自律システム (インターネット)

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インターネットにおける自律システム (autonomous system) (以下ASと略す)とは、インターネットに繋がるひとつ(時に複数)のルーティングポリシー配下にあるIPネットワークやルータの集合のことを言う。この新しい定義についての詳細はRFC 1930を参照のこと。

もともとはインターネットサービスプロバイダ (ISP) や複数のネットワークに繋がった巨大な組織など、ひとつのルーティングポリシーによって制御されているネットワークと定義されていた。詳しくはボーダ・ゲートウェイ・プロトコル (以下BGPと略す) に関して定義されたRFC 1771(廃止)を見ること。RFC 1930で新しく定義されたのは、グローバルAS番号を持ったISPに繋がっている複数の組織においてプライベートAS番号を使用してBGPを走らせ、インターネットに繋ぐことができるようになったことである。たとえそのISPが複数のASを抱えていても、インターネットからはISPのルーティングポリシーが見えるだけである。

ユニークなAS番号 (AS number) はBGPのルーティングを行うのに必要なので、各ASごとに割り振られている。BGPにおいて、AS番号はそのユニークさをもってインターネット上の各々のネットワークを認識するため、非常に重要である。

AS番号の割り当て[編集]

AS番号はIANAにより、IPアドレスとともにブロック単位で地域インターネットレジストリ(以下RIRと略す)に割り当てられている。ローカルのRIRはIANAからブロック単位で割り当てられたAS番号を個々に割り当てる。AS番号を希望する団体はその地域を管轄するRIRもしくは国別インターネットレジストリ (以下NIRと略す) で所定の手順を踏み、AS番号を得ることについて承認されなければならない。日本では担当RIRであるAPNICか、日本のNIRであるJPNICに申請をし承認を得る。IANAのサイトではAS番号の割り振りを見ることができる[1]

AS番号は現在、16ビットの整数からなり、最大65536個割り振ることができる。 AS番号は以下の2つの範囲からなる。1つ目は1から64511までの範囲で、グローバルAS番号と呼ばれインターネット上で使用される。2つ目は64512から65535までの範囲で、プライベートAS番号と呼ばれ組織の内部でのみ使用される。

2007年より32ビットに拡張されたAS番号が使用される予定で各RIRから配分は始まっているが、2008年8月現在、RIR間で正式な施策はまだない状況である。32ビット版AS番号のフォーマットは <上16ビット>.<下16ビット> (例:4.265) となる。

タイプ[編集]

自律システムはその接続形態や運用形態によって、3つに分けられる。

マルチホームASは複数のISPに接続しているようなタイプのASである。複数のISPに接続していることにより、接続しているISPのうちひとつがダウンしてもインターネットへの接続は維持される。加えて、このタイプのASは接続しているあるISPから他のISPへの経路になることもない。

これに対してスタブASは単一のISPに接続しているようなタイプのASである。これらのASは上流ISPとルーティングポリシーが同一の場合、AS番号が有効利用されない場合がある。実際、インターネットルーティングにおいてこのようなスタブASは、パブリックなルッキンググラスサーバ上で他のASとのピアリング・ルートが反映されないことがある。

トランジットASはそのAS自体がネットワークに接続するためのASである。ISPは大抵、金銭と引き換えに他のネットワークに繋ぐのが本業であるからトランジットASである。

脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]