イソチオシアネート
イソチオシアネート(Isothiocyanate)とは、-N=C=Sという構造を持つ物質の総称であり、イソシアネートの酸素原子を硫黄原子で置換することによって得られる。アブラナ科の植物にしばしば含まれるアリルイソチオシアネートはカラシ油に含まれ、辛味の原因となっている。エドマン分解ではアミノ酸の配列の解析に用いられる。2020年時点、がん予防に効果があるとして研究されている[1]。
反応
イソチオシアネートは常に炭素原子を求電子中心とする求電子剤として働く。
生理活性
フェニチルイソチオシアネートやスルフォラファンなどのイソチオシアネートは発癌や腫瘍化を防ぎ、化学的な抗がん剤となる。これらは様々なレベルで働き、特にシトクロームP450の働きを阻害して発癌を防ぐ作用が知られている。またフェニチルイソチオシアネートはがん細胞にアポトーシスを起こさせることが示されている。例えば、アポトーシス阻害タンパク質Bcl-2を生産する薬剤抵抗性の白血病細胞などにアポトーシスを起こさせることにも成功している。
脚注
- ^ “「野菜350g」は本当にカラダにいいの…?食生活のウソホント”. FRIDAYデジタル (2020年7月16日). 2020年11月27日閲覧。
関連項目
外部リンク
- Isothiocyanates イソチオシアネート(英語) - (オレゴン州大学・ライナス・ポーリング研究所)