「ノート:ハプログループD (Y染色体)/過去ログ1」の版間の差分

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::{{返}} 私がこの場で長々とコメントするのは望ましくありませんが、郊外生活さんの疑問にお答えできる点がありますので、コメントいたします。[[Y染色体ハプログループ]]の分野は、ここ10数年ほどで急速に発展した新しい分野です。私は日本の大学教育における人類学の現状に疎いので、教科書が存在するのかどうかはわかりません。しかし、日本語で書かれた文献で、Y染色体ハプログループについて最も広範かつ詳細に書かれているのは、[[崎谷満]] 著『DNA・考古・言語の学際研究が示す新・日本列島史 日本人集団・日本語の成立史』(勉誠出版 2009年)です。少し古いですが、現在に至るまで、これを超える文献は見たことがありません。もし大学の学部生が教科書として使う日本語文献があるとすれば、本書がその筆頭に上がるでしょう。本書(以下、崎谷(2009))では、ハプログループDが記述されている部分において、アンダマン諸島が頻繁に言及されています。その記述について、特に、具体的に2例挙げますと、「…'''アンダマン諸島ではY染色体パラグループD*が特異的にみられる'''…」(P47)、「…'''2つの部族(Onge, Jarawa)ともパラグループD*(xD1,D2)が100%であることが特徴である。'''…」(P152)とあります。前者では「特異的」と書かれており、後者では「100%」とはっきりと書かれています。また、崎谷(2009)では、全書にわたって頻度のみに着目しており、人数に着目した記述は全くありません。以上から、アンダマン諸島を載せる理由は十二分に存在するものと考えます。
::{{返}} 私がこの場で長々とコメントするのは望ましくありませんが、郊外生活さんの疑問にお答えできる点がありますので、コメントいたします。[[Y染色体ハプログループ]]の分野は、ここ10数年ほどで急速に発展した新しい分野です。私は日本の大学教育における人類学の現状に疎いので、教科書が存在するのかどうかはわかりません。しかし、日本語で書かれた文献で、Y染色体ハプログループについて最も広範かつ詳細に書かれているのは、[[崎谷満]] 著『DNA・考古・言語の学際研究が示す新・日本列島史 日本人集団・日本語の成立史』(勉誠出版 2009年)です。少し古いですが、現在に至るまで、これを超える文献は見たことがありません。もし大学の学部生が教科書として使う日本語文献があるとすれば、本書がその筆頭に上がるでしょう。本書(以下、崎谷(2009))では、ハプログループDが記述されている部分において、アンダマン諸島が頻繁に言及されています。その記述について、特に、具体的に2例挙げますと、「…'''アンダマン諸島ではY染色体パラグループD*が特異的にみられる'''…」(P47)、「…'''2つの部族(Onge, Jarawa)ともパラグループD*(xD1,D2)が100%であることが特徴である。'''…」(P152)とあります。前者では「特異的」と書かれており、後者では「100%」とはっきりと書かれています。また、崎谷(2009)では、全書にわたって頻度のみに着目しており、人数に着目した記述は全くありません。以上から、アンダマン諸島を載せる理由は十二分に存在するものと考えます。
::なお、以下私見になりますが、人数に着目すると、そもそも本質が見えなくなると考えています。例えば、[[ハプログループC2 (Y染色体)]]はモンゴル民族で約60%、漢民族で約10%見られ、モンゴル民族に高頻度で、漢民族では低頻度なタイプなのですが、頻度に着目せず人数に着目すると、モンゴル民族では800万×0.6=480万、漢民族で13憶×0.1=1億3000万と、圧倒的に漢民族の方が多くなります。従って、もし、人数に着目してしまうと、東アジアにおいては、ほとんどのタイプにおける記述が、人口が圧倒的に多い漢民族のみで占められてしまうことになるのです。これでは遺伝子の分布状況が全く把握できなくなり、その移動の歴史や起源について考えることも不可能になるでしょう。すなわち、Y染色体ハプログループの議論において、人数に着目すること自体が、そもそも本質的に不適切なことだと思われます。--[[利用者:ABCEdit|ABCEditor]]([[利用者‐会話:ABCEdit|会話]]) 2018年7月9日 (月) 10:57 (UTC)(<small>脱字修正:--[[利用者:ABCEdit|ABCEditor]]([[利用者‐会話:ABCEdit|会話]]) 2018年7月10日 (火) 13:47 (UTC)</small>)
::なお、以下私見になりますが、人数に着目すると、そもそも本質が見えなくなると考えています。例えば、[[ハプログループC2 (Y染色体)]]はモンゴル民族で約60%、漢民族で約10%見られ、モンゴル民族に高頻度で、漢民族では低頻度なタイプなのですが、頻度に着目せず人数に着目すると、モンゴル民族では800万×0.6=480万、漢民族で13憶×0.1=1億3000万と、圧倒的に漢民族の方が多くなります。従って、もし、人数に着目してしまうと、東アジアにおいては、ほとんどのタイプにおける記述が、人口が圧倒的に多い漢民族のみで占められてしまうことになるのです。これでは遺伝子の分布状況が全く把握できなくなり、その移動の歴史や起源について考えることも不可能になるでしょう。すなわち、Y染色体ハプログループの議論において、人数に着目すること自体が、そもそも本質的に不適切なことだと思われます。--[[利用者:ABCEdit|ABCEditor]]([[利用者‐会話:ABCEdit|会話]]) 2018年7月9日 (月) 10:57 (UTC)(<small>脱字修正:--[[利用者:ABCEdit|ABCEditor]]([[利用者‐会話:ABCEdit|会話]]) 2018年7月10日 (火) 13:47 (UTC)</small>)
:::{{返}}[[利用者:ABCEdit|ABCEditor]]さん、「もし大学の学部生が教科書として使う日本語文献があるとすれば」のところですが、大学で学ばれた事がありますか?それが授業に用いられる理由がいまいち分かりません。そもそも、大学の授業は基本その教授が記した本か、その分野における、あまねく事柄を対象に扱った本が多く、特定の事柄に凝った教科書は少ないですよ?--[[利用者:Wikinick777|Wikinick777]]([[利用者‐会話:Wikinick777|会話]]) 2018年7月10日 (火) 14:10 (UTC)

*{{コメント}} Wikinick777さんが提示されている論文ですが、リンク先を[https://www.researchgate.net/publication/273985842_Distribution_of_Y_chromosome_Haplogroup_D_in_East_Asia_and_its_Anthropological_Implications ResearchGate]に変えた方がよさそうに思います。Wikinick777さんが提示されているリンク先は個人サイトの類と思われるほか、リンク先が第三者の論文を公開している状態と思われ、無断転載(公開)という著作権侵害のおそれがあり、著作権侵害と思われるページへのリンクも問題視されるおそれがあります。--[[利用者:郊外生活|郊外生活]]([[利用者‐会話:郊外生活|会話]]) 2018年7月8日 (日) 14:35 (UTC)
*{{コメント}} Wikinick777さんが提示されている論文ですが、リンク先を[https://www.researchgate.net/publication/273985842_Distribution_of_Y_chromosome_Haplogroup_D_in_East_Asia_and_its_Anthropological_Implications ResearchGate]に変えた方がよさそうに思います。Wikinick777さんが提示されているリンク先は個人サイトの類と思われるほか、リンク先が第三者の論文を公開している状態と思われ、無断転載(公開)という著作権侵害のおそれがあり、著作権侵害と思われるページへのリンクも問題視されるおそれがあります。--[[利用者:郊外生活|郊外生活]]([[利用者‐会話:郊外生活|会話]]) 2018年7月8日 (日) 14:35 (UTC)
**{{コメント}}[[利用者:郊外生活|郊外生活]]さんご指摘いただきありがとうございます。リンク先をResearchGateに変更いたしました。--[[利用者:Wikinick777|Wikinick777]]([[利用者‐会話:Wikinick777|会話]]) 2018年7月9日 (月) 14:55 (UTC)
**{{コメント}}[[利用者:郊外生活|郊外生活]]さんご指摘いただきありがとうございます。リンク先をResearchGateに変更いたしました。--[[利用者:Wikinick777|Wikinick777]]([[利用者‐会話:Wikinick777|会話]]) 2018年7月9日 (月) 14:55 (UTC)

2018年7月10日 (火) 14:10時点における版

外部リンク修正

編集者の皆さんこんにちは、

ハプログループD (Y染色体)」上の1個の外部リンクを修正しました。今回の編集の確認にご協力お願いします。もし何か疑問点がある場合、もしくはリンクや記事をボットの処理対象から外す必要がある場合は、こちらのFAQをご覧ください。以下の通り編集しました。

編集の確認が終わりましたら、下記のテンプレートの指示にしたがってURLの問題を修正してください。

ありがとうございました。—InternetArchiveBot (バグを報告する) 2017年9月16日 (土) 12:03 (UTC)

Infoboxにおけるアンダマン諸島(オンゲ族、ジャラワ族)の記述

Infoboxの高頻度民族・地域の項目で、アンダマン諸島(オンゲ族、ジャラワ族)の除去が繰り返されていますが、D*が100%であるアンダマン(オンゲ、ジャラワ)は紛れもない「高頻度民族・地域」ですから、除去は不適切です。高"頻度"ですので、人口(絶対数)は関係ありません。--ABCEditor会話2018年6月28日 (木) 13:45 (UTC)

ABCEditor氏へ返信します。絶対数は関係ないのであれば、他の遺伝子のページ(ハプログループOなど)にも、インドネシアタイを加えるべきでは?これらのページには、東アジア等、地域が明記され、ハプログループDだけが地域でなく民族名なのか謎です。貴方の理論で行くと、台湾やフィリピンも加える必要が出てきます。そして、何を持って高頻度(何%以上)としている点も分かりません。少なくとも日本はハプログループDの最大集積地であり、他の論文でも多数確認されています。それを記すのであれば、偏りを無くすため、遺伝子すべての項にジャワラやオンゲの様な少数民族を記述する必要があります。たとえば、ヤオ族、傣族、回族、ミャオ族、瑶族などからも日本人とおなじ頻度で発見されています[1]。--Wikinick777会話2018年7月7日 (土) 14:21 (UTC)

一つずつお答えします。
>他の遺伝子のページ(ハプログループOなど)にも、インドネシアタイを加えるべきでは?これらのページには、東アジア等、地域が明記され、ハプログループDだけが地域でなく民族名なのか謎です。
ハプログループOは東アジアに広範囲に比較的満遍なく分布しています。対してハプログループDは非常に限られた地域にのみ、高頻度に分布しています。その分布状況の違いに応じて、臨機応変に書いているものと思われます。(この記述を書いたのがおそらく私だけではないので、あくまで「…思われます」としておきます。)
>何を持って高頻度(何%以上)としている
何を基準とするかという問題は確かにあります。しかし、アンダマン諸島はD*が100%ですので、どんな基準を設けたとしても、高頻度であることは揺るぎようがありません。
>たとえば、ヤオ族、傣族、回族、ミャオ族、瑶族などからも日本人とおなじ頻度で発見されています
これらの民族をInfoboxの記述に加えることには何ら反対しません。ただし貴方の仰るように、高頻度の基準(何%以上が高頻度なのか)という問題がありますので、その点は別途議論の必要があるでしょう。
--ABCEditor会話2018年7月7日 (土) 16:15 (UTC)
第三者の方へのコメント依頼の節に私に対する質問がありましたので、こちらで回答させていただきます。(コメント依頼は第三者の方からのコメントをいただく場です。質問を書くことはお控えください。)
確率と頻度については、貴方は特にお詳しいようで、勉強になりました。しかし、今回の件については、アンダマン諸島における、あくまで調査されたサンプルについての議論をしているだけです。その結果をもって、「オンゲ族、ジャラワ族の全ての男子のハプログループDの割合が絶対に100%であると断言する」とは全く申しておりません。「調査結果が100%でも、実際は100%ではない」と言い出すと、他のすべての民族の調査サンプルのデータに対しても、信用を置くことができなくなるでしょう。遺伝子の議論はあくまで、調査されたサンプルについてであり、その民族における本当の割合など、誰も知らないでしょう。--ABCEditor会話2018年7月7日 (土) 16:08 (UTC)
ABCEditorさんの仰るデータの信用についてですが、私が言ってるのは繰り返しの回数です。1、2回程度でサンプリングした程度では正確な値とは呼べません。データの信用とは究極的に申しますと、繰り返し性を持っていることになります。そこで、私はそのようなデータを記載した論文は、いくつあるのかを尋ねております。--Wikinick777会話2018年7月9日 (月) 15:11 (UTC)
アンダマン諸島については、私の知る限り1つでしょう。しかし、Wikinick777さんの仰る「繰り返しのないものは信用できない」という考えには賛同しかねます。たとえ1回のサンプリングでも、それは一つの結果として、学術的には重要な意味を持つものと考えます。遺伝子の調査はそのようなスタンスで臨むべきです。アンダマン(オンゲ、ジャラワ)は、1回のサンプリングとはいえ、合わせてn=27は少数民族の調査では決して小さい数字とは言えません。まして、D*が100%ですので、繰り返し行った場合でも、かなりの高頻度であることが期待されます。--ABCEditor会話2018年7月9日 (月) 22:08 (UTC)
なお、コメント依頼節に書かれていることですが、「遺伝子学はまだ新しく、不確定な要素が多いため、まずは最新の研究を記載するのではなく、一般的な論述を行うことが良いのではないでしょうか?」ということですが、アンダマン諸島の記述は、「一般的な論述」に含まれると考えます。また、「教科書などにはどこどこの少数民族まで詳しくは書かれていません。」と書かれていますが、Wikinick777さんの仰る教科書とは具体的には何の書物でしょうか?--ABCEditor会話) 2018年7月9日 (月) 22:08 (UTC)(段落区切り・修正:--ABCEditor会話2018年7月10日 (火) 13:52 (UTC)

コメント依頼

Infoboxの高頻度民族・地域の項目で、アンダマン諸島オンゲ族ジャラワ族)の記述について、合意形成に向けて、第三者の方に広くコメント依頼いたします。

本件については、もともとInfoboxに存在したアンダマン諸島(オンゲ族、ジャラワ族)の記述を利用者:Wikinick777氏が除去し([2]の8行目)、それを不適切な編集と捉えた私が記述を復活させる[3]ものの、再び除去が繰り返され編集合戦がおこり[4][5]、当事者間で解決の見込みが立たないため、コメントを依頼するものです。(なお、この場は記事の記述内容について議論する場であり、利用者の行為についてコメントする場ではないことにご注意ください。)

私としては、アンダマン諸島のオンゲ族およびジャラワ族は、(調査されたサンプルにおいては、)ハプログループD (Y染色体)に属すパラグループD*が100%である[2]ことから、Infoboxの「高頻度民族・地域」に記すのが妥当であり、除去は不適切であると考えます。

一方、利用者:Wikinick777氏は要約欄にて、除去の理由を、「ごく少数の民族については絶対数が非常に少ない。アマンダンは数百人もいるかいないか。主として述べる必要がない」と書かれています。すなわち、人口が少ないことが除去する理由であるという主張です。

しかし、Infoboxで記述する対象は「高頻度民族・地域」ですから、頻度に着目すべきであり、人口(絶対数)は関係ありません。アンダマン諸島(オンゲ族、ジャラワ族)はパラグループD*が100%であり、100%とはそれ以上になりようがない、最も高頻度な数字です。よって、除去をする客観的、論理的な理由は全く存在しないと考えます。

皆様のコメントをお聞かせください。 --ABCEditor会話) 2018年7月6日 (金) 10:00 (UTC)(追記:--ABCEditor会話2018年7月7日 (土) 14:20 (UTC)

絶対数は関係ないのであれば、他の遺伝子のページ(ハプログループOなど)にも、インドネシアタイを加えるべきでは?繰り返しますが何を持って高頻度(何%以上)としている点も分かりません。それを記すのであれば、偏りを無くすため、遺伝子すべての項にジャワラやオンゲの様な少数民族を記述する必要があります。たとえば、ヤオ族、傣族、回族、ミャオ族、瑶族などからも日本人とおなじ頻度で発見されています[3]。--Wikinick777会話2018年7月7日 (土) 14:58 (UTC)


また、貴方は頻度と確率を一緒にしていませんか?「頻度=確率」という解釈を成立するには、以下の二つの条件が満たされている必要があります。
  • (1)充分に長い系列の中で頻度が観測されている
  • (2)事象が独立に起こる
(1)は、系列の長さを無限に近づけたときの事象比率(何回中何回起きたか)=確率という考え方に対応します。
現実的に「無限の長さ」が求められるわけではありませんが、少なくとも充分な系列の長さがないと頻度から確率を導きだすことには無理が生じます。単に「前回が1000年前」という情報から「今年1年間に地震が起きる確率が1/1000」ということには無理があるでしょう。つまり、遺伝子に当てはめれば、1、2回の試行で100%近い数字が出ていたとしても、だからと言ってその民族から100%当該遺伝子が見つかるとは限りません。(例:朝鮮人が結婚でアマンダン人の婿養子になれば、その時点で100%でなくなる可能性が高い)あくまで、その時の実験で100%なだけであり、学術研究において100%などという言葉は軽々しく使うものではありません。貴方の記述を見ていると確率と頻度がごちゃまぜになっています。それ以外の論文で100%を証明したものは多数ありますか?--Wikinick777会話2018年7月7日 (土) 14:58 (UTC)
以上のWikinick777氏よりの質問に対する回答は、#Infoboxにおけるアンダマン諸島(オンゲ族、ジャラワ族)の記述に記しました。--ABCEditor会話2018年7月7日 (土) 16:40 (UTC)
  • コメント 専門外の人の発言ですが、まずこの記事の出典や参考文献として、日本の大学の学部生が勉強で使うような教科書の類があまり提示されていないことが気になります。原著論文も重要な情報源とは思いますが、これらの教科書に載っているということは、その概念が学界で広く支持されていて、重要な知識であることを意味するのではないでしょうか。専門外なので内容の正確性等はコメントできませんが、これらの教科書の類にオンゲ族およびジャラワ族が高頻度として言及されているならばInfoboxに載せる、頻度に着目する教科書でもチベット民族など人数が多い民族しか載っていないなら載せない、というのが無難に思います。独自研究にもなりませんし。また、それらの教科書で頻度でなく人数に着目されているなら、Infoboxを変えた方が良いでしょう。--郊外生活会話2018年7月8日 (日) 14:35 (UTC)
私がこの場で長々とコメントするのは望ましくありませんが、郊外生活さんの疑問にお答えできる点がありますので、コメントいたします。Y染色体ハプログループの分野は、ここ10数年ほどで急速に発展した新しい分野です。私は日本の大学教育における人類学の現状に疎いので、教科書が存在するのかどうかはわかりません。しかし、日本語で書かれた文献で、Y染色体ハプログループについて最も広範かつ詳細に書かれているのは、崎谷満 著『DNA・考古・言語の学際研究が示す新・日本列島史 日本人集団・日本語の成立史』(勉誠出版 2009年)です。少し古いですが、現在に至るまで、これを超える文献は見たことがありません。もし大学の学部生が教科書として使う日本語文献があるとすれば、本書がその筆頭に上がるでしょう。本書(以下、崎谷(2009))では、ハプログループDが記述されている部分において、アンダマン諸島が頻繁に言及されています。その記述について、特に、具体的に2例挙げますと、「…アンダマン諸島ではY染色体パラグループD*が特異的にみられる…」(P47)、「…2つの部族(Onge, Jarawa)ともパラグループD*(xD1,D2)が100%であることが特徴である。…」(P152)とあります。前者では「特異的」と書かれており、後者では「100%」とはっきりと書かれています。また、崎谷(2009)では、全書にわたって頻度のみに着目しており、人数に着目した記述は全くありません。以上から、アンダマン諸島を載せる理由は十二分に存在するものと考えます。
なお、以下私見になりますが、人数に着目すると、そもそも本質が見えなくなると考えています。例えば、ハプログループC2 (Y染色体)はモンゴル民族で約60%、漢民族で約10%見られ、モンゴル民族に高頻度で、漢民族では低頻度なタイプなのですが、頻度に着目せず人数に着目すると、モンゴル民族では800万×0.6=480万、漢民族で13憶×0.1=1億3000万と、圧倒的に漢民族の方が多くなります。従って、もし、人数に着目してしまうと、東アジアにおいては、ほとんどのタイプにおける記述が、人口が圧倒的に多い漢民族のみで占められてしまうことになるのです。これでは遺伝子の分布状況が全く把握できなくなり、その移動の歴史や起源について考えることも不可能になるでしょう。すなわち、Y染色体ハプログループの議論において、人数に着目すること自体が、そもそも本質的に不適切なことだと思われます。--ABCEditor会話) 2018年7月9日 (月) 10:57 (UTC)(脱字修正:--ABCEditor会話2018年7月10日 (火) 13:47 (UTC)
ABCEditorさん、「もし大学の学部生が教科書として使う日本語文献があるとすれば」のところですが、大学で学ばれた事がありますか?それが授業に用いられる理由がいまいち分かりません。そもそも、大学の授業は基本その教授が記した本か、その分野における、あまねく事柄を対象に扱った本が多く、特定の事柄に凝った教科書は少ないですよ?--Wikinick777会話2018年7月10日 (火) 14:10 (UTC)
  • コメント Wikinick777さんが提示されている論文ですが、リンク先をResearchGateに変えた方がよさそうに思います。Wikinick777さんが提示されているリンク先は個人サイトの類と思われるほか、リンク先が第三者の論文を公開している状態と思われ、無断転載(公開)という著作権侵害のおそれがあり、著作権侵害と思われるページへのリンクも問題視されるおそれがあります。--郊外生活会話2018年7月8日 (日) 14:35 (UTC)
    • コメント郊外生活さんご指摘いただきありがとうございます。リンク先をResearchGateに変更いたしました。--Wikinick777会話2018年7月9日 (月) 14:55 (UTC)
    • コメント郊外生活さんご発言頂きありがとうございます。仰ることも一理あるかと思います。遺伝子学はまだ新しく、不確定な要素が多いため、まずは最新の研究を記載するのではなく、一般的な論述を行うことが良いのではないでしょうか?例えば、教科書などにはどこどこの少数民族まで詳しくは書かれていません。Yハプロ遺伝子は父系で遺伝し、日本人は特異な変化を持った遺伝子を多く持っている、程度にか記述されていません。あまりこう特定の民族に括るのはよくないと考えます。--Wikinick777会話2018年7月9日 (月) 15:17 (UTC)

脚注

  1. ^ https://www.researchgate.net/publication/255661697_Distribution_of_Y_chromosome_Haplogroup_D_in_East_Asia_and_its_Anthropological_Implications]
  2. ^ Kumarasamy Thangaraj, Lalji Singh, Alla G. Reddy, V.Raghavendra Rao, Subhash C. Sehgal, Peter A. Underhill, Melanie Pierson, Ian G. Frame, Erika Hagelberg(2003);Genetic Affinities of the Andaman Islanders, a Vanishing Human Population ;Current Biology Volume 13, Issue 2, 21 January 2003, Pages 86–93 doi:10.1016/S0960-9822(02)01336-2
  3. ^ [1]