平中物語
『平中物語』(へいちゅうものがたり/へいぢゅうものがたり。平仲物語/へいちう物語とも書く)は、平安時代に成立した歌物語。作者や成立年は不詳。主人公の「平中」は、平安時代中期の歌人、平貞文(たいらのさだふみ(さだぶん))。『伊勢物語』の影響が大きい作品であるが伊勢物語に比べ地文が多いという。 目加田さくを氏が「自作説」を説くが、その正確性はともかく、『平中物語』が平中自筆の『貞文家集』を参考にしていることが推察される。
本文
この物語の伝本は現在静嘉堂文庫の所蔵である「平仲物語」と題された伝冷泉為相筆本しかなく、現在の印刷本はいずれも同写本を底本にしている。
- 山岸徳平校註『日本古典全書 平中物語・和泉式部日記・篁物語』朝日新聞社 1959年(昭和34年)。
- 萩谷朴校註『平中全講』赤堤居私家版、1959年(昭和34年)、のち同朋舎出版より復刊。1978年(昭和53年)。
- 萩谷朴校註『平中物語』角川文庫、角川書店、1960年(昭和35年)。
- 遠藤嘉基校注『日本古典文学大系 77 篁物語 平中物語 浜松中納言物語』岩波書店、1964(昭和39年)5月。
- 片桐洋一ほか校注・訳『日本古典文学全集 8 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語』小学館、1972年(昭和47年)12月。 ISBN 4-09-657008-7
- 目加田さくを校注・訳『平仲物語』講談社学術文庫、講談社、1979年(昭和54年) ISBN 978-4-06-158427-3
- 清水好子校注・訳『新編日本古典文学全集 12 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語』小学館、1994年(平成6年)12月。 ISBN 4-09-658012-0