遠足

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遠足(えんそく)は、特に学校での校外見学などで遠くへ出かける日帰り程度の旅行のことをいう。

旧制武蔵高校の遠足(1946年秋)

言葉としては、遠方に行く・足を延ばすの意味で江戸末期には用いられていた[1]

学校行事としての遠足の起源は明治時代に遡る。例えば、1886年明治19年)に東京師範学校が実施した「長途遠足」(兵式体操演習とともに学術研究を行った)は、「修学旅行の嚆矢」としても知られている[2]。また、1900年明治33年 )の文部省通達(第3次小学校令)で、兵式教練(歩兵操典第一部基本教練)の一環として、遠足、水泳、氷辷、舟漕を遊戯として取り入れるよう指示されていた[3]

幼稚園保育所小学校では必ず行われる学校行事で、学習指導要領にも特別活動として行うべき学校行事として明記されている。中等教育以降の中学校高等学校でも行われる例が多い。なお、中学校や高等学校においては、「遠足」ではなく「校外学習」と呼ぶ学校もある。本来は徒歩で遠出するものであったが、現在では目的地やその近くまでバスなどで移動することの方が多い。

概要[編集]

遠足の子どもたちの例。のプラットホームにて。

学校行事の中で「旅行(遠足)・集団宿泊的行事」に定められ、見聞を広め、集団行動と公共性を身につけるために行われる。行事としての遠足に加え、社会科見学理科の野外観察・生活科の校外探検活動も、「遠足」と呼び習わすこともある。一般に遠足は学年の行事として実施される。ただし、入学式直後の「歓迎遠足」や卒業式直前の「送別遠足」のように、全校を挙げて実施することもある。遠足中は団体行動であり、活動内容等により、班単位、学級単位、あるいは学年単位で行動することが多い。ただし、実施内容によっては全行程を班行動で行うこともある。利用する交通手段は目的地や実施内容によって様々である。貸切バスを利用したり、バス・鉄道などの公共交通機関を用いたり、あるいは学校から直接徒歩で出かけるということもある。

遠足の位置づけと目的[編集]

小学校、中学校、高等学校、中等教育学校などの初等中等教育において遠足は、学習指導要領の中で特別活動として実施される学校行事の1つとされており、「遠足・集団宿泊的行事」として位置づけられている。遠足には、普段の学校生活を離れて、自然や文化、現実の社会や歴史に生で触れるという目的と、クラスメイトや引率教師たちと集団行動を共にするということで、お互いの理解と連帯感を持ちあうという目的がある。

行き先[編集]

遠足にふさわしい自然や史跡などがあり、児童・生徒が安全に行動できる目的地は限られるため、同じ学校から毎年のように同じ場所を訪れたり、複数の学校の目的地が重なったりすることも多い。

埼玉県や東京都からの年100グループ以上の遠足が訪れる巾着田を中心とする高麗郷(こまごう)では、所管する日高市が2017年4月8日、「遠足の聖地」を宣言した。大人の観光や移住者誘致への波及効果も期待している[4]

おやつ[編集]

日本の遠足では大抵各自がおやつを用意して持っていく習慣がある。ふつうは総額で300円など上限があり、店舗へ出向きこの範囲内でやりくりして購入するのも、社会勉強の一環とされている。なお、国や地域によっては学校側であらかじめおやつが用意されているところも多い。

脚注[編集]

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出典[編集]

  1. ^ 続膝栗毛(1810年)に、『今日遠足(ヱンソク)どもいたして』とある(小学館、日本国語大辞典第二版、2003年)
  2. ^ 『東京高等師範学校沿革略志』東京高等師範学校,1911 p.37-38
  3. ^ 松浪稔「明治期における小学校体操科の内容に関する研究 : 第3次小学校令(明治33年)を中心にして(教育史,後藤純郎先生古希記念号)」『教育學雑誌』第29巻、日本大学教育学会、1995年、 109-124頁、 doi:10.20554/nihondaigakukyouikugakkai.29.0_109ISSN 0288-4038NAID 110009901486
  4. ^ 「遠足の聖地」宣言”. 日高市ホームページ. 2018年8月2日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]