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パネンカ (ペナルティーキック)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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由来となったアントニーン・パネンカ(2013年)

パネンカPanenka)は、サッカーペナルティーキックにおけるテクニックの一つである。

概要

通常、PKも他のシュートと同じように、なるべく強いキックでゴールの隅を狙って蹴るのが一般的であるが、それに対しパネンカは、ゴールの中心に向かってチップキックと同じ要領で柔らかく蹴り、通常のシュートを予想したGKが左右のいずれか飛んだことで空いた中央にゴールするキーパーを欺くシュート方法である。

UEFA欧州選手権1976決勝で、チェコスロバキア代表のアントニーン・パネンカがドイツ代表のキーパーゼップ・マイヤーにチップキックでPKを決めチェコスロバキア代表を優勝に導いた。このことからチップキックによるPKのことを「パネンカ」と呼び表すようになった[1][2]。なお、イタリア語圏ではこのシュート方法のことをIl cucchiaio (イル・クッキアイオ, スプーンの意)と呼んでいる[3]

前述のように、これはGKが横に飛ぶことを成功の前提とするため、GKはこれを読んでしまえば防ぐことは非常に容易となる。

パネンカ以降、パネンカを試みた選手は非常に数が限られている[4][5]フランチェスコ・トッティUEFA EURO 2000)、ジネディーヌ・ジダン2006 FIFAワールドカップ・決勝)、セバスティアン・アブレウ2010 FIFAワールドカップ準々決勝)、アンドレア・ピルロUEFA EURO 2012[6][7]アレクシス・サンチェスコパ・アメリカ2015決勝)[8]オマル・アブドゥッラフマーンAFCアジアカップ2015準々決勝)、アクラフ・ハキミ(FIFAワールドカップ2022決勝トーナメント一回戦)、ダニエル・カルバハル (UEFAネーションズリーグ2022-23決勝)、などといった面々が大舞台でパネンカを成功させている。

脚注

  1. ^ The footballers who have moves named after them”. 2010年11月14日閲覧。
  2. ^ Antonin Panenka - the footballer Pele described as "either a genius or a madman"”. 2010年11月14日閲覧。
  3. ^ Il rigore di Panenka” (Italian). Storie di Calcio. 9 May 2016閲覧。
  4. ^ Euro 2012: Pirlo’s courage to kick a penalty like Panenka helped Italy’s 4-2 win over England”. The Star. 30 Dec 2017閲覧。
  5. ^ Andrea Pirlo explains THAT Panenka penalty which bamboozled Joe Hart at Euro 2012”. The Mirror. 30 Dec 2017閲覧。
  6. ^ BBC Sport – Euro 2012 analysis: Peerless Pirlo exposes England”. bbc.co.uk. BBC Sport (24 June 2012). 28 June 2012閲覧。
  7. ^ Pirlo: 'Why I chipped Hart'”. Football Italia (24 June 2012). 28 June 2012閲覧。
  8. ^ “Chile 0-0 Argentina (4-1 pens): Hosts claim first Copa America title with shoot-out victory”. Sky Sports. (4 July 2015). http://www1.skysports.com/football/chile-vs-argentina/338158 4 July 2015閲覧。