ワステカ
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マヤ語族の原郷からワステカへの移動の想像図 | |
居住地域 | |
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メキシコ サン・ルイス・ポトシ州、ベラクルス州 | |
言語 | |
ワステコ語(マヤ語族)、スペイン語 | |
宗教 | |
カトリック |
ワステカ[1](Huasteca)あるいはワステコ[2]は、メキシコの先住民のひとつ。東部のメキシコ湾岸地方、現代ではサン・ルイス・ポトシ州とベラクルス州の一部に住む。
マヤ語族のワステコ語を話すが、他のマヤ人から遠く離れた地域に住み、マヤ文明とは異なる独自の文化を発展させた。
概要
[編集]ワステコ語はメキシコ・グアテマラ国境のチコムセルテック語(すでに消滅)に非常によく似ていることが指摘されている[3]。
伝統的にワステカが居住した地域はワステカ地方と呼ばれる。東部メキシコのサン・ルイス・ポトシ州南東部、ベラクルス州北部、タマウリパス州南部、イダルゴ州東部、プエブラ州北部に相当する[4]。しかしこの地方にワステカのみが住んでいたわけではなく、スペイン人が訪れたときにはナワ族、テペワ族、オトミ族などにまじって住んでいた[5]。
アステカ神話の大地の神トラソルテオトルは、もともとワステカがイシュクイナメと呼んでいた地母神が取り入れられたものらしい[6][7]。
15世紀のモクテスマ1世の時代にアステカはワステカ地方を征服した[8]。
スペイン人による征服により、ワステカの人口は急激に減少した。それは虐殺や伝染病、あるいは砂糖のプランテーション農業の労働者としてカリブ海諸島に送られることによって起きた[9]。1500年には100万人の人口があったが、1680年には約1万人に減少したという。1980年には約10万人の人口がある[10]。メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)によれば、5歳以上でワステコ語を主な言語として話す人口は2010年で161,120人だった[11]。
現代では、伝統的な政治・宗教組織はほぼ消滅している[1]。
脚注
[編集]- ^ a b 石井紀「ワステカ」『日本大百科全書』 24巻、小学館、1985年、787頁 。
- ^ 八杉佳穂 著「ワステコ」、綾部恒雄 編『世界民族事典』弘文堂、2000年、772頁。ISBN 4335560966。
- ^ 八杉佳穂「ワステック語」『言語学大辞典』 4巻、平凡社、1132-1134頁。
- ^ Ochoa (2001) pp.13-14
- ^ Ochoa (2001) p.13
- ^ Ochoa (2001) p.14
- ^ Miller, Mary; Taube, Karl (1993). “Tlazolteotl”. The Gods and Symbols of Ancient Mexico and the Maya: An Illustrated Dictionary of Mesoamerican Religion. Thames & Hudson. p. 168. ISBN 0500050686
- ^ Richard F. Townsend (2000) [1993]. The Aztecs (Revised ed.). Thames & Hudson. p. 94. ISBN 0500281327
- ^ Ochoa (2001) pp.14-15
- ^ R. E. Asher; C. J. Moseley, ed (2007) [1994]. Atlas of World's Languages (2nd ed.). Routledge. ISBN 0415310741 (chapter 2.1.5)
- ^ Lengua indígena, INEGI
参考文献
[編集]- Ochoa, Lorenzo (2001). “Huastec”. The Oxford Encyclopedia of Mesoamerican Cultures. 2. Oxford University Press. pp. 13-15. ISBN 0195108159