キノロン
キノロン(Quinolone)とは、キノリン骨格の1ヶ所をカルボニル基で置き換えた構造を持つ化合物の総称である。ただし医療分野で単に「キノロン」と言った場合には、4-キノロン骨格を持った合成抗菌薬の系列の一つを指す場合がほとんどである。キノロン系抗菌剤ともいわれる。
キノロン系抗菌剤は、DNAジャイレースの働きを阻害することによって細菌の増殖を妨げる。 ナリジクス酸は、第I世代のキノロンであり、ここに様々な置換基を付与することによって、様々な抗菌スペクトルを持った化合物が生み出された。第I世代キノロン系薬剤にはシノキサシンなどがあるが、いずれも、適応症はほぼ尿路感染症に限定される。
ロメフロキサシン、シプロフロキサシンなど第II世代以降のキノロン系薬剤はニューキノロンと称される。これに対し、第I世代キノロン系薬剤はオールドキノロンと称され、区別される。
参考文献
- 高久史麿,矢崎義雄『治療薬マニュアル 2010』医学書院、2010年。ISBN 978-4-260-00930-0。