平気でうそをつく人たち

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People of the Lie: The Hope for Healing Human Evil
著者 M. Scott Peck
発行日 1983年
発行元 Simon & Schuster
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
ページ数 269
コード ISBN 978-0671454920
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平気でうそをつく人たち
著者 M・スコット・ペック
訳者 森英明
発行日 1996年12月25日
発行元 草思社
日本の旗 日本
言語 日本語
ページ数 334
コード ISBN 978-4794207418
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平気でうそをつく人たち 虚偽と邪悪の心理学(へいきでうそをつくひとたち、原題: People of the Lie: The Hope For Healing Human Evil、嘘をつく人達:人間の邪悪を癒す希望)は、精神科医のM・スコット・ペック(M. Scott Peck)によって1983年にアメリカで出版された著作である。キリスト教保守派である福音派の宗教書であると言われる[1][2]

日本では1996年草思社から出版された。邦訳は部分訳であり、宗教色の濃い部分を除いた形での刊行だったため、日本では宗教に関連があるとはほとんど思われていない[1]

概要[編集]

ペックが邪悪と考える人々が取り上げえられており、「悪魔に憑かれた精神療法の対象外にある邪悪な人々」「悪は愛によってのみ封じ込め得る」がテーマである[1][3]。原著は7章構成、邦訳は6章で、翻訳されなかった CHAPTRT5 の後半では、悪魔祓いについても述べられている[1]。ペックの考える邪悪な人間の条件は、「どこにでも住んでいるようなごく普通の人間」であり、「罪悪感や責任感に耐えることを拒む」「他人をスケープゴートにする」「自分だけの論理しか認めない」というもので、彼らは自分の非を絶対に認めず、自己正当化のために嘘をついて周囲を傷つけるのだという[4][5]。邦訳を出版した草思社は、個人から集団までの人間の悪の本質に迫る書であるとしている[4]

クリスチャントゥデイ編集長・牧師宮村武夫は、ペックが本書で示しているのは、「アウグスティヌスが聖書の講解で提示している善と悪の関係であり、最後には善が勝つという希望についての彼独自の心理学的説明」であると評している[3]

ペックは、1963年から72年までベトナム戦争当時のアメリカ軍で精神科医として9年間勤務し(沖縄勤務を含む)、アメリカのベトナム政策やアメリカ軍の行動に大きな疑問を持つようになり、そうした経験・思索から第5章「集団の悪について」(原著ではCHAPTRT6)が書かれている[3]

邦訳の出版は、善なるものへと向上する感性とは逆の、邪悪なものへと向かう感性が日本で注目され、強調される契機になった[5]。精神科医の斎藤学によると、邦訳では翻訳されなかった部分があるため、日本の読者にはキリスト教福音派の立場から書かれていることがわからず、自分を育てた親を悪と見做す毒親糾弾ブームを支える有力な1冊になっていた[1][2]

日本では50万部のベストセラーとなった[6]トーハン調べ1997年年間ベストセラーの単行本・ノンフィクション部門で8位となった[7]カルチュア・コンビニエンス・クラブ2014年に行ったエイプリルフールに関するアンケート調査では、嘘といえば思い出すという主な作品に本書が含まれていた[8]

構成[編集]

原著[編集]

  • INTRODUCTION:HANDLE WITH CARE(序論:取り扱いの注意)
  • CHAPTRT1 THE MAN WHO MADE A PACT WITH THE DEVIL(第1章 悪魔と契約した人)
  • CHAPTRT2 TOWARD A PSYCHOLOGY OF EVIL(第2章 悪の心理学に向けて)
  • CHAPTRT3 THE ENCOUNTER WITH EVIL IN EVERYDAY LIFE(第3章 日常生活での悪との遭遇)
  • CHAPTRT4 CHARLENE: A TEACHING CASE(第4章 事例)
  • CHAPTRT5 OF POSSESSION AND EXORCISM(第5章 憑依悪魔祓い
  • CHAPTRT6 MYLAI: AN EXAMINATION OF GROUP EVIL(第6章 ソンミ村:集団の悪の検証)
  • CHAPTRT7 THE DANGER AND THE HOPE(第7章 危険と希望)

邦訳[編集]

  • はじめに―取り扱いに注意
  • 第1章 悪魔と取引した男
  • 第2章 悪の心理学を求めて
  • 第3章 身近に見られる人間の悪
  • 第4章 悲しい人間
  • 第5章 集団の悪について
  • 第6章 危険と希望

脚注[編集]