運動音痴

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運動音痴(うんどうおんち)とは、運動能力が平均以下、もしくは他人より劣っている人間及びスポーツ全般を苦手とする者のことを指す。

概要[編集]

の下手な人間を指す音痴を改変した言葉であり、一般的に運動が苦手なことで運動音痴と取られることが多い。近年における神経科学の知見では、運動に必要な巧みな動きをもたらすものである「運動スキル」が劣っている者を指す[1]。該当者は、「体力や筋力が足りない」「親も運動が苦手だったから遺伝」「反射神経が鈍い」など運動に関する負の要素も認識していることが多く[1]、実際にほとんどの要素が該当している。原因として、筋力の切り替えが通常より遅いことなどが挙げられている[1]

学術的には「運動不振」(または「運動遅滞」)という用語が使用され、1970年頃から散発的に研究が行われている。他にも国内外でさまざまな用語が用いられているが、国際的には「発達性協調運動障害」 (Developmental Coordination Disorder; DCD) の用語が概念的に最も近い。ただし、発達性協調運動障害の場合は日常生活にも支障をもたらすレベルの身体運動における不器用さを想定しているため、単に体育やスポーツが苦手といったレベルは該当しないと考えられる。「運動不振」に関する研究では、運動が苦手な理由として単に体力が低いだけではなく、反応の速さや視覚的能力などの「知覚運動」能力が低いことなどが指摘されている。

能力の偏り[編集]

特定の運動要素では才能がありながら表に出ていない場合があるほか、特定の運動要素では能力が劣りながら別方面の運動要素では優れた力を発揮する者もいる。俊敏性には欠けるが運動神経反射神経の良い者などの事例があり、俊敏性に優れた者は体内の速筋の割合が高く、筋力にも優れているが持久力に欠け、反対に持久力の高い者は遅筋の割合が高いことが要因とされる。

克服する方法[編集]

運動音痴とされる者であっても、必ずしも運動の能力が劣っているわけではない場合もある。この場合などは身体を鍛えたり練習を重ねるなどで基礎体力をつけることにより克服する場合もあり、このような運動を続けることで運動音痴が解消されることもあるほか、軽度の運動障害程度であれば確実に克服することができる。また、身体の使い方が下手な場合は運動能力が低いわけではなく、むしろ運動の才能に恵まれながらあまり運動せずに不規則な生活を送っていることが原因である。他にも運動量に反して高身長、もしくは体重が重いなど運動量が少ないために身体の成長についていけなくなるなども原因とされる。ただし、それはあくまでも運動を継続的に行うことで得られるものであり、身体の成長のみをもって克服することもまれである[2]。一方、30代や40代になってから正しい運動法の指導を受けることで克服する事例もある。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c 東大生と学ぶ“運動音痴”の治し方 - 日経ビジネスオンライン 2009年5月13日
  2. ^ 気分爽快!身体革命―だれもが身体のプロフェッショナルになれる! BABジャパン (ISBN 4894228394)[要ページ番号]