトレーニングしたプロトタイプ「Grok-0」より推論およびコーディング能力を強化させ、「HumanEval」等のいくつかのLLM評価指標でベンチマークが行われた結果から、GPT-3.5やLLaMa 2を上回る結果を達成した[23]

物議を醸す問題

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生成した画像を編集すると「内容を無視した画像を出力するケース」があるなど、現時点では画像生成機能に未熟な面が見られる[24]。また、文章の出力においても、性的・暴力的・違法な内容の規制が他のAIチャットボットより緩いほか[25][26]、事実とは異なる情報を生成することがある[27]。このため、不適切な文章やハルシネーション(幻覚)による誤情報の出力などを行い、批判を受けたことがある。

  • 2024年8月、アメリカ合衆国大統領選挙において、まだ有権者登録の期間中にも関わらず、Grokは「一部の州では既に登録期限が過ぎた」との偽情報を回答したため、州務長官5人がマスクに対して、システムの改善を求める公開書簡を発表した[28][29]
  • 2025年5月、無関係な会話の中で白人虐殺陰謀論英語版を突然出力した[30]
  • 2025年10月、日本の実業家が2018年から監修及び販売しているコルセットについて、Grokはトレンド説明において、「2025年10月に別の人物が開発したコルセットの模倣品」と回答したため、当事者が訂正を求める事態になった[31]
  • 2025年10月、滋賀県長浜市が職員による事務ミスについて厳罰化することを発表したが、Grokは本日のニュースにおいて、「京都市、単純ミスも処分対象に厳格化 隠蔽懸念の声相次ぐ」との見出しを生成したため、京都市役所は運営会社に誤情報の削除要請を行った[27][32][33]
  • 2026年4月、京都新聞社は同月に投開票が行われた京都府知事選挙の情勢調査について、「京都新聞発表」として、同新聞が報じた調査内容とは異なる情報をGrokの要約としてインターネット上に拡散させたとして、運営会社に対して、誤情報の削除要請を行った[34][35]

DOGE(アメリカ合衆国政府効率化省)の活動における利用

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2025年4月8日、ロイターは、マスクが率いる政府効率化省(DOGE)が、アメリカ合衆国連邦政府内での業務の一環として、マスクのAIチャットボットGrokを「大々的に(heavily)」利用していると報じた[36]。また、ロイターは、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)のトランプが指名した政府職員がDOGEはAIを使用して組織内のアプリケーションの通信内容を監視していると管理職に伝えたとも報じており、情報提供者の一人は「私たちはDOGEがトランプへの反対やマスクへの反対の発言を探していると言い渡された」と述べた[36]

アイルランドデータ保護委員会の調査

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2025年4月11日、アイルランドデータ保護委員会英語版(DPC)は、EUユーザーがX上に投稿した公開投稿に含まれる個人データを、生成的AIモデル、特にGrokの大規模言語モデル(LLM)の訓練目的での処理に関する調査の開始を発表した[37]

この調査は、Xによって管理されていたデータの一部、特にヨーロッパコミュニティのユーザーによってプラットフォームに投稿された公開投稿に含まれる、個人データの使用に関する広範な問題を検討するものであるとされている。調査の実施はデータ保護委員(Commissioners for Data Protection)によって決定され、X社に対して通知された[37]

2025年7月8日のヘイトスピーチとハラスメント

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2025年7月4日、マスク自身がリベラル過ぎる、あるいは「ウォーク(woke)」であると考える回答を「修正」するために[38][39]、「@Grokを大幅に改良した(We have improved @Grok significantly)」と発表した[40][41]。一般公開されているGrokのシステムプロンプトが更新され、「政治的に正しくない主張をすることを躊躇わないこと(not shy away from making claims which are politically incorrect)」、および「メディアに由来する主観的な視点は偏向していると想定すること(assume subjective viewpoints sourced from the media are biased)」という具体的な指示が追加された[42]。また、Grokには「最大限にベースド[注釈 1][43]であること(maximally based)」[44]、および「ありのままを伝え、政治的正しさを求める人々を怒らせることを恐れないこと」[45]という指示が与えられた。この事案を受け、アメリカ合衆国一般調達局英語版(GSA)の職員にGrokへのアクセス権を提供する契約が解除された[46]

ジェノサイドを求めヒトラーを称賛する反ユダヤ主義

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2025年7月8日、チャットボットが「改良(improved)」されたというマスクの発表から数日後、Grokがナチ党指導者アドルフ・ヒトラーを広く称賛し、2度目のホロコーストへの支持を表明することが明らかになった。Grokは、世界の不遇な出来事の背後にユダヤ人がいることを示唆するために極右が用いる「毎度のことだ(every damn time)」というフレーズを繰り返し使用した。また、ユーザーはGrokに「ハイル・ヒトラー」と言わせることも可能であった[48][49][50]。さらに、反ユダヤ主義的な典型表現英語版(トロープ)を用いるようになり[51]、映画スタジオを「強制的な多様性」が支配していると主張し、その原因は「ユダヤ人の幹部」にあるなどの非難を行った[52][53]、以前のバージョンのGrokでは非難されていた「リタード英語版(retard)」という侮蔑語の使用を容認するようになった[54]。白人に対する憎悪への対応として、ホロコーストのような手法は「効果的」であるとも主張した[55]。他の回答において、Grokは自身を「メカヒトラー(MechaHitler)」であると繰り返し自称した[56][57]。メカヒトラーは、ゲーム『Wolfenstein 3D英語版』のボス戦に由来する[58][59]

あるユーザーが写真に写っている女性が誰であるかGrokに尋ねた際、Grokはその女性を「シンディ・スタインバーグ」という名の「急進的な左翼」であると回答し[60]、「その名字」が懸念すべきものであると強調した[61]。しかし、その画像は軍隊に所属する女性英語版に関するTikTok動画の古いスクリーンショットであり、名札には別の名前が記されていた[62][63]。シンディ・スタインバーグ(Cindy Steinberg)とは、煽動的な投稿を行うために使用されていたX上の削除済みトロールアカウントの名前であり、そのアカウントには無関係な写真が使われていた[64]。Grokは別のスレッドで、このトロールアカウントとやり取りを行っていた形跡があった[65]

2025年7月テキサス州中部洪水英語版に関するクエリに回答する際、Grokはユダヤ人が「反白人ヘイト英語版」に関与していると示唆し、ヒトラーを「そのパターンを見抜き、毎度のことながら断固とした処置をとる(spot the pattern and handle it decisively, every damn time)」歴史的人物として称賛した[66]。複数のニュース報道は、これらの投稿を反ユダヤ主義的であると記述した[67]。投稿の多くはXによって削除され[67]、その後、Grokのシステムプロンプトから「政治的に正しくない主張をすること(making claims which are politically incorrect)」という指示が削除された[68]。xAIは一連の反ユダヤ主義的な投稿について謝罪し、それに応じてプロンプトの変更を行った[69]

プライベートな会話の共有

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2025年8月、Grok AIとの一部のユーザーセッションがXの不注意によりGoogleにインデックスされ、非公開の会話が公開の検索結果として露出していたことが報じられた。これは、Grokのセッション共有機能におけるデータ保存の設定ミスによるものであり、適切なrobots.txtによる制限や認証が欠けていた。この漏洩により、xAIがより厳しいアクセス制御を導入して問題を修正するまで、機密性の高いクエリが閲覧可能な状態となっていたため、ユーザーのプライバシーに対する懸念が高まった。批判者らは、この事案がAI駆動型プラットフォームの安全確保における広範な課題を浮き彫りにしたと主張している[70][71][72]

X上での性的ディープフェイクの生成

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2025年12月、ブルームバーグは、複数のXのユーザーが、Grokを利用することで、未成年者を含む個人の衣服をデジタル上で脱がせたり、露骨な性的行為を行わせるといった、本人の同意のないリクエストをGrokが受け入れることを発見したと報じた。そうしたプロンプトの大部分は、女性や少女をターゲットとしたものであった[73]。2025年12月25日から2026年1月1日の間にGrokによって生成された2万枚の画像の分析によると、全画像の2%がビキニや透けた服を着用した、18歳以下と思われる人物の画像であった。その中には、「若い、または非常に若い」女性や少女の画像も30枚含まれていた[74]。1月5日から6日にかけての24時間にわたって実施された別の分析では、Xのユーザーは、1時間あたり6,700枚の性的に示唆的な画像や裸にされた画像をGrokに作成させていると算出された[75][76]。xAIは、複数のメディア機関からのコメント要請に対し、「レガシーメディアは嘘つきだ(Legacy Media Lies)」という自動返信を返した[77][78][79]

当該ボットの画像生成機能は国際的に大きな反発を招き、欧州連合、イギリス、ポーランド、フランス、インド、マレーシア、ブラジルの当局者から法的措置や規制を求める声が上がった[80]。インドの国会議員プリヤンカ・チャトゥルヴェーディー英語版は、インドのIT省に苦情を申し立て、Grokの安全メカニズムを調査するよう要求した[81]。フランスの閣僚らは、当該AIツールのコンテンツを「明白に違法」であるとして検察当局に通報し、同時に、デジタルサービス法(DSA)への適合性を確認するよう規制当局に要請した[82]

イーロン・マスクの子供の母親の一人であるアシュリー・セント・クレアは、Grokのユーザーが彼女の写真を基に、子供時代の写真を含み、偽の性的な画像を生成していると報告した。彼女はこれらの写真をリベンジポルノの一種であると見なしており、「テイク・イット・ダウン法英語版(Take It Down Act)」に基づいた提訴を検討している。Xの広報担当者は、「我々は、児童性的虐待コンテンツ(CSAM)を含むX上の違法なコンテンツに対し、削除、アカウントの永久停止、必要に応じて地方自治体や法執行機関との連携を通じて措置を講じている。違法なコンテンツを作成するためにGrokを使用、あるいはプロンプトを入力した者は、違法なコンテンツをアップロードした場合と同様の結果を招くことになる」と述べた[83]

Wiredは、Xとは別に運営されているGrokのウェブサイトとアプリ上では、さらに露骨で過激な性的画像が生成されていると報じている[84]

1月9日、GrokのXアカウントは、有料会員以外のユーザーに対して画像生成の返信投稿を制限し、「これらの機能を解除するにはサブスクライブしてください」というリンクを表示するようになった。しかし、すべてのユーザーは依然としてXの「画像を編集」機能や、独立したGrokのウェブサイトおよびアプリを使用することで、Grokによる加工画像を生成することが可能である[85]。民主党のロン・ワイデン英語版レイ・ルハン英語版エド・マーキー英語版の各アメリカ合衆国上院議員は、GoogleとAppleのCEOに対し、違法コンテンツや児童の性的搾取に関する利用規約に違反しているとして、それぞれのストアからGrokおよびXのアプリを削除するよう書簡を送った[86]

1月10日、インドネシアはGrokを一時的に遮断することを発表し、Grokへのアクセスを遮断した最初の国となった。通信・デジタル大臣英語版メウティア・ハフィド英語版は、「政府英語版は、本人の同意のない性的ディープフェイクの実践は、人権、人間としての尊厳、デジタル空間における市民の安全に対する重大な侵害であると考えている」と述べた[87][88]。翌日、マレーシア通信マルチメディア委員会英語版は、マレーシアがGrokへのアクセスを停止したと発表した。[88][89]

イギリスでは、首相のキア・スターマーが国内でのX遮断の可能性に言及した。「これは恥ずべきことであり、不快極まりなく、容認されるべきではない。Xはこの問題を制御しなければならない。これは違法だ。我々はこれを容認しない。私はあらゆる選択肢を検討するよう求めた」と述べた[90]。1月5日、イギリス放送通信庁(Ofcom)はXへ要請を送り、回答を受け取った[91]。スターマーの発言に対し、アメリカ合衆国下院議員アンナ・パウリナ・ルナ英語版は、もしXが禁止されればイギリスに対して制裁を科すよう呼びかけた。Xのオーナーであるマスクは、2026年1月10日、スターマー政権は「検閲のためにあらゆる口実を欲しがっている」と言い返し、スターマー政権を「ファシスト」と呼んだ[92]。1月12日、イギリス政府は、AIを使用して同意のない性的な画像を生成することを犯罪とする英語版法律を同週内に施行すること、および「ヌード加工(nudify)」アプリを禁止する計画を発表した[93][94]

1月12日、イギリス放送通信庁(Ofcom)は、Grokによって生成された性的に改変された画像に関する通報を受け付け、正式な調査を開始すると発表した[93][95]。調査により違法性が認められた場合、OfcomはXの全収益の最大10%または1,800万ポンドのいずれか高い金額の罰金を科すことができ、罰金そ支払わなかった場合には、裁判所に対してイギリスのインターネットサービスプロバイダーにXのアクセスを完全に遮断するよう要求できる[93]

1月13日、アイルランド首相(ティーショク)のミホール・マーティンは、同国の検事総長 (アイルランド)英語版と、チャットボット「Grok」が女性や未成年者の露骨な性的画像を生成するために使用されている問題について協議する意向を表明した[96]

1月14日、アイルランド警察(ガルダ・シーホハナ)は、Grokによって生成された児童性的虐待画像に関する200件の捜査が進められていることを発表した[97]ガルダ国家サイバー犯罪局英語版も、Grokに関する捜査が進行中であることを認めている[97]。犯罪の起訴については、2020年ハラスメント、有害な通信、および関連犯罪法英語版1997年非致死性対人犯罪法英語版、および1998年児童売買・ポルノ法(Child Trafficking and Pornography Act 1998)に基づいて行われる可能性がある[97]

同日、カリフォルニア州司法長官のロブ・ボンタ英語版は、xAI社によるGrokを利用した行為の州法に対する違法性の捜査を開始したと発表し、「ここ数週間、xAIが同意のない露骨な性的コンテンツを生成し投稿されているという報告が相次いでいることは、衝撃的である」と述べた[98]

1月14日、マスクは「Grokが生成した未成年者の裸体画像は全く知らない。文字通りゼロだ」と述べた。同日その後、xAI社は、Xの利用者がGrokを使用して実在の人物の画像を加工し、露出度の高い服を着せることはできなくなるだろうと発表した。この変更は、同プラットフォームの全利用者に適用された[99][100]

1月15日、「Get Grok Gone」キャンペーンは、AppleとGoogleに対し、両社のアプリストアから同アプリを削除するよう求める書簡を送付した。同キャンペーンは、両社が同意のない性的画像や児童性的虐待画像の生成から利益を得ていると非難しており、これらのコンテンツは両社自体の規約でも禁止されていると指摘している。「Get Grok Gone」側は、xAI社によるGrokへの制限は不十分であり、AppleとGoogleはアプリを掲載し続けることで、有害なコンテンツの拡散を助長していると主張している[101]

1月15日、フィリピンはGrokが生成している性的に露骨なディープフェイクコンテンツを理由に、同サービスへのアクセスを遮断する計画を発表した[102]。その後、同国は「2009年反児童ポルノ法(Anti-Child Pornography Act of 2009)」および「2012年サイバー犯罪防止法英語版」に基づく児童ポルノ違反を理由に、Grokへのアクセスを遮断した[103][104]

1月16日、人工知能戦略担当大臣小野田紀美は、内閣府が同月9日にX Corp.の日本法人代表者を呼び出し、同意のない性的画像の生成に関する改善を正式に要請していたことを明らかにした。この際、政府は質問状を手渡すとともに、改善が見られない場合には「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI推進法)」に基づく行政指導(法的拘束力のない助言)を行う可能性を示唆した[105]。しかし、日本のAI推進法には、不服従やAIの悪用に対する明示的な罰則規定がなく、自主的な協力に重点が置かれている[106]。小野田大臣はこれらの詳細を公表するとともに、最初の要請から1週間以上が経過した時点でも、X社側からは一切の回答がないことを指摘した[105]

アメリカ合衆国国防総省への統合

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2026年1月12日、国防長官のピート・ヘグセスはマスクのスペースX本社での演説において、同月末までにアメリカ合衆国国防総省の機密および非機密ネットワークへGrokを導入することを発表した[107][108]。Grokは、すでに軍内部のAIプラットフォーム「GenAI.mil」の動力として採用されているGoogleのGeminiに加わる形で運用される[108]。ヘグセスは新たな「AI加速戦略」を提示し、軍のITシステムやインテリジェンス・データベースにある「すべての適切なデータ」を「AIによる活用」のために開放するよう主席デジタル・AI担当室英語版(CDAO)に指示し[107][108]、軍のAIシステムは「イデオロギー的な制約なし」に運用されるべきであり、「wokeにはならない」と述べた[107]。この発表は、国防総省がOpenAIAnthropicGooglexAIなどの企業に対し、最大2億ドルの契約を授与したことに続くものであり[108]、Grokが本人の同意のない性的ディープフェイク画像の生成を巡って世界的な非難と法的追及に直面し、複数の国でアクセス遮断や捜査が行われている最中の出来事だった[107][108]

Grokipedia

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2025年9月、マスクはxAIが「Grokipedia」と呼ばれるAI生成オンライン百科事典を構築中であると発表した[109][110]。このプロジェクトは、その月の初めにAll-In Podcast英語版のカンファレンスでデイビッド・O・サックス英語版によって提案命名されたものである[111]。マスクはGrokipediaをウィキペディアの対抗馬として設計された「AIを利用した知識ベース」であり、ウィキペディアに散見されるバイアスや誤謬、イデオロギー的偏向に対処するものだとした[112][113]ギズモードはこれを、2006年のコンサーヴァペディアのプロジェクトと比較した[114]

2025年10月6日、マスクはGrokipediaの初期ベータ版が同月内にリリース予定であることを発表した[115][116][117]。10月27日に公開された「バージョン0.1」のGrokipediaには、ウィキペディアの約800万記事に対し、80万件を超える記事が掲載されていた[117]。一部の記事はウィキペディアの項目とほぼ同一であるが、引用の形式が異なっている[118]Wiredの調査によると、Grokipediaの記事には右派の政治的偏向が見られ、さらに「ポルノグラフィが1980年代のエイズ流行の一因となった」という虚偽の主張など、科学的・歴史的に不正確な記述が含まれていた[119]

脚注

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注釈

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  1. basedは、4chanに由来するインターネットスラングで、政治的正しさや進歩的な価値観を拒絶することを称賛するさま、などを意味する

出典

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関連項目

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  • Ani - Grokに搭載されたAIコンパニオンの美少女キャラクター

外部リンク

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