準備通貨

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準備通貨(じゅんびつうか、英:Reserve currency)とは、各国政府もしくは金融当局の外貨準備の総額において相当量を占める通貨を指す。準備通貨高は石油のような国際間で取引される商品の価格に大きな影響を与える。近年では特にアジア諸国が自国通貨のレートを下げて輸出競争力を高めるため、およびアジア通貨危機のような事態に備えるために外貨準備高を引き上げる傾向にある。準備通貨は発券国の国力を考慮して選択されるが、その変遷には長い時間がかかる。

主要国の推移[編集]

外貨準備における主要通貨の比率の推移 (1965-2018)

1995年から2018年にかけての公的な外貨準備における通貨の構成割合(%)[1][2][3]

  

主な発券国[編集]

米ドルは現代の最も有力な準備通貨である。米ドルの比率は1996年以降、常に60%を上回っている。

ユーロは2018年現在、準備通貨高の2割強を占め、2位に位置する。第二次世界大戦後のドイツ連邦共和国の復興以降、ドイツマルクは米ドルに次ぐ準備通貨となり、この地位はユーロに継承された。各銀行の外貨準備に多様性を持たせようとする志向とユーロ圏経済の拡大によってユーロ準備高の割合は増加の途にあったが、2009年をピークに以降は緩やかな減少傾向にあるが、なお2割を維持している[4]

イギリスのUKポンドは18-19世紀における最大の準備通貨であった。しかし恒常的な貿易および財政赤字、一貫性の無い金融財政政策、イギリスの軍事力および経済力の凋落によりポンドの地位は失われた。21世紀冒頭のイギリス経済の復活と日本円の準備高の低下を経て、ポンドと日本円が3位と4位をお互いに入れ替わっている状況である[5]

スイス・フランはその安定性が考慮されて準備通貨に挙げられるが、2015年をピークに2018年現在、その規模は0.1-0.2%程度である。

ロシアペルシア湾岸諸国などは、自国通貨が準備通貨としての地位を得ることへの希望を表明している。

脚注[編集]

  1. ^ For 1995-99, 2006-18: Currency Composition of Official Foreign Exchange Reserves (COFER)”. Washington, DC: 国際通貨基金 (2019年11月1日). 2020年1月17日閲覧。
  2. ^ For 1999-2005: International Relations Committee Task Force on Accumulation of Foreign Reserves (February 2006) (PDF), The Accumulation of Foreign Reserves, Occasional Paper Series, Nr. 43, Frankfurt am Main: 欧州中央銀行, ISSN 1607-1484, http://www.ecb.int/pub/pdf/scpops/ecbocp43.pdf ISSN 1725-6534 (online).
  3. ^ (PDF) Review of the International Role of the Euro, Frankfurt am Main: 欧州中央銀行, (December 2005), ISSN 1725-2210, http://www.ecb.int/pub/pdf/other/euro-international-role200512en.pdf ISSN 1725-6593 (online).
  4. ^ http://www.imf.org/external/pubs/ft/wp/2006/wp06153.pdf
  5. ^ http://www.telegraph.co.uk/money/main.jhtml?xml=/money/2007/01/23/bcnpound23.xml

関連項目[編集]