州務長官

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州務長官(しゅうむちょうかん、Secretary of State)は、アメリカ合衆国の州における上級行政職である。

概要[編集]

州務長官は、各州において選挙証明や企業登録維持に責任を負うほか、いくつかの州では運転免許証の発行及び自動車登録業務を取り扱い、さらに州の公文書および公証人により作成された文書の法的正当性を証明する職務も行う。また多くの州において、州務長官は州知事が欠けた場合、副知事に次いで昇格順第2位の地位にある。

州務長官の権限は通常それほど大きくはないが、選挙証明の大半に責任を負うため、選挙の際にはしばしば極めて重要な職責を担うことがある。典型的な例として、大接戦となった2000年の大統領選挙ではフロリダ州務長官キャサリン・ハリスが同州での選挙結果を決定する際に重要な役割を果たし、これが大統領選の最終的な帰趨を決した。

アメリカ合衆国でも、アラスカ州ハワイ州ユタ州の3州は、州務長官を置いていない。また、自州のことを公式には State とは呼ばずに Commonwealth と呼んでいるマサチューセッツペンシルベニアヴァージニアの3州では、州務長官の職名も "Secretary of the Commonwealth" となる。

日本では "Secretary of State" を "United States Secretary of State"(合衆国国務長官)と混同して「国務長官」と誤訳する例が多い。アメリカ英語では、単に "Secretary of State" と言うと通常は合衆国国務長官のことを指し、州務長官の方は "State Secretary of State" または "Secretary of State of Florida" などと言ってはっきりと区別する。しかし、文脈から州務長官であることが明白であったり、この語が何度も用いられる場合には "Secretary of State" と略されることがあり、この場合には特に国務長官と混同しがちである。