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ラホナヴィス

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ラホナヴィス
生息年代: 後期白亜紀, 70 Ma
復元骨格
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 獣脚亜目 Theropoda
階級なし : 原鳥類 Paraves
: Rahonavis
Forster et al., 1998b
シノニム
  • Rahona Forster et al. 1998 non Griveaud 1975
  • Rahona ostromi Forster et al. 1998a
  • R. ostromi
    (Forster et al., 1998a) Forster et al., 1998b
    模式種

ラホナヴィス[1][2][3][4][5]学名Rahonavis)またはラホナビス [6][7]原鳥類に分類される絶滅した恐竜

発見と命名

既知の部位

標本はマダガスカルのマエヴァラノ層で発見された[8]。 Rahona ostromiとして記載されたが、鱗翅目の属名として使用されていたためRahonavis ostromiに改名された[8][9][10]

属名は「雲の鳥」[2][11]あるいは「上から威嚇する鳥」[8]の意で、種小名は古生物学者ジョン・オストロムへの献名[12]

関連する標本

ラホナヴィスと同一である可能性が示唆されているファルカタケリ

モロッコのケムケム層から類似する胸椎NMC 50852が産出しているが、より大きな椎孔を持っているなどの差異が見られ、ラホナヴィス属には含まれないとされている[13]

2020年に記載された頭蓋骨のみから知られる化石鳥類ファルカタケリ(Falcatakely)はラホナヴィスの頭部である可能性がある[14]が、発見されている部位が重複していないため仮説の域を出ない[15]

ホロタイプ標本に関連して歯骨が発見されているが、ほとんど記載されていない[16]

形態および生態

復元図
人の手との大きさの比較

全長60[8]-70cm[2][11]、体高20cm、体重300g[8]と推定される。

第2中足骨の遠位関節面が蝶番状である点や関節突起によって尾椎同士が強く間接している点はミクロラプトルに、腸骨と坐骨の形態は始祖鳥に類似する[6]。後肢の第一指は反対側を向く[5]。第二指は強大で、シックルクローを持つ[6][8]

飛行

現生鳥類ほど達者ではなかったが飛行することが可能であったと考えられている[2][17][18]。 Habibらは2016年の研究でラホナヴィスの持つ小柄な体格、脚の筋肉量、翼面積から地上から飛び立つことが可能であったことを発見した[19]

食性

食性は肉食と推定され[2][8][11]、ティタノサウルス類の腹部から発見されたことから、屍肉を食べていた可能性がある[11]

分類

2000年代初頭、ラホナヴィスは鳥群よりドロマエオサウルス類に近縁であり、ウネンラギアと密接な関わりがあるとする説が生まれた。

2005年、Makovickyらはウネンラギアブイトレラプトルと密接に関連していることを発見した[20]。 2006年にはNorellらがウネンラギア属の姉妹群としてウネンラギア亜科の中に配置されると報告し[21]。2007年のTurnerらの論文においてもウネンラギアに近縁なドロマエオサウルス科に配置された[22]

ラホナヴィスがウネンラギアに近縁であるとする説は、2009年以降の複数の研究によって異議が唱えられている。 AgnolínとNovasの行った大規模な解析ではドロマエオサウルス科より鳥群に近いことが判明し[23]、2018年のCauによる系統解析ではジェホロルニスやジクシアゴルニスの近縁種である可能性が高いとする結果が得られている[24]

一部の研究者は、ラホナヴィスはドロマエオサウルス類の骨格と鳥群の前肢からなるキメラであると考えている[25]が、前肢とその他の骨格は関節していることから多くの研究者はこの意見について否定的である[11]ルイス・キアッペはキメラであるとする主張に対して、翼と肩の構造が実際よりも派生的特徴を示しているという誤解に基づくものだとしている[18]

脚注

  1. ^ https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjo/67/1/67_7/_pdf/-char/ja
  2. ^ a b c d e 『学研の図鑑LIVE(ライブ) 恐竜 新版』学研、2022年6月23日、85頁。ISBN 978-4-05-205184-5 
  3. ^ G.Masukawa, 小林快次, 土屋健『小林快次監修 新・恐竜骨格図集』イースト・プレス、2022年6月17日、143頁。ISBN 978-4-05-205184-5 
  4. ^ https://www.jpgu.org/wp-content/uploads/2018/03/JGL-Vol9-2.pdf
  5. ^ a b 『新ポケット版学研の図鑑『恐竜・大昔の生き物』』学研プラス、2010年4月22日、160頁。ISBN 978-4-05-203212-7 
  6. ^ a b c 日本大百科全書(ニッポニカ). “ラホナビス(らほなびす)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2023年4月10日閲覧。
  7. ^ 特集:奇妙な恐竜たち 2007年12月号 ナショナルジオグラフィック NATIONAL GEOGRAPHIC.JP”. natgeo.nikkeibp.co.jp. 2023年4月10日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g Rahonavis ostromi - Beschreibung, Dinodata.de”. dinodata.de. 2023年4月10日閲覧。
  9. ^ Forster, Catherine A.; Sampson, Scott D.; Chiappe, Luis M.; Krause, David W. (1998). “The Theropod ancestry of birds: New evidence from the late Cretaceous of Madagascar”. Science 279 (5358): 1915–1919. Bibcode1998Sci...279.1915F. doi:10.1126/science.279.5358.1915. PMID 9506938. 
  10. ^ Forster, Catherine A.; Sampson, Scott D.; Chiappe, Luis M.; Krause, David W. (1998). “Genus correction”. Science 280 (5361): 179. Bibcode1998Sci...280..179F. doi:10.1126/science.280.5361.179g. 
  11. ^ a b c d e Rahonavis”. www.prehistoric-wildlife.com. 2023年4月10日閲覧。
  12. ^ Ben Creisler. "Dinosauria Translation and Pronunciation Guide". 2011年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月3日閲覧
  13. ^ https://www.scielo.br/j/aabc/a/FGpTZnRQBrKTcjLBtPK7K3j/?format=pdf&lang=en
  14. ^ Mortimer, Mickey (2020年11月28日). “The Theropod Database Blog: Is Falcatakely a bird?”. The Theropod Database Blog. 2023年4月10日閲覧。
  15. ^ Theropoda: Falcatakely è il cranio di Rahonavis?”. Theropoda (2020年11月29日). 2023年4月10日閲覧。
  16. ^ Forster, O'Connor, Chiappe and Turner, 2020. The osteology of the Late Cretaceous paravian Rahonavis ostromi from Madagascar. Palaeontologia Electronica. 23(2):a31.
  17. ^ マイケル・J・ベントン他, ed (2010). 生物の進化大図鑑. p. 497. ISBN 978-4-309-25238-4 
  18. ^ a b Chiappe, L. M. (2007-02-02). Glorified Dinosaurs: The Origin and Early Evolution of Birds. Sydney: UNSW Press. ISBN 978-0-471-24723-4 
  19. ^ published, Laura Geggel (2016年12月1日). “Could Dinosaurs Fly?” (英語). livescience.com. 2023年5月8日閲覧。
  20. ^ Makovicky, Peter J.; Apesteguía, Sebastián; Agnolín, Federico L. (2005-10-01). “The earliest dromaeosaurid theropod from South America”. Nature 437: 1007–1011. doi:10.1038/nature03996. ISSN 0028-0836. https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2005Natur.437.1007M. 
  21. ^ Norell, Mark A.; Clark, James M.; Turner, Alan H.; Makovicky, Peter J.; Barsbold, Rinchen; Rowe, Timothy (2006-12-07). “A New Dromaeosaurid Theropod from Ukhaa Tolgod (Ömnögov, Mongolia)”. American Museum Novitates 3545 (1): 1–51. doi:10.1206/0003-0082(2006)3545[1:ANDTFU]2.0.CO;2. https://zenodo.org/record/5386073. 
  22. ^ Turner, Alan H.; Pol, Diego; Clarke, Julia A.; Erickson, Gregory M.; Norell, Mark A. (2007-09-07). “A Basal Dromaeosaurid and Size Evolution Preceding Avian Flight” (英語). Science 317 (5843): 1378–1381. doi:10.1126/science.1144066. ISSN 0036-8075. https://www.science.org/doi/10.1126/science.1144066. 
  23. ^ Agnolín, F.L.; Novas, F.E. (2013). "Avian ancestors. A review of the phylogenetic relationships of the theropods Unenlagiidae, Microraptoria, Anchiornis and Scansoriopterygidae". SpringerBriefs in Earth System Sciences. pp. 1–96.
  24. ^ Andrea Cau (2018). "The assembly of the avian body plan: a 160-million-year long process" (PDF). Bollettino della Società Paleontologica Italiana. 57 (1): 1–25. doi:10.4435/BSPI.2018.01.
  25. ^ Geist, Nicholas R.; Feduccia, Alan (2000). “Gravity-defying Behaviors: Identifying Models for Protoaves”. American Zoologist 40 (4): 664–675. doi:10.1668/0003-1569(2000)040[0664:GDBIMF]2.0.CO;2.