法面
法面(のりめん)とは、切土や盛土により作られる人工的な斜面のこと。道路建設や宅地造成などに伴う、地山掘削、盛土などにより形成される。
概要
- 法面の傾斜は、切土や盛土が崩壊しないよう考慮する必要があり、土質、岩質等により安定勾配を算出する。不足分は保護工により補う。
- 法面の斜面長は、高さに対する安定勾配で決まる。安定度を考慮して、冗長にならないよう適宜、小段(いわゆる犬走り)を設置する。斜面工事を行う労働者の安全や万が一の事故防止を考慮する。
- 地山掘削を伴う法面工事に関しては、労働安全衛生規則第355条~第361条(労働安全衛生法の規則)などにより、必要な安全措置を講じる義務が定められている。
法面に関連する工事
以下の工事は、斜面崩壊や地すべりなど土砂災害の拡大防止を目的として施工する。
法切工
自然、人工の別を問わない斜面上の不要な土砂を撤去及び整形する工事。単純な地山掘削工事の一環として行われることが多い。
法面保護工
整形された法面の安定度強化及び浸食を防止する工事。法枠工の施工。モルタルや客土を吹き付ける。植生マットや筵を張り付ける。草止めを行なう等、手法にはさまざまなものがある。 宅地造成ではのり面保護(擁壁によっておおわれない崖面の保護)は、擁壁によっておおわれない崖面は石張り、芝張り、モルタルの吹付け等によって風化その他の侵食に対して保護しなければならない。
土留工
斜面の末端及び中腹に土留を配して、崩壊を抑止する。
山留工
のり面山留工法は、乾燥など施工中の諸現象に対してもにより生ずる崖面で、安息角度以下であれば地盤のゆるみ、沈下、又は崩壊から、斜面を永久的に保護する。なお、地盤が良質で、地下水、大雨、乾燥など施工中の諸現象に対しても安全であることが条件。
- モルタル塗り法尻(土のう押さえ 水抜きパイプなど)
- 石張り金網押さえ
- 張り芝 筋芝もしくは切り芝
- 法尻土のう押さえもしくは簡易山留
緑化
法面はしばしば緑化される。該当記事を参照。
法面調査
法面は年月の経過と共に劣化し崩壊することがあるため、定期的に、あるいは不定期に点検する必要がある。 点検によって崩壊兆候などの異常が確認されれば、詳細な調査が実施され、法面対策工法が検討される。 法面調査は土木地質の専門技術者等により実施され、高所作業を伴う場合には特殊高所技術による調査も適用される。
参考文献
- 社団法人 日本道路協会『落石対策便覧』2000年。ISBN 4-88950-412-5。
- 財団法人 道路保全技術センター『道路防災総点検要領』。