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2008年11月29日 (土) 21:51時点における版

当別ダム
当別ダム
工事が始まった当別ダムサイト
2007年9月撮影)
所在地 左岸:北海道石狩郡当別町大字十万坪
石狩支庁
右岸:北海道石狩郡当別町大字十万坪
位置
河川 石狩川水系当別川
ダム湖 未定
ダム諸元
ダム型式 台形CSGダム
堤高 52.7 m
堤頂長 632.0 m
堤体積 479,000
流域面積 231.1 km²
湛水面積 670.0 ha
総貯水容量 78,400,000 m³
有効貯水容量 70,400,000 m³
利用目的 洪水調節不特定利水上水道
事業主体 北海道
電気事業者
発電所名
(認可出力)
施工業者 未定
着手年/竣工年 1980年/2012年
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当別ダム(とうべつダム)は、北海道石狩郡石狩支庁当別町一級河川石狩川水系当別川に建設中のダムである。

北海道建設部が施工を進めている補助多目的ダムで、完成すれば北海道が管理する多目的ダムとしては屈指の規模の人造湖が誕生する。当別川・石狩川の治水目的及び札幌市小樽市などの水がめとして建設されている。だが、公共事業の在り方を巡って現在も論争が繰り広げられているダムの一つでもある。型式は日本で開発された台形CSGダムを採用、堤高は52.7mである。2012年(平成24年)の完成を目標としている。

沿革

当別川には1962年昭和37年)、農林省(現・北海道開発局農業水産部)によって上流の当別町青山地先に青山ダム(35.5m。アースダム)が建設されていた。だが、治水に関しては整備が立ち遅れており、洪水による被害を受けていた。また、札幌市や小樽市の人口増加に伴う水需要の増大に対応するため、1980年昭和55年)北海道によって計画された。

当初型式は重力式コンクリートダムとして計画されていたが、コスト縮減のために台形CSGダムに変更になった。台形CSGダムとは日本で開発されたダム型式で、セメントで固めた砂礫を台形に固めて建設する方式のダムである。一見重力式コンクリートダムに似ているが、骨材の優劣に関係なく材料を使用できるため材料の合理化を図ることが可能となる。このためコストを縮減し経済性に優れ、更に強度もダム建設で満足できる安全性を保てることから近年注目されている工法である。

日本では現在完成しているダムはないが、当別ダムの他北海道ではサンルダム(天塩川水系名寄川右支サンル川。国土交通省北海道開発局旭川開発建設部。計画中)がこの型式である。

建設を巡る論争

当別川及び石狩川下流部の洪水調節、当別川流域農地への慣行水利権分の用水補給・当別川の流量一定化による生態系保護を図る不特定利水、札幌市・小樽市・石狩市への上水道供給を目的として2012年完成予定であるが、計画当時から反対運動が強く補償交渉が長期化した。特に水没農地面積が350haに及ぶことから1997年(平成9年)に水源地域対策特別措置法の「法9条指定ダム」に認定され補償のための国庫補助額が増額された。この結果現在は交渉も妥結し住民は全て退去したが、公共事業再検討の風潮が高まり当別ダムも事業の再検討を迫られた。この中で建設費縮減を図るためにダムの規模縮小が図られ、その一環として台形CSGダムへの形式変更となったのである。

ダムに反対する市民団体は建設差し止めの署名活動を行ったが、建設費を分担する下流受益地の札幌市がダムの必要性を訴え、小樽市も水道供給量を減らしたもののダムは必要であるとの認識を示した。2005年平成17年)、北海道の諮問機関である「北海道公共事業評価委員会」は当別ダムについて長い間行われた建設可否の議論をまとめ、堤高3m抑制と台形CSGダムへの型式変更といった規模縮小・建設費節減の努力を評価してダム建設は妥当であるとの結論を出した。これを受け北海道は凍結状態であったダム建設を継続させると表明し、2012年の完成に向けて建設を現在進めている。

関連項目

外部リンク