見野古墳群
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見野古墳群(みのこふんぐん)は、兵庫県姫路市四郷町(しごうちょう)見野にある古墳群(群集墳)。4基が兵庫県指定史跡に、6基が姫路市指定史跡に指定されている。
概要
兵庫県南部、市川東岸の八家川流域の麻生山(小富士山)東麓に営造された古墳群である。現在までに13基が確認されている。一部は2005-2007年(平成17-19年)に発掘調査が実施されている。
構成古墳はいずれも埋葬施設を横穴式石室とし、比較的大型の石室である点に特色を示す[1]。特に6号墳は墳丘1つに横穴式石室2基を有するという珍しい双室墳である[1]。また10号墳では墳丘封土が失われて石室が露出しており、石舞台古墳(奈良県明日香村)を連想させる様子から「姫路の石舞台」と通称される[1]。
この見野古墳群は、古墳時代後期-終末期の6世紀後半-7世紀頃の営造と推定される[1]。石室形態の変遷を追うことを可能とする古墳群であるとともに、南東約650メートルでは白鳳寺院の見野廃寺跡が知られ、本古墳群の営造氏族との関連性が指摘される古墳群になる[2][1]。
3・4・6・10号墳は2019年(平成31年)に兵庫県指定史跡に指定され[1]、1・2・8・9・12・13号墳は2006年(平成18年)に姫路市指定史跡に指定されている[1]。
来歴
- 2005-2007年(平成17-19年)、発掘調査・測量調査(姫路市教育委員会・立命館大学、2009・2011年に報告書刊行)[1]。
- 2006年(平成18年)3月24日、1-4・6・8-10・12・13号墳(計10基)が姫路市指定史跡に指定[1]。
- 2019年(平成31年)3月12日、3・4・6・10号墳(計4基)が兵庫県指定史跡に指定[3][1]。
一覧
古墳名 | 画像 | 埋葬施設 | 築造時期 | 史跡指定 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1号墳 | 横穴式石室 | 姫路市指定史跡 | |||
2号墳 | 横穴式石室 | 姫路市指定史跡 | |||
3号墳 | 左片袖式横穴式石室 (全長11.1m) |
7c前半 | 兵庫県指定史跡 | 発掘調査で副葬品多数出土 | |
4号墳 | 左片袖式横穴式石室 (全長9.4m以上) |
兵庫県指定史跡 | |||
5号墳 | 横穴式石室 | なし | |||
6号墳 | 横穴式石室2基 (東石室:左片袖式で全長9.5m) (西石室:無袖式で全長8.5m) |
6c末-7c初頭 | 兵庫県指定史跡 | 1墳丘2石室(双室墳) 通称「夫婦塚」 発掘調査で副葬品多数出土 | |
7号墳 | 横穴式石室 | なし | |||
8号墳 | 横穴式石室 | 姫路市指定史跡 | |||
9号墳 | 横穴式石室 | 姫路市指定史跡 | |||
10号墳 | 横穴式石室 (全長10.86m) |
7c中葉 | 兵庫県指定史跡 | 通称「姫路の石舞台」 | |
11号墳 | 横穴式石室 | なし | |||
12号墳 | 横穴式石室 | 姫路市指定史跡 | |||
13号墳 | 横穴式石室 | 姫路市指定史跡 |
文化財
兵庫県指定文化財
- 史跡
- 見野古墳群 - 3・4・6・10号墳(計4基)。2019年(平成31年)3月12日指定[3]。
姫路市指定文化財
- 史跡
- 見野古墳群 - 1・2・8・9・12・13号墳(計6基:指定当時は1-4・6・8-10・12・13号墳の計10基)。2006年(平成18年)3月24日指定[1]。
周辺
- 見野廃寺跡
- 見野長塚古墳
脚注
参考文献
(記事執筆に使用した文献)
- 史跡説明板(姫路市教育委員会、2019年設置)
- 「兵庫県史跡指定記念展 見野古墳群」姫路市埋蔵文化財センター、2019年。
関連文献
(記事執筆に使用していない関連文献)
- 『姫路市史 第7巻 下(資料編 考古)』姫路市、2010年。
- 『姫路市見野古墳群発掘調査報告』姫路市教育委員会、2009年。
- 『姫路市見野古墳群発掘調査報告(立命館大学文学部学芸員課程研究報告 第13冊)』立命館大学文学部、2011年。
外部リンク
- 見野古墳群 - 姫路市ホームページ
座標: 北緯34度48分20.92秒 東経134度43分24.45秒 / 北緯34.8058111度 東経134.7234583度