肉骨粉

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肉骨粉

肉骨粉(にくこっぷん)は、から食肉を除いたあとの屑肉脊髄内臓血液等を加熱処理の上、油脂を除いて乾燥、細かく砕いて粉末としたもの。

肥料への利用[編集]

本来、肉骨粉は畜産で余った骨や屑肉を破砕して乾燥させ畑にまいていたものを指していた[1]。肉骨粉は特に牧草用の肥料として用いられていた[1]。今でも農作物の肥料に用いられる。

飼料への利用[編集]

歴史[編集]

肉骨粉は飼料としても利用されているが、18世紀の産業革命期のイギリスヒツジに誤って肉骨粉入りの飼料を与えたところ成長が早くなったことが最初とされている[1]。安価で、蛋白質カルシウムリン酸質が豊富で高い栄養価を誇るため、BSEの問題が起こる前まではよく用いられていた。

牛海綿状脳症等との関わり[編集]

牛海綿状脳症(BSE、いわゆる狂牛病)の原因に関係すると考えられている異常プリオンは、肉骨粉の材料となる部位に多く含まれており、また通常の加熱処理では不活化できないため、材料を採取した動物が「異常プリオンを保有している牛」であった場合は、そこから生産された肉骨粉にも異常プリオンが含まれている可能性がある。その場合、この肉骨粉を牛の飼料として与えると牛海綿状脳症の感染源となりえることが指摘されている。[要出典]

日本[編集]

日本では昔から肉骨粉は牛の飼料としては用いられておらず、牛以外の家畜の飼料や肥料として使われる事が多かった。しかし、保管・流通段階で牛の飼料に混入したり、不適切な使用により牛に与えられていた事例があったことから、2001年10月から農林水産省に肉骨粉を含む家畜飼料・肥料の製造・販売が禁止された。[要出典]

本来、子牛は人間同様母牛の乳を飲んで成長するが、牛乳は人間が飲むために出荷し、牛には(親子双方ともに)カルシウムなどの栄養素は肉骨粉で代用したのである。[要出典]

  • 2001年10月4日 農林水産省が飼料の製造・出荷禁止の要請
  • 2001年10月15日 農林水産省が飼料の製造・出荷禁止を法的に決定(飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令の一部改正)

使用できない牛由来の肉骨粉は、工場で焼却処分したり、セメントへの再利用が進められた。

2001年11月1日からは、豚・鶏由来の肉骨粉に限っては、異常プリオンを含有せず牛海綿状脳症の感染源にはなりえないとして、豚・鶏の飼料および肥料として再び使えるようになった。

2014年1月4日からは、国内外の対策によるBSE発生リスクの減少を踏まえ、管理措置を義務づけた上で牛の肉骨粉の肥料利用が再開された[2]

米国[編集]

アメリカ食品医薬品局 (FDA) により、1997年以降、哺乳類由来の肉骨粉などタンパク質を牛など反芻動物の飼料に用いることが禁止されているが[3]、家禽など非反芻動物由来のタンパク質を牛の飼料に用いることは許容されている[4]

この内、BSEの感染経路として懸念されているものとして、家禽の食べ残しや排泄物を含んだ「家禽くず英語版」がある。家禽くずはタンパク質を豊富に含み安価なため、米国では牛飼料として用いる慣行があるが、家禽飼料に牛の肉骨粉が含まれることから、家禽くずがBSE感染の抜け穴になることが懸念されている[5]。米国では2003年末にBSE発生が確認され、その対応として2004年に家禽くずの牛飼料への使用が暫定禁止されたが[3]、2005年には感染リスクが十分に低いと判断し、家禽飼料に牛由来の危険部位を用いない規制を加えた上で、家禽くずの牛飼料への使用が再び承認された[6]。この措置について、全米肉牛生産者・牛肉協会英語版は科学的判断として支持しているが、米国農務省の伝達性海綿状脳症 (TSE) 作業部会長を務めた獣医リンダ・デトワイラーは低リスクであるが完全ではなく、規制すべきと指摘している[7]。またこの慣行は消費者に嫌われており[6]、複数消費者団体などが健康への懸念が依然あるとして2009年にFDAに対して禁止を請願し、最も牛肉を調達する大手外食企業であるマクドナルドは許容しないと表明している[7]。家禽くずの牛飼料への使用はオーストラリアやニュージーランド、カナダ、欧州諸国では禁止されている[8]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c ベンジャミン・フルフォード『マクドナルド化する世界経済』イースト・プレス、2013年。
  2. ^ 牛の肉骨粉等の肥料利用について”. 農林水産省 (2014年9月17日). 2016年10月12日閲覧。
  3. ^ a b 資料3: 米国で公表された追加的なBSE対策についてその2”. 食品安全委員会 第4回プリオン専門調査会 (2004年). 2021年2月20日閲覧。
  4. ^ Are Cows Eating Dead Cows as Feed?”. Fact Checking Project on the Film Fresh. Food Politics class of the Communication, Culture and Technology (CCT) program at Georgetown University (2014年). 2021年2月20日閲覧。
  5. ^ David Kirby (2011年11月17日). “You Want Chicken Poop With That Steak? Why FDA Should Ban Feces From Feed”. The Huffington Post. HuffPost. 2021年1月17日閲覧。
  6. ^ a b Jay Daniel; K.C. Olson. “Feeding Poultry Litter to Beef Cattle”. University of Missouri Extension. 2021年2月20日閲覧。
  7. ^ a b Jerry Hirsch (2009年10月31日). “Ban on feces in cattle feed urged”. Los Angeles Times. Los Angeles Times. 2021年2月20日閲覧。
  8. ^ Brad Jacobson (2013年12月20日). “We're feeding our cattle chicken poop -- and the FDA knows it!”. onEarth. Natural Resources Defense Council. 2021年2月20日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]