メアリー・ルイーザ・モールズワース

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メアリー・ルイーザ・モールズワース(Mary Louisa Molesworth、1839年5月29日 - 1921年1月20日)は、イギリスの小説家。一般にはモールズワース夫人(Mrs Molesworth)として知られる。

概略[編集]

1839年、オランダのロッテルダムに生まれる。旧姓はスチュアート(Stewart)。2年後に家族でイギリスに帰国し、マンチェスターで暮らす。14歳のときにスイスの寄宿学校で1年ほど過ごす。1861年、軍人のリチャード・モールズワースと結婚。子供を7人もうけるも、1879年離婚。フランスやドイツで過ごしたあと、1885年ロンドンに戻り、1921年に亡くなる。

小説は1870年頃より大人向けの小説をエニス・グラハム(Ennis Graham)の筆名で執筆していたが、その後、子供向けの物語を書くようになり、生涯に大人向けの小説9冊、児童書86冊を残した[1]

代表作の一つである『かっこう時計』は1877年に出版され、ネズビットボストンピアスらに影響をあたえた[2]。また、アガサ・クリスティの小説『運命の裏木戸英語版』では、主人公タペンスの子供の頃の愛読書として、モールズワース夫人のThe Cuckoo ClockThe Tapestry Roomなどが取りあげられている[3]

代表作[編集]

  • Tell Me a Story (1875) - お話しして
  • Carrots (1876) - キャロッツ
  • The Cuckoo Clock (1877) - かっこう時計
  • The Tapestry Room (1879) - 壁かけの部屋
  • Christmas-Tree Land (1886) - クリスマスツリーの国
  • The Carved Lions (1895) - 彫刻のライオン

日本語訳書[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 経歴についてはWikipedia英語版のページおよび『かっこう時計』(福武文庫、1989年)に収録の夏目道子による「あとがき」を参照した。
  2. ^ 安藤聡『ファンタジーと歴史的危機 : 英国児童文学の黄金時代』(彩流社、2003年、後ろよりpp.27-28)
  3. ^ 参考:アガサ・クリスティー『運命の裏木戸』(中村能三訳、ハヤカワ文庫、1981年、p.21)

外部リンク[編集]