Wikipedia:著作権で保護されている文章等の引用に関する方針

これはこのページの過去の版です。ZCU (会話 | 投稿記録) による 2012年8月26日 (日) 14:54個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎引用の要件を満たしていない場合)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。


この方針文書は、著作権の対象となっている言語の著作物を、ウィキペディア日本語版において引用する際に守るべき事項を定めたものです。

はじめに

執筆は自分の言葉で

百科事典の執筆をする上で、誰かが作り出した文章などをそのまま、あるいは少しだけ改変して使用しなければいけない場面は、それほど多くありません。もちろん、執筆にあたっては、複数の信頼できる検証可能な資料を参照し、その内容に基づいて記述を進めるべきです。しかし、ウィキペディアでは、その資料を引き写すのではなく、あなたが十分その内容を理解し、咀嚼し、百科事典にふさわしいあなた自身の表現で執筆することが求められます。そのような心掛けで執筆していれば、著作権法などに違反することは、めったにないでしょう。著作権侵害を避けるには、あなた自身の表現で執筆することが大事なのです。

引用の意義

しかし、どうしても誰かが書いたものを持ち込む必要があることもあります。記事本文だけでなく、ノートでの議論などで、実際の記述を執筆者の間で確認する必要が生じることもあるでしょう。そういう場合は適切に「引用」をすることで、著作権の侵害を回避することができます。この文書では、ウィキペディアでの引用の取り扱いと、著作権法上の適切な引用の方法を解説します。

著作権の侵害を回避するということを考えるならば、ここでいう「引用」の元となる文章などは、著作権法の保護の対象となる著作物である場合に限定してもいいでしょう。しかし、数値などのデータや事実など著作物ではないもの、保護期間を過ぎた著作物であっても、以下で説明する要件を満たすことは、ウィキペディアは百科事典であり、「検証可能性」という方針を採用していることからも求められるものです。

このガイドラインは、誰かの著作権を絶対に侵害しないということを保証するものではありません。しかし、この文書を理解した上で執筆することで、侵害してしまう可能性はかなり減少します。また、このガイドラインに従っていなくても、権利を侵害しない場合もあるでしょう。あなたが十分著作権法を理解し、ガイドラインに沿わない記述をすることでよりよい記事ができるならば、この文書に沿わない記述をすることも可能です。ただし、誰かが削除依頼に出したり、記事のノートで説明を求めるかもしれません。そのような際には、判例や信頼できる解説書の記述を示しながら丁寧に説明するようお願いします。

考慮すべき方針と法律

ウィキメディア財団の方針

ウィキメディア財団は、ウィキペディアを含むウィキメディア・プロジェクトにおける、著作権の対象となっているフリーではない(以下「非フリー」という。)コンテンツの取り扱いについて、2007年3月27日の理事会決議(以下「理事会決議」という。)により、公式見解を発表しています。

理事会決議は、ウィキメディア・プロジェクトが受け入れるコンテンツはフリーライセンスの下で利用できなければならないことを原則とする一方で(決議1)、一定の要件を満たす例外的な場合に限り、非フリーコンテンツの受け入れを容認しました(決議2-6)。

理事会決議は画像の利用を念頭に置いたものと考えられますが、画像をアップロードする場合とテキストをアップロードする場合では、著作権法上の取り扱いは原則として異なるものではないことから、非フリーテキストの引用方針も、理事会決議に準拠したものとします。

日本の著作権法

他人の著作物を、著作権者の許諾なく複製したり翻案したり、あるいはネットで閲覧できるようにすることはできません。転載、つまり誰かが書いた文章を、一部であっても、そのままウィキペディアに書き写したりすることは、著作物の利用にあたり、著作権者の許諾を得ていなければ、権利を侵害することになります。

しかし、ある作品への批評など、どうしてもその記述をそのまま使わなければいけない場合もあります。このため、日本の著作権法では、著作物を引用して利用することを認める規定があります。

  • 32条
    • 1項 - 著作権者の許諾を得ることなく引用できることの根拠となる基本的な規定。
  • 43条
    • 2号 - 32条1項の引用をする際には、翻訳して引用できるとする規定。
  • 48条
    • 1項
      • 1号 - 32条1項にしたがって著作物を引用する場合、著作物の出所を明示しなければならないとする規定。
    • 2項 - 出所の明示にあたっては、原則として著作者名を示さなければならないとする規定。
    • 3項 - 翻訳して引用する場合にも、原著作物の出所明示を必要とする規定。

アメリカ合衆国の著作権法

アメリカ合衆国の著作権法(17 U.S.C.)には、日本の著作権法32条1項のような、著作権者の許諾を得ない引用を認める個別具体的な規定がありません。したがって、米国の著作権法の下で、著作権の対象となっている著作物を権利者の許諾を得ないで引用するには、包括的な権利制限規定である§107に基づいて、公正であると認められる方法(フェアユース)によらなければなりません。

§107によれば、その引用がフェアユースとなるか否かは、少なくとも以下の4要素を考慮することになっています。

  1. 使用の目的および性質(使用が商業性を有するかまたは非営利的教育目的かを含む)[1]
  2. 著作権のある著作物の性質[1]
  3. 著作権のある著作物全体との関連における使用された部分の量および実質性[1]
  4. 著作権のある著作物の潜在的市場または価値に対する使用の影響[1]

引用の方針

用語の定義

本方針における用語を、以下のとおり定義します。

  • 「記事本文」とは、ウィキペディア日本語版の記事(標準名前空間以外の文書、利用者どうしの対話文等を含む。以下同じ。)であって、投稿者の創作に係るものをいいます。
  • 「引用」とは、ウィキペディア日本語版の記事を補足説明し、あるいはその例証、参考資料を提供することを目的として、投稿者が権利を有していない他人の著作物を記事の一部に採録することをいいます。
  • 「被引用文」とは、実際に引用されている文章をいいます。
  • 「被引用著作物」とは、引用元となった著作物であって、被引用文を含んでいた著作物の全体をいいます。

本方針の対象となる著作物

本方針に従って引用しなければならない著作物は、以下の2つの要件を満たすものです。

  1. 日本国またはアメリカ合衆国の著作権法の下で著作権の対象となっている言語の著作物であること
  2. GFDL(GFDLと互換性を有するライセンスを含む)の下での利用が許諾されていないこと

ただし、「言語の著作物」には、ソースコード(プログラム著作物)、アスキーアート(図形著作物または美術著作物)など、文字の組み合わせによって表現される他の著作物を含むものとします。

上記要件を満たさない著作物、たとえば、以下のいずれかに該当する著作物は、本方針の対象ではありません。

  • 日米の著作権法の下で著作権の対象となっていない著作物(著作物性を有しない素材を含む)
  • GFDLで利用が許諾された著作物
  • 言語の著作物ではない著作物

引用の要件

本方針の対象となる著作物」を引用するときは、以下のすべての条件を満たしていなければなりません。

  1. (公表された著作物であること)被引用文が公表されていること
    公表されていない著作物(著作者の意に反して公表された著作物を含み[2]、以下「未公表著作物」という。)を引用することはできません(著作権法32条1項)。未公表著作物を引用した場合、当該著作物の著作権や著作者人格権(公表権、著作権法18条)を侵害するおそれがあるのみならず、官公庁や企業が保有する機密情報の漏洩、個人のプライバシーの侵害といった、他の重大な法的問題が生じる可能性もあります。また、未公表著作物は検証可能性を欠き、信頼できる情報源ではないため、未公表著作物の引用はウィキペディアの執筆方針にも違反することになります。
    たとえば、書簡集などとしてまとめられていない手紙、未発表の論文、未公開のソースコードなどを引用してはいけません。
  2. (必然性)引用する必然性があること
    著作物の引用に際し、その必然性が要求されるとした裁判例はありません。一方で、必然性を求める主張を退けた裁判例があります[3]。しかし、必然性を求める学説は根強く、実務上も採用例が多いこと、および著作権の対象となっている画像を受け入れるには、その必要性と非代替性を要求する理事会決議3の趣旨を考慮し、本方針においても、必然性を求めることとしました。
    引用の必然性がある場合とは、理事会決議3を準用し、以下の2つを要件を満たしている状態をいうものとします。
    1. (必要性)被引用文の存在が、説明事項に対する読者の理解を著しく容易なものとし、逆に被引用文が存在しなければ、その理解が困難となる。
    2. (非代替性)被引用文を「本方針の対象となる著作物」に該当しない著作物(自由利用できる著作物)に置き換えることでは、引用目的を達成できない。
  3. (一部であること)被引用文は原則として被引用著作物の一部であること
    被引用著作物における被引用文の割合は、引用の目的上正当な範囲内に抑えなければなりません[4]。引用の目的を達成するために必要な最小限の文言を、被引用著作物から抜き出して引用して下さい[5]。例外的に全部を引用できるのは、俳句短歌などのごく短い著作物に限られます[6]
  4. (主従関係)記事本文が主、被引用文が従の関係にあること
    記事本文が「主」、被引用文が「従」の関係が成立していなければなりません。主従関係が要求される理由として、(1)著作権法32条1項の引用の要件として、主従関係が必要であるとするのが判例の立場であり[7]、学説上も広く支持されていること、(2)フリーコンテンツを創作し、提供するというウィキメディア・プロジェクトの目的を鑑みれば、フリーではないコンテンツが主体性を発揮することは妥当ではないこと、の2つが挙げられます。
    主従関係とは、あなた自身の創作による記事本文が主体性を保持し、被引用文が記事本文の内容を補足説明し、あるいはその例証、参考資料を提供するなど、記事本文に対して被引用文が付従的な性質を有している関係をいいます[8]
    たとえば、以下のようなケースは、被引用文が主体性を発揮してしまいますので、本要件を満たなさい可能性が高い典型例といえるでしょう。
    1. 被引用文に注釈を付けるような態様で被引用文が利用される場合
    2. 記事本文が独立して著作物として成立しない場合
  5. (明瞭区別性)記事本文と被引用文を明瞭に区別して認識できること
    記事本文と被引用文を明瞭に区別して認識できるようにしなければなりません。明瞭区別性が要求される理由として、(1)著作権法32条1項の引用の要件として、明瞭区別性が必要であるとするのが判例の立場であり[7]、学説上も広く支持されていること、(2)記事本文と被引用文が明瞭に区別できない場合、被引用文の利用までもがGFDLで許諾されているものと誤認され、被引用著作物の権利者に不測の不利益をもたらすおそれがあること、の2つが挙げられます。
    記事本文と被引用文を明瞭に区別して認識できるようにするには、被引用文を、「」や『』などのカギ括弧、字下げ、枠組みなどを用いて、明確化するのが一般的です。引用文テンプレートも用意されていますので、必要に応じて利用してください。明瞭に区別できるのであれば、方法は問いません。
  6. (同一性)原則として被引用文を改変しないこと
    被引用文は、原則として一切の改変をしてはいけません。著作物の改変は、同一性保持権(著作権法20条1項)を侵害するおそれがあり、引用する場合も同様(著作権法50条)であるためです。そもそも、被引用著作物が信頼できる情報源であると判断して引用するのですから、改変する必要はないはずです。
    たとえば、句読点・改行・送り仮名などの変更も認められません[9]。被引用文中に「外国」、「我が国」、「海外」、「来日」など、Wikipedia:日本中心にならないようにに反する表現が含まれる場合も同様です。
    ただし、被引用文が日本語以外の言語で書かれている場合には、日本語に翻訳して引用することは認められます(著作権法43条2号)。翻訳して引用する場合は、原文に忠実に翻訳するように努めてください。要約(著作権法上の要約[10]をいう)による引用が認められるか否かについては見解が分かれているため[11]、当面の間は避けるべきこととします。もちろん、著作権法上の要約に該当しない「まとめ文章」の投稿は、本方針の対象ではありません[12]
  7. (出所表示)被引用文の出所を明示していること
    被引用文の出所明示は著作権法上の義務でもありますが(著作権法19条1項、48条1項1号)、出典を明記し、検証可能性を確保するというウィキペディアの執筆方針上も必要です。
    出所として、著者名、作品の題号、書籍のタイトルや雑誌名と巻号、ページ、出版社などを記載してください。ウェブページであれば著者、題号、URL、閲覧日を、テレビ番組などであれば製作者、作品名、放送日時などを記載してください。
    翻訳文を引用するのであれば、原著作者名と翻訳者名の両方を記載しなければなりません(著作権法19条1項)。
    出所は、かっこ書き、脚注などを利用して記載するのが一般的です。

引用の要件を満たしていない場合

本方針の対象となる著作物」が「引用の要件」を満たすことなく投稿された場合、投稿された記事は原則として削除対象(ケースB-1)となります。ただし、編集による修正が可能な場合もあるので、必ず確認してください。自らの判断が困難な場合は、Wikipedia:著作権問題調査依頼の場を利用し、転載が疑われる部分と、それがどこから転載されたかを指摘してください。

編集による修正

以下のいずれかに該当する場合は、編集により、引用の要件がすべて満たされるように修正します。

  1. 被引用著作物が、公開して行われた政治上の演説または陳述、および裁判手続(行政庁の行う審判その他裁判に準ずる手続を含む)における公開の陳述であって、引用の要件5を満たしている場合(日本の著作権法40条1項を参照)
  2. 被引用文が著作物性を有しないことを理由として、引用の要件を満たさなくても、著作権を侵害しないと判断できる場合
  3. 違反状態が軽微であると認められる場合

削除による対応

編集による対応が困難な場合は、削除依頼を提出してください。また、必要に応じて投稿者と対話し、適切な投稿を促してください。

ローカルルールの効力

ウィキプロジェクト毎、または記事毎に、本方針に違反しない(本方針に違反する引用を容認しない)ことを条件として、引用に関する独自ルールを設けることができます。「本方針の対象となる著作物」の一切の引用を禁止するルールの制定も可能です。ただし、合意したルールに違反しているが、本方針には違反していない場合の対処は、削除ではなく、編集による修正にとどめてください。

独自ルールが定められていない場合の引用の可否は、本方針に基づいて判断するものとします。

引用の要件の充足性以外に注意すべきこと

引用の要件」を満たす引用をする場合であっても、以下の点に注意してください。これらの注意事項が守られなかったとしても、直ちにその記事が削除対象となることはありませんが、権利者との紛争を未然に防止するためにも留意しておくべき事項です。

  • 複数の被引用文を箇条書き形式で列挙することは、仮に引用の要件を満たしているとしても、避けることが強く推奨されます。他のユーザによるその後の編集で、被引用文がさらに追加され、著作権を侵害する状態となるおそれがあるからです。たとえば、過去の事例として、アナウンサーの記事で名実況フレーズを、俳人の記事で俳句の代表作を、映画やアニメの記事で登場人物の台詞を列挙した節が作られたことをきっかけに、以後の編集で同様の台詞等が次々と追加されたことがありました。いずれの場合も、最終的には「必然性」や「主従関係」の要件を満たさない状態となり、記事が削除されたことがあります。
  • 「歌詞」のように、商業目的で創作され、有償による利用許諾が活発に行われている比較的短い著作物を引用する場合は、特に慎重にならなければなりません。引用の要件の充足性について、少しでも疑義がある場合には、投稿を取りやめることを強く推奨します。
  • 被引用著作物の権利者が、適法な引用の要件についての見解を独自に公表している場合には、その見解も尊重してください。
  • 被引用著作物の権利者と接触できる場合には、引用することについて権利者から事前に承諾を得ることは、紛争防止の手段としては大変有効です。

引用とGFDLの関係

ZCU案

GFDL は著作物の自由な改変を認めるライセンスであることから(GFDL第4条)、改変できない被引用文が含まれる記事の利用をGFDLでライセンスすることはできないとする見解が、コミュニティの一部に存在しました。しかし、現実には、多くのウィキペディア・プロジェクトで、著作権の対象となっている著作物の引用が認められています。これは、被引用文を改変してしまう編集、その他引用の適法性要件を満たさない状態としてしまう違法な編集を回避する注意義務は、編集者側に課されるべきとの考え方に基づいています。

誰もが編集に参加できるウィキペディアの仕組みの中では、編集者が被引用文を改変してしまう等の違法な編集をしてしまうことを回避し、上記注意義務を履行するためにも、引用を行う執筆者は本方針を遵守することにより、被引用部分の存在を、編集者に対して確実に伝達することが重要です。

編集者も、被引用文の存在には注意を払ってください。ウィキペディアの記事は、 GFDLに従うことを条件として、誰でも自由に書き換えることができます。しかし、被引用文を含む記事を編集する場合は、GFDLが自由な改変が認めているからといって、被引用文を改変したり、記事本文と被引用文が明瞭に区別できない状態としたり、被引用文の出所表示を消去したりするなど、編集後の記事が本方針に違反する状態となるような編集をしてはいけません。

ディー・エム案

ウィキペディアの記事は、誰でも自由に書き換えることができます。これは、GFDLと呼ばれる特別な著作物利用許諾によって、各記事各版の著作権者同士、すなわちウィキペディアに参加する全ての編集者同士が記事のあらゆる自由な複製、改変を許可しているためです。 しかし、だからといって法律や公序良俗に反する編集行為まで自由に許されるわけではありません。あなた自身が他人の著作物を引用する際はもちろん、既に引用を含んでいる記事をあなたが編集する場合にも、引用した文章を改変したり、本文と引用部分の区別を曖昧にしたり、引用元の明示を省略したりするなど、このガイドラインに反する編集はしないでください。誰もが執筆に参加できるウィキペディアの仕組みの中では、引用の事実とその正確な情報を後の編集者に示し ておくことがとても重要なのです。そしてまた、誰もが自由に編集できるウィキペディアの魅力を損なわないために、過剰な引用は行わないようにしましょう。

ks aka 98案

ウィキペディアの記事は、誰でも自由に書き換えることができます。これは、ウィキペディアに参加する全ての編集者が、GFDLと呼ばれる特別な著作物利用許諾によって、記事のあらゆる自由な複製・改変を許可しているためです。自由な改変が認められていることから、引用によって他人の著作物を含む文書はGFDLでリリースできない、と考える人もいるかもしれません。しかし、GFDL文書であっても、法律や公序良俗に反する編集行為まで許されるわけではありません。誰かが書いた文章をそのまま転載する編集が許されないのと同じように、適切に引用されている文章を改変して、引用の要件を満たさない形にしてしまう編集も許されません。

既に引用を含んでいる記事をあなたが編集する場合にも、引用されている文章を改変したり、本文と引用部分の区別を曖昧にしたり、引用元の明示を省略 したりするなど、このガイドラインに反する編集をしないでください。誰もが執筆に参加できるウィキペディアの仕組みの中では、後で他の編集者が引用を含む 記述を変更する際にガイドラインに反する改変をしてしまわないためにも、引用の際にはこのガイドラインを守った投稿をすることが、とても重要なのです。

脚注

  1. ^ a b c d 日本語訳は、社団法人著作権情報センターWebサイト(山本隆司・増田雅子共訳)による。
  2. ^ 著作権法18条1項かっこ書によれば、著作者の意に反して公表された著作物にも公表権は行使できるとされている。
  3. ^ 東京高等裁判所判決昭和60年10月17日(レオナール・フジタ事件)では、「引用に必然性があるかどうかは、著作物が著作者の自由な精神的活動の所産であることからすれば、多分に著作者の主観を考慮してせざるをえないことになり、これを判断基準として採用することは客観性に欠ける結論に到達する虞れがあり、相当とはいえない。」としている。
  4. ^ 金井・小倉404頁(桑野雄一郎)
  5. ^ 正当な範囲を逸脱したとされたものとしては東京地方裁判所判決 平成7年12月18日(ラストメッセージin最終号事件)がある。
  6. ^ 加戸244頁,中山257頁。詩の全文を掲載した事例として東京地方裁判所判決 平成12年2月29日(中田英寿事件)がある。
  7. ^ a b 最高裁判所第三小法廷判決 昭和55年3月28日(パロディ事件)、
  8. ^ 東京高等裁判所判決昭和60年10月17日(レオナール・フジタ事件)は、「主従関係は、両著作物の関係を、引用の目的、両著作物のそれぞれの性質、内容及び分量並びに被引用著作物の採録の方法、態様などの諸点に亘って確定した事実関係に基づき、かつ、当該著作物が想定する読者の一般的観念に照らし、引用著作物が全体の中で主体性を保持し、被引用著作物が引用著作物の内容を補足説明し、あるいはその例証、参考資料を提供するなど引用著作物に対し付従的な性質を有しているにすぎないと認められるかどうかを判断して決すべき」と判示している。
  9. ^ 東京高等裁判所判決 平成3年12月19日(論文掲載事件)
  10. ^ 著作権法上、要約は翻案(著作権法27条)の一類型とされている。東京地方裁判所判決平成6年2月18日(コムライン・ディリー・ニュース事件)は、「言語の著作物である原著作物の翻案である要約とは、それが原著作物に依拠して作成され、かつ、その内容において、原著作物の内容の一部が省略され又は表現が短縮され、場合により叙述の順序が変更されてはいるが、その主要な部分を含み、原著作物の表現している思想、感情の主要な部分と同一の思想、感情を表現しているものをいうと解するのが相当である。したがって、要約は、これに接する者に、原著作物を読まなくても原著作物に表現された思想、感情の主要な部分を認識させる内容を有しているものである。」と判示している。
  11. ^ 東京地方裁判所判決 平成4年2月25日(本多勝一反論権事件)や東京地方裁判所判決平成10年10月30日(血液型研究書事件)では認めているが、学説上は43条を根拠として認められないとする見方が強い(田村240-247頁,半田 155-158頁)。中山262-264頁も参照。
  12. ^ 加戸245頁

関連項目

参考文献

  • 加戸守行『著作権法逐条講義〔五訂新版〕』(著作権情報センター、2006年)
  • 中山信弘『著作権法』(有斐閣、2007年)
  • 田村善之『著作権法概説〔第2版〕』(有斐閣、2001年)
  • 半田正夫『著作権法概説〔第11版〕』(法学書院、2003年)
  • 金井重彦、小倉秀夫編著『著作権法コンメンタール〔上巻〕』(東京布井出版、2002年)
  • 上野達弘「引用をめぐる要件論の再構成」『ICT活用教育における著作権の課題と対応』独立法人メディア教育開発センター 2007(pdf