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東欧ミサイル防衛構想

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東欧ミサイル防衛構想(とうおうミサイルぼうえいこうそう)は、2000年代後半に推進されている東ヨーロッパでのミサイル防衛計画。

概要

ジョージ・W・ブッシュ第43代アメリカ合衆国大統領は、イラン北朝鮮の脅威に対抗するため、東欧でのミサイル防衛の推進の必要性を唱えた。そして、ポーランドチェコと協定を結び、ミサイル防衛の設備を配備することとなった。具体的には、チェコに大陸間弾道ミサイルの早期警戒レーダーサイトを、ポーランドに迎撃ミサイル基地を建設しようとしている。

ロシアはこれに反発した。ロシアは東欧ミサイル防衛構想を「自国を対象としたもの」とし、「もし、ポーランド(もしくはリトアニア)にミサイル防衛設備が配備されれば、ミサイルの射程を欧州に向けざるを得ない」「脅威には脅威で応える」とアメリカに強く反発している(NATOの東方拡大もロシアの強硬な反発の一因になっている)。ロシアは、アゼルバイジャンのレーダーサイトの共同利用を代替案として提示したが拒否された。以降、2008年グルジア紛争もあり、米ロ関係は「新冷戦」と呼ばれるまでに悪化した。

2009年1月20日、「敵との対話」「国際協調」を掲げるバラク・オバマがアメリカ大統領に就任。ロシア側はミサイル防衛計画の撤回を期待した。しかし、オバマは「イランの脅威がなくなれば、ミサイル防衛を推進する必要はなくなる」と述べていたため、当初防衛計画の撤回は見送られるものと思われていたが、2009年9月17日、オバマはイランの短・中距離ミサイルの脅威の方が高いとして防衛計画の見直しを決定。ロシアはこれを歓迎する声明を発表した[1]

見直しによってポーランドに迎撃ミサイル、チェコにレーダー施設を配備する計画は中止された。

新たな計画では2011年から2020年頃までの第4段階で構成される。第1段階でSM-3を搭載したイージス艦を配備し、第2段階では地上発射型SM-3をポーランドとチェコに配備、第3段階は日本アメリカが共同開発しているSM-3 ブロックIIAを配備、最後の第4段階ではSM-3 ブロックIIBによって長距離ミサイル対処能力をもつ。

脚注

関連項目

外部リンク