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「キョウチクトウ」の版間の差分

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=== 食中毒 ===
=== 食中毒 ===
* {{要出典範囲|広島で枝を箸代わりに利用し死亡者が出ている。なお[[広島市]]はキョウチクトウを市の花に指定しているが、学校ではキョウチクトウの毒性についてほとんど教育がなされていない。}}
*枝を箸代わりに利用し死亡者が出ている<ref>[http://www.cc.okayama-u.ac.jp/~planteco/DOWN/jikkenn.ppt]</ref>。なお[[広島市]]はキョウチクトウを市の花に指定しているが、学校ではキョウチクトウの毒性についてほとんど教育がなされていない。
* [[フランス]]でキョウチクトウの枝を串焼きの串に利用して死亡者が出た例がある<ref name="ntv.FERV">[http://www.ntv.co.jp/FERC/research/20020421/f0230.html 身の回りに潜む植物毒の恐怖!]Research Request No.0230 2002/4/21 日本テレビ、特命リサーチ</ref>。
* [[フランス]]でキョウチクトウの枝を串焼きの串に利用して死亡者が出た例がある<ref name="ntv.FERV">[http://www.ntv.co.jp/FERC/research/20020421/f0230.html 身の回りに潜む植物毒の恐怖!]Research Request No.0230 2002/4/21 日本テレビ、特命リサーチ</ref>。
* [[ギリシャ]]の[[アレクサンドロス3世]]がインド遠征の折に追従した[[セレウコス1世]]率いる軍の一[[小隊]]30人程がキョウチクトウを[[串焼き肉]]の串として利用し、中毒症で全滅している。
* [[ギリシャ]]の[[アレクサンドロス3世]]がインド遠征の折に追従した[[セレウコス1世]]率いる軍の一[[小隊]]30人程がキョウチクトウを[[串焼き肉]]の串として利用し、中毒症で全滅している。

2009年12月11日 (金) 14:55時点における版

キョウチクトウ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: リンドウ目 Gentianales
: キョウチクトウ科 Apocynaceae
: キョウチクトウ属 Nerium
: キョウチクトウ N. indicum
学名
Nerium indicum
Mill.
シノニム

N. oleander L. var. indicum (Mill.) O.Deg. et Greenwell

英名
oleander
白花のキョウチクトウ

キョウチクトウ(夾竹桃、Nerium indicum)とはインド原産のキョウチクトウ科キョウチクトウ属の常緑低木もしくは常緑小高木である。

解説

キョウチクトウ(夾竹桃)は葉がタケに似ていること、花がモモに似ていることからこの名がついた(シノニムN. oleander L. var. indicum (Mill.) O.Deg. et Greenwell)。

は長楕円形で両端がとがった形。やや薄くて固い。葉の裏面には細かいくぼみがあり、気孔はその内側に開く。はおよそ6月より残暑の頃である9月まで開花する。花弁は基部が筒状、その先端で平らに開いて五弁に分かれ、それぞれがややプロペラ状に曲がる。日本では適切な花粉媒介者がいなかったり挿し木で繁殖したクローンばかりということもあって受粉に成功して果実が実ることはあまりないが、ごくまれに果実が実る。果実は細長いツノ状で熟すると縦に割れ、中からは長い褐色の綿毛を持った種子が出てくる。ピンク、黄色、白など多数の園芸品種があり、八重咲き種もある。

有毒な防御物質を持つため食害する昆虫は少ないが、日本では鮮やかな黄色のキョウチクトウアブラムシが新しく伸びた枝に寄生し、また新芽やつぼみをシロマダラノメイガの幼虫が糸で綴って内部を食べる。九州の一部や南西諸島ではスズメガ科のキョウチクトウスズメの幼虫が葉を食べて育つ。

乾燥大気汚染に強いため街路樹などに利用される。神奈川県川崎市では、長年の公害で他の樹木が衰えたり枯死したりする中でキョウチクトウだけはよく耐えて生育したため、現在に至るまで同市の緑化樹として広く植栽されている。高速道路沿いにもよく見られる。さらに広島市では原爆で75年間草木も生えないといわれた被爆焼土にいち早く咲いた花と言われ、原爆からの復興のシンボルとして広島市の花にもなっている。またベスト電器広島本店で平成19年2月に当時の駐在役員の指示で、見栄えが悪いという理由で、店舗外周に植えられていたキョウチクトウを伐採したところ、その怨念で業績が悪化し、翌年の平成20年2月11日に店舗が閉鎖、ビックカメラに明け渡すという都市伝説も生んだ。

日本へはインドより中国を経て江戸時代中期に伝来したという。また類似のセイヨウキョウチクトウNerium oleanderも栽培される。

白花は一重咲き、桃色は八重咲きが多い。

毒性

キョウチクトウは優れた園芸植物ではあるが経口毒性があり、取り扱いには十分注意が必要である。

中毒症状

中毒症状としては摂取した1時間後辺りに疝痛下痢頻脈運動失調食欲不振などがある。致死量は乾燥葉で50mg/kg[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。(牛、経口)という報告がある。花、葉、枝、根、果実すべての部分に毒性がある。燃した煙も毒。ただし腐葉土になれば毒性は無くなる[1]

食中毒

  • 枝を箸代わりに利用し死亡者が出ている[2]。なお広島市はキョウチクトウを市の花に指定しているが、学校ではキョウチクトウの毒性についてほとんど教育がなされていない。
  • フランスでキョウチクトウの枝を串焼きの串に利用して死亡者が出た例がある[1]
  • ギリシャアレクサンドロス3世がインド遠征の折に追従したセレウコス1世率いる軍の一小隊30人程がキョウチクトウを串焼き肉の串として利用し、中毒症で全滅している。
  • 家畜がキョウチクトウを食べることで中毒症が問題になる[3]
  • このように猛毒の植物体であるため、福岡市は市立学校の栽植されているキョウチクトウを根こそぎ伐採する予定である[4]

アレルギー

  • 環境省によれば1970年に喘息の発生が報告されている[5]

薬用

薬効

キョウチクトウにはオレアンドリンなど様々な強心配糖体が含まれており、強心作用がある。ほかに利尿作用もある。しかし同種は非常に毒性が強いため、素人は処方すべきでない。

オレアンドリン

オレアンドリン

オレアンドリン(oleandrin C32H48O9)とはキョウチクトウに含まれる強心配糖体で分子量576.73、融点250℃、CAS登録番号は465-16-7である。ジギタリスに類似の作用を持つ。

ヒトの場合、オレアンドリンの致死量は0.30mg/kgで青酸カリをも上回り植物毒の中では非常に強力な部類に入る猛毒である。[6][7]


その他

2009年10月20日、福岡市に「キョウチクトウは有毒だ。撤去をお願いしたい」と匿名の投書があったことで 福岡市教育委員会がインターネット百科事典の「ウィキペディア」の情報などをもとに約600本を根こそぎ伐採する方針を決定。 12月初旬に市立学校へ通知している

近似種

日本には同属は分布していない。琉球諸島には別属のミフクラギ(別名オキナワキョウチクトウ、Cerbera manghas)が分布する。花は白くてややキョウチクトウに似ているが多肉質の葉や大きな実をつけるので、印象はかなり異なる。

関連項目

  • 用心、危険、油断しない。
  • 8月14日の花。

市町村の花

関東地方
近畿地方
中国地方
九州地方

脚注

  1. ^ a b 身の回りに潜む植物毒の恐怖!Research Request No.0230 2002/4/21 日本テレビ、特命リサーチ
  2. ^ [1]
  3. ^ 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 安全性研究チーム (2004年5月10日). “キョウチクトウ”. 写真で見る家畜の有毒植物と中毒. 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所. 2009年12月11日閲覧。
  4. ^ 鈴木美穂; 門田陽介 (2009年12月11日). “キョウチクトウ:「毒性強い」と学校の木すべて伐採 福岡”. 毎日jp. 毎日新聞. 2009年12月11日閲覧。
  5. ^ 花粉症保健指導マニュアル-2007年3月改訂版-
  6. ^ 深山毒草園 毒草:キョウチクトウ
  7. ^ 医薬品情報21(2007/12/10) 夾竹桃(Oleandere)の毒性

外部リンク