北北西に曇と往け
北北西に曇と往け | |
---|---|
ジャンル | ミステリー |
漫画 | |
作者 | 入江亜季 |
出版社 | KADOKAWA 台湾角川 大元C.I. Vertical Comics |
掲載誌 | 『ハルタ』→『青騎士』 |
レーベル | ハルタコミックス(単行本) 青騎士コミックス(愛蔵版) |
発表号 | 『ハルタ』Vol.32 - Vol.80 『青騎士』Nr.1 - |
発表期間 | 2016年3月14日[1] - |
巻数 | 既刊6巻(単行本) 既刊6巻(愛蔵版) (2023年1月20日現在) |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『北北西に曇と往け』(ほくほくせいにくもといけ[2]、アイスランド語: Norðnorðvestur, inn í skýjabakkann、英語: Go with the clouds, North by Northwest)は、入江亜季による日本の漫画作品。
2016年に『ハルタ』(KADOKAWA)にてVol.32より連載開始[1]。 2021年からは、新たに創刊された『青騎士』へ移籍して連載中[3][4]。
アイスランドを舞台に、日本人少年の探偵業を描くジュブナイル・ミステリー[1][5]。
2019年、第12回マンガ大賞にノミネート[6]、同年6月「第3回みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」8位入賞。
2021年7月より、単行本と比べ画面のサイズが大きく迫力のある線画となっているワイド版が、愛蔵版コミックスとして刊行されている[7]。
あらすじ
両親を亡くしてアイスランドに旅立ち、探偵稼業をしている17歳の少年・御山 慧は、機械とコミュニケーションが取れる特殊な能力を持つ。女優のカトラは温泉遊び中に出会った男に惚れ、慧に依頼して探してもらおうとするが、その男こそ慧の祖父・ジャックであった。
ある日、弟・御山 三知嵩に連絡を取ろうとするが、三知嵩はおろか、その滞在先であるはずの叔父夫婦とも音信不通であることに気づき、蒼惶としてジャックとともに日本に帰る。そこで知ったのは、叔母は事故に遭い、叔父は病気に罹って相次いで死亡したこと、三知嵩は兄を訪ねるために2か月前にアイスランドへ発ったことであった。アイスランドへ帰った慧は、カトラの姪・リリヤと知り合う。
アイスランドに戻ってから慧は怪しい男に追われ、ある日捕まって三知嵩の居場所を明かすように強要された。男は日本の刑事であり、三知嵩を叔父夫婦の殺人犯として捜していたが、慧は男から暴力を受けながらも弟の殺人を否定する。その後気絶した慧を三知嵩が拾って再会を果たした。
しかし、慧と三知嵩の会話を聞いていたリリヤには三知嵩の声が「汚れた音」に聞こえ、嘘をついていると確信して慧に警告する。三知嵩と引き離された慧は、日本から旅行に来た親友の清と観光に出かけることになった。
登場人物
- 御山 慧(みやま けい)
- 主人公。日本出身の17歳の少年。長身痩躯で筋肉質。左利き。髪は黒で、青い瞳。俗に言うイケメンである。一見冷淡で疑り深いが、根は優しく感情豊か。
- 機械と会話できるという不思議な能力を持ち、高校を中退後、レイキャビクの祖父・ジャックの家に居候して探偵業を営んでいる。両親はすでに亡くしていて、弟(三知嵩)思いな性格。
- 美女とアルコールは苦手。コーヒーが好きだが、ジャックに毎朝飲まされて癖になったことが原因である。
- とんかつを食べた後にラーメンを食べられるほど、食べることが好き。食べ物の寝言を言うシーンもある。大好物は肉で、目の前にすると我を忘れる。
- 愛車はスズキ・ジムニー。
- 御山 三知嵩(みやま みちたか)
- 慧の弟。15歳の高校生。髪は金色で日本人というよりは、外見は外国人に見える。
- 両親亡き後は母方の叔父夫婦の家に住んでいたが、夫婦が相次いで死去し、慧を追って一人でアイスランドまで来た。しかし夫婦を殺害した疑いが持たれ、追われる身になっている。
- リリヤ
- 本作のヒロイン。カトラの姉の娘で、17歳のクールな少女。胸が控えめなのを気にしている。慧と知り合う前、慧のジムニーに積まれていた毛布や物資を盗んでいった。
- 音楽(チェロと声楽)を嗜み、日本語の響きに興味を持っているが、三知嵩の声に違和感を抱き、警戒する。
- ジャック
- 慧の祖父で、好色漢なフランス人。「ンッフッフ」と笑う。大学で北極圏や高地の生態学を講じており、自然に詳しい。鳥たちとやり取りをする能力がある。
- 慧との間には喧嘩が絶えないが、非常に仲良し。
- カトラ
- 休業中の女優。ジャックに惚れて恋人になって以来、慧たちと親しく交流する。
- 清(きよし)
- 慧の親友で理解者。パソコンの扱いに優れ、アプリ制作を趣味としている。アイスランドに慧を訪れ、慧やジャックとともに観光を楽しんだ。
- リリヤには「きれいな声」と褒められている。
制作背景
作者の入江は当初、次回の連載で「土」「地面の下」を描こうと志していて、さまざまな学術本を読む中でアイスランドに惹かれるに至った[8]。『乱と灰色の世界』の連載を終えた後、休暇を得て各地を旅行したが、アイスランドをドライブしたことが最高の思い出となり[8]、「アイスランドの自然と、生活と、車」を描こうと思って本作を描き始めた[9]。
書誌情報
- 入江亜季 『北北西に曇と往け』 KADOKAWA〈ハルタコミックス〉、既刊6巻(2022年11月18日現在)
- 2017年10月13日発売[5][10]、ISBN 978-4-04-734831-8
- 2018年3月15日発売[11]、ISBN 978-4-04-735052-6
- 2019年1月15日発売[12]、ISBN 978-4-04-735345-9 - 巻頭と巻末に描き下ろしを収録[12]。
- 2020年1月14日発売[13]、ISBN 978-4-04-735792-1
- 2021年1月15日発売[14]、ISBN 978-4-04-736263-5 - 特典としてポストカードを配布[15]。
- 2022年11月18日発売[16]、ISBN 978-4-04-737232-0
- 入江亜季 『北北西に曇と往け<ワイド版>』 KADOKAWA〈青騎士コミックス〉、既刊6巻(2023年1月20日現在)
- 2021年7月20日発売[7]、ISBN 978-4-04-736590-2
- 2021年8月20日発売[17]、ISBN 978-4-04-736591-9
- 2021年9月18日発売[18]、ISBN 978-4-04-736592-6
- 2021年10月20日発売[19]、ISBN 978-4-04-736593-3
- 2021年11月20日発売[20]、ISBN 978-4-04-736594-0
- 2023年1月20日発売[21]、ISBN 978-4-04-737335-8
脚注
- ^ a b c “入江亜季の新連載「北北西に曇と往け」開始、17歳の少年がアイスランドを行く”. コミックナタリー (ナターシャ). (2016年3月14日) 2021年7月20日閲覧。
- ^ “北北西に曇と往け”. まんが王国. 2022年3月14日閲覧。
- ^ “KADOKAWAから新マンガ誌・青騎士が来春誕生、「乙嫁語り」「北北西に曇と往け」移籍”. コミックナタリー (2020年12月15日). 2021年3月13日閲覧。
- ^ “新漫画誌「青騎士」2021年4月創刊 ジャンル横断掲載で"ネットレコメンドに頼らない"漫画との出合いを 『乙嫁語り』『北北西に曇と往け』が移籍”. ほんのひきだし (2020年12月16日). 2021年3月13日閲覧。
- ^ a b “入江亜季がアイスランドを舞台に描く探偵活劇「北北西に曇と往け」1巻”. コミックナタリー (ナターシャ). (2017年10月13日) 2021年7月20日閲覧。
- ^ “マンガ大賞2019 大賞作品発表!”. ブックライブ (2021年1月15日). 2021年3月13日閲覧。
- ^ a b “北北西に曇と往け<ワイド版> 1 入江 亜季:コミック|KADOKAWA”. KADOKAWA. 2021年7月20日閲覧。
- ^ a b 入江亜季『北北西に曇と往け 1』KADOKAWA〈HARTA COMIX〉、2017年10月13日、248頁。
- ^ “こんな探偵モノ見たことなーい! マンガ『北北西に曇と往け』の面白さ”. マガジンハウス. ananニュース (2019年3月20日). 2021年3月13日閲覧。
- ^ “北北西に曇と往け 1巻 入江 亜季:コミック|KADOKAWA”. KADOKAWA. 2021年7月20日閲覧。
- ^ “北北西に曇と往け 2巻 入江 亜季:コミック|KADOKAWA”. KADOKAWA. 2021年7月20日閲覧。
- ^ a b “北北西に曇と往け 3巻 入江 亜季:コミック|KADOKAWA”. KADOKAWA. 2021年7月20日閲覧。
- ^ “北北西に曇と往け 4巻 入江 亜季:コミック|KADOKAWA”. KADOKAWA. 2021年7月20日閲覧。
- ^ “北北西に曇と往け 5巻 入江 亜季:コミック|KADOKAWA”. KADOKAWA. 2021年7月20日閲覧。
- ^ “「北北西に曇と往け」5巻、特典に入江亜季のイラストあしらったポストカード”. コミックナタリー (2021年1月15日). 2021年3月13日閲覧。
- ^ “北北西に曇と往け 6巻 入江 亜季:コミック|KADOKAWA”. KADOKAWA. 2022年11月18日閲覧。
- ^ “北北西に曇と往け<ワイド版> 2 入江 亜季:コミック|KADOKAWA”. KADOKAWA. 2021年8月20日閲覧。
- ^ “北北西に曇と往け<ワイド版> 3 入江 亜季:コミック|KADOKAWA”. KADOKAWA. 2021年9月12日閲覧。
- ^ “北北西に曇と往け<ワイド版> 4 入江 亜季:コミック|KADOKAWA”. KADOKAWA. 2021年10月20日閲覧。
- ^ “北北西に曇と往け<ワイド版> 5 入江 亜季:コミック|KADOKAWA”. KADOKAWA. 2021年11月20日閲覧。
- ^ “北北西に曇と往け<ワイド版> 6 入江 亜季:コミック|KADOKAWA”. KADOKAWA. 2023年1月20日閲覧。