灰の水曜日
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灰の水曜日(はいのすいようび、 英: Ash Wednesday、伊:Mercoledì delle Ceneri、西: Miércoles de Ceniza、仏: Mercredi des Cendres、独: Aschermittwoch、蘭: Aswoensdag、葡:Quarta-Feira de Cinzas)は、キリスト教カトリック教会をはじめとする西方教会の典礼暦年のうちの一日。
概要[編集]
元来はカトリック教会の行事であるが、その流れを汲むプロテスタント教会(聖公会、ルーテル教会など)でも行われる。
東方教会では行われない。
カトリック教会や伝統的なプロテスタント教会(聖公会、ルーテル教会など)ではこの日に大斎または小斎が守られるのが標準となっていた。
一般に典礼色は紫を使用する。
典礼[編集]
この日の典礼では、前年の枝の主日(聖週間の初日となる主日、すなわち復活祭の1週間前)に使用された棗椰子(なつめやし)または棕櫚(しゅろ)の枝[1]などを、最近では3日前の日曜日に不要になった木製の十字架などを集めて、燃やした灰の「祝別式」と「塗布式」が行われる。
祝別式とは、この灰を前に神に祈り、聖別することを指す。
塗布式とは灰の水曜日のミサ(礼拝)で、司式者が信者各自の額に灰の十字を記し(塗り付け)、例えば聖公会では司式者が祈祷書にある「あなたはもともと土から生まれたので、まもなく土に返る。[2] だから罪を悔い改めて、イエスの教えに立ち返りなさい。」[3]と言いながら祈ることを指す。
この儀式後、各信者は額に灰の十字を付けたまま教会から出て、外を歩き、通常(しばらくは)額に記された十字を自ら拭い去ることはない。
歴史[編集]
レントの初日である水曜日に、いつからどのようにして灰を使う儀式を行うことになったかはっきりしない。
元々、教会から離れた人が戻る際の反省に灰を使っていたことはあり、これが4世紀にはレントと結びつけられていたが、これが灰の水曜日の起こりかとは断定できず、しかしこうした儀式は10世紀までには西ヨーロッパで広く行われていて(ただしまだローマでは行われていない)、1091年にはウルバン2世教皇がベネヴェント会議でローマ教会にも波及するようにして、しばらくして「Feria Quarta Cinerum」(灰の水曜日の儀式)と言われるようになった、という説をJohn W. Fentonは取っている[4]。
日付[編集]
灰の水曜日の日付は復活祭の日付に連動しているので、次のようになる。
一覧[編集]
- 2017年 – 3月1日
- 2018年 – 2月14日
- 2019年 – 3月6日
- 2020年 – 2月26日
- 2021年 – 2月17日
- 2022年 – 3月2日
- 2023年 – 2月22日
- 2024年 – 2月14日
- 2025年 – 3月5日
- 2026年 – 2月18日
脚注[編集]
参照[編集]
- T・S・エリオットの詩「灰の水曜日 (詩)」
- Elvis Perkins(アンソニー・パーキンスの子息)のアルバム「灰の水曜日 (アルバム)」(en:Ash Wednesday (album))