私設応援団

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私設応援団(しせつおうえんだん)とは、ある特定の団体(主にスポーツチーム)に対し、チーム運営団体とは別に営利を目的とせずに応援していこうという人々が集まった一般市民による団体である。

概要[編集]

語源としての私設応援団は、本来は一定の組織形態を採らない自然発生的なものを指すものであったが、活動が活発化・長期化すると一定の組織を形作る場合もある。そのような団体には何らかの運営規約なども定められることもあるが、私設応援団を名乗っている団体のほとんどは、応援する対象の事物・団体になんらかの利益享受を受けたり、運営の面で拘束されたり影響力を行使されない、あくまで支持者・ファンの有志の集まりであると言える[要出典][誰によって?]。ただし、組織としてさらに活性化が進んだ場合、私設を称しながら公認団体化する場合もある。

応援する対象によっては、「サポーターグループ(サポーター)」と呼ばれるものもあり、日本国内においては主にサッカーによって社会で認知されるようになった言葉である。主に試合中の応援に力をいれる応援団に対し、試合中の応援にとどまらずに試合内外でのクラブに対する自主的な補助的活動を行うなどの違いが見られる[誰によって?]

サッカーにおける「サポーター(略:サポ)」は、広義では「サッカーファン」という位の意味から、狭義ではフーリガンに近い意味合いの「特定のチームに異常なほど熱狂的なサッカーファン」という程の幅広い意味を持つ。「サポーター」という語が持つ意味はその文脈によるところが大きく、様々な接頭語と共に用いられる(例:特に熱心なサポーター=コアサポ、ゴール裏で主に応援するサポーター=ゴール裏サポ、等)。なおブラジルでは、彼らはトルシーダ(Torcida, 応援団)、あるいはカミーザ・ドーゼ(Camisa 12, 12番目のシャツとの意味)とも呼ばれる。特にコリンチャンスの応援団ガヴィオンィス・ダ・フィエル(Gaviões da Fiel)は最大規模の応援団として知られる。他にはサンパウロFCのインデペンデンテ(Independente)、パルメイラスのマンシャ・アウヴィ・ヴェルデ(Mancha Alvi-Verde)とフラメンゴのトルシーダ・ジョーヴェン(Torcida Jovem)がよく知られている。Jリーグ発足当時には、これにならいカミーザ・ドーゼを名称とした応援団が、旧・読売ヴェルディで組織された(現在はない)。

バスケットボールアメリカンフットボールにおいては、「ブースター」という呼び方が一般的である。これは元々NBAで使われてきた用語であり、bjリーグ発足に当たりNBAに少しでも近づけようと公式に使用を始めた。ただ、こちらの場合、チームごとで「ブースタークラブ」が設置されており、ほぼ「ファンクラブ」と言っても過言ではない。またXリーグにおいては正式呼称となっている。

プロ野球応援規則[編集]

1984年(昭和59年)に、当時のプロ野球コミッショナー下田武三のアピールにより、以下の応援倫理三則が定められた。

  1. 他人に応援を強制しない
  2. 他人の耳をつんざく鉦や太鼓を鳴らさない
  3. 他人の目を覆う大きな旗や幟を振らない

1987年(昭和62年)には、第4の規則として「試合中に危険物や紙・テープなどを投げ込まない」が加えられた。

また1989年(平成元年)に発足した連絡組織・パ・リーグ6球団応援会では、以下の応援規則が定められた。

  1. 球場内のトラブルは応援団でなだめよう
  2. われわれ6球団の応援団はパ・リーグの名に恥じない応援をしよう
  3. パ・リーグ応援エンブレム着用者は、名簿を球団に提出し、暴力行為を厳禁し、その防止に最善をつくそう
  4. 応援の個人プレーはやめよう
  5. 入場者全員が楽しく応援できる雰囲気にしよう
  6. ファインプレーには自他球団を問わず拍手を送ろう
  7. 22時以降は鳴り物を使ってはいけない[1]

2006年(平成18年)、中虎連合会の横暴や威力業務妨害事件などを教訓として、12球団統一の試合観戦契約約款の中に、特別応援許可規程[2]が設けられた。

  1. 本規程は、観客を組織化し又は統率して行われる集団による応援(以下、「応援団方式の応援」という)の許可の基準と手続を定めるものである。(1条1項)
  2. 応援団方式の応援を行おうとする団体は、当球団に対し、予め、当球団所定の許可申請書を提出し、当球団の許可を得なければならない。(2条1項)
  3. 前項の許可申請を行う団体は、当球団所定の許可申請書に以下の事項を記載し、代表者が署名押印をしたうえで、これを当球団に提出しなければならない。(2条2項)
    1. 団体名
    2. 代表者名
    3. 団体の連絡先
    4. 構成員(経常的に応援団方式の応援に関わる者を含む。以下同じ)の数
    5. 構成員の氏名、顔写真、住所、連絡先を記載した名簿
    6. 応援形態
    7. その他NPBが求める事項

これに基づき、2007年(平成19年)12月、中日の私設応援団「名古屋白龍會」と「全国竜心連合」が2008年(平成20年)シーズンから排除処分と不許可処分になった。前者の関係者は、団体が排除処分になった事で団員でなくなった今もナゴヤドームへの立入禁止が続いている。後者の関係者は、昨年までも一般ファンとして外野席で観戦している。両グループは提訴して争ったが2011年(平成23年)2月敗訴[3]最高裁でも2013年(平成25年)に上告が退けられ確定[4]。結果、球団は公募によるグループ申請の後審査による認可制となり事実上公設となった。[5]球団公式サイト上での"新応援団結成"と"団員募集"の発表は2014年8月に行われ、新応援団としての活動は9月に始まった。

その他[編集]

プロ野球の私設応援団は12球団全てに存在し、2010年(平成22年)の時点で147の私設応援団が確認されている(ただし平成23年度の特別応援許可を申請した応援団に限る)[6]

脚注[編集]

  1. ^ その後各地の騒音条例やそれを元にした球場ルールに従うようになった。実際福岡Yahooドームのように22時以降も可能な球場では鳴り物応援が継続される。
  2. ^ 特別応援許可規程”. 日本野球機構. 2011年5月3日閲覧。
  3. ^ 中日の私設応援団訴訟 球団側が全面勝訴”. スポーツニッポン (2011年2月18日). 2011年5月3日閲覧。
  4. ^ 悪質応援団の排除適法、球団側の全面勝訴確定 読売新聞 2013年2月14日
  5. ^ 【中日】ナゴヤDの鳴り物応援が消える!最低でも前半戦
  6. ^ プロ野球応援団147団体に「飲酒自粛を!」(野球) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース

関連項目[編集]