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無声唇歯鼻音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
無声唇歯鼻音
ɱ̊
m̪̊
IPA番号 115+402B
エンコーディング
X-SAMPA F_0
音声サンプル
noicon

無声唇歯鼻音(むせい しんし びおん、: Voiceless labiodental nasal)とは、唇歯鼻音異音である。国際音声記号(IPA)でこの音を表す記号は⟨ɱ̊⟩であり、これは有声音の唇歯鼻音を示す文字に無声を表す補助記号を組み合わせたものである。資料によっては、無声記号が下付きで示され、⟨ɱ̥⟩の形で表されることもある[1]

特徴

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  • この音は鼻音であり、鼻閉鎖音においては空気が専ら鼻腔を通して流れる(それ以外の場合、口腔を通る場合もある)。
  • 調音点唇歯であり、下と上のを用いて調音される。
  • その発声は無声音であり、声帯の振動を伴わずに生成される。言語によっては声帯が積極的に開かれて常に無声音として発音される場合があり、他の言語では声帯が弛緩しており、隣接する音の有声性を帯びることがある。
  • 舌上を気流が通過して生じる音ではないため、中線音側面音の区別は適用されない。
  • その気流機構肺臓気流機構であり、他の多くの音と同様に肋間筋および腹筋によって空気を肺から押し出すことで調音される。

存在

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言語 単語 IPA 意味 注記
Angami[1] /m̥ʰ/ の前に /ə/ が現れる場合の異音
ニャムウェジ語[2] mfulá [ɱ̊fulá] '良い' クラス9/10の鼻接頭辞 /N/ が /f/ の前に現れる場合の異音

脚注

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  1. ^ a b Blankenship, B. "Phonetic structures of Khonoma Angami" (PDF).
  2. ^ Maganga, Clement; Schadeberg, Thilo C. (1992). Kinyamwezi: Grammar, Texts, Vocabulary. Cologne: Rüdiger Köppe. pp. 15–53.

外部リンク

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子音
肺臓気流
両唇 唇歯 歯茎 後部歯茎 そり舌 硬口蓋 軟口蓋 口蓋垂 咽頭 声門
破裂 p b () () () () t d ʈ ɖ c ɟ k ɡ q ɢ ( ʡˤ) ʔ
() m (ɱ̊) ɱ (n̪̊) () () n ɳ ɲ ŋ ɴ
ふるえ (ʙ̥) ʙ () r ʀ
はじき (ⱱ̟) ɾ ɽ (ɟ̆) (ɢ̆) (ʡ̆)
摩擦 ɸ β f v θ ð s z ʃ ʒ ʂ ʐ ç ʝ x ɣ χ ʁ ħ ʕ h ɦ
側面摩擦 ɬ ɮ
接近 (β̞) (ʋ̥) ʋ (ɹ̥) ɹ ɻ j ɰ
側面接近 () l ɭ ʎ ʟ
非肺臓気流
吸着 ʘ ǀ ǃ 𝼊 ǂ ǁ (ʞ)
入破 ɓ ɗ̪ ɗ () ʄ ɠ ʛ
放出 (t̪ʼ) ʈʼ c’ ()
その他
同時調音 ʍ w ɥ ɕ ʑ ɧ
(k͡p) (ɡ͡b) (ŋ͡m)
喉頭蓋音 ʜ ʢ ʡ
舌唇音 () () () (θ̼) (ð̼)
その他側面音 ɺ (ɭ̆) (ɫ)
破擦音 p͡ɸ b͡β p̪͡f b̪͡v t͡θ d͡ð t͡s d͡z t͡ʃ d͡ʒ ʈ͡ʂ ɖ͡ʐ t͡ɕ d͡ʑ c͡ç ɟ͡ʝ k͡x ɡ͡ɣ q͡χ ɢ͡ʁ t͡ɬ d͡ɮ ʔ͡h
記号が二つ並んでいるものは、左が無声音、右が有声音。網掛けは調音が不可能と考えられる部分。
丸括弧内はIPA子音表(2005年改訂版)に記載されていないもの。
国際音声記号 - 子音