ワイタンギ条約
ワイタンギ条約 | |
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署名 | 1840年2月6日 |
署名場所 | ニュージーランド北島ワイタンギ |
締約国 | 先住民族マオリ族とイギリス王権 |
主な内容 | 主権と土地の所有権を明確にする |
ワイタンギ条約(ワイタンギじょうやく、Treaty of Waitangi, マオリ語: Te Tiriti o Waitangi)とは、1840年2月6日、ニュージーランド北島ワイタンギにおいて、先住民族マオリ族とイギリス王権との間で締結された条約である。
内容
3か条からなる。
- 全てのマオリ族は英国女王の臣民となりニュージーランドの主権を王権に譲る。
- マオリの土地保有権は保障されるが、それらの土地は全てイギリス政府へのみ売却される。
- マオリはイギリス国民としての権利を認められる。
が要約した内容である。
概要
当時、ヨーロッパ人入植者とマオリの間で紛争が多発しており、主権と土地の所有権を明確にするために制定された。
しかしながら条約を英語からマオリ語に翻訳した訳文に問題があり、土地の不法占拠も無くならなかったことから1843年から30年間続くマオリ族の反乱が起こる事態となった。反乱は鎮圧されたものの、この問題はその後も長きに渡って議論されることになった。
例えば「主権」(sovereignty) を表すマオリ語が存在しなかったため、マオリ語の造語「カワナタンガ」(kawanatanga) を使った。だがその造語の意味は「主権」よりも「行政権」(governance) に近かった。また、マオリの土地所有権は部族の長に属していたが、イギリス側の認識では個人間の土地取引を前提としていた。
1975年に至り、ワイタンギ審判所が創立され、ワイタンギ条約で認められた権利について再度審議が開始された。その結果、不法占拠されたと認定された土地に関してはマオリに対して損害賠償が支払われた。