失声症

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失声症
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
神経学
ICD-10 R49.1
ICD-9-CM 784.41
MeSH D001044
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失声症(しっせいしょう、Aphonia)とは、精神現象が身体症状と現れる変換症の症状[1]のひとつ。主としてストレス心的外傷などによる心因性の原因から、声を発することができなくなった状態。現在では、発声器官に問題が無いことを示す「心因性発声障害」と呼ばれる事がある[2]。また、かつて一部の病態は「ヒステリー失声症」と呼ばれた[3]。喉頭、呼吸器、発音器官、中枢神経に器質的な異常が有る状態は含まれない[1][2]

一見同じような「発声器官に問題はないのに、ある時を境に喋ることができなくなった」状態でも、言語野への物理的な障害により語彙記憶や言語の意味理解などに困難をきたした「失語症」とは異なる。臨床心理方面では、場面失語という用語をも使う(親しい人とは話すのに、ふつうの人とは話せないなど)。ラテン語の日本語訳が、学派によっては定着していない可能性がある[要出典]

検査[編集]

喉頭、呼吸器、発音器官の形質的異常および器質的異常の有無を内視鏡などで確認する[2]

治療[編集]

  • カウンセリング、原因となった心理的要因の解消(箱庭療法も含む)
  • 発声訓練(口を閉じてハミングができるようサポートし、そこから口を開けて「mmmaaa(マー)もしくはmmmeee(メー)」という音を出せるよう支援し、その後段階的に母音、子音、単語、自由会話の練習を行い、本人をサポートした事例が報告されている[4]。また、ハミングができなかった場合に、咳払いの練習を行い、そこから "a" の音が出せるよう本人を支援した事例も報告されている[4]。これらの練習に際して、少しでも音を出すことができた場合には、自らの意志で音を出すことができたと称賛し、動機づけを高めて本人をサポートする[4]。)
  • 心理療法[4](「心的外傷(トラウマ)#治療」・「心的外傷後ストレス障害#治療」・「ストレス管理」を参照。抑うつや不安などの症状がある場合は、「うつ病#治療」・「全般性不安障害#治療」も参照[4]

脚注[編集]

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  1. ^ a b 変換症 MSDマニュアル プロフェッショナル版
  2. ^ a b c 佐藤公則、「病態からみた音声障害の診断と治療 -声帯所見に乏しい音声障害をどう取り扱うか-」『喉頭』 2014年 26巻 2号 p.104-112, doi:10.5426/larynx.26.104, 日本喉頭科学会
  3. ^ 山崎武次郎, 石川増男, 上村達郎、「ヒステリー失声症の本態について」 『耳鼻と臨床』 1959-1960年 6巻 1号 p.52-57, doi:10.11334/jibi1954.6.1_52, 耳鼻と臨床会
  4. ^ a b c d e 矢野純, 牛嶋達次郎、「心因性失声症の治療について」『日本耳鼻咽喉科学会会報』 1987年 90巻 6号 p.852-859, doi:10.3950/jibiinkoka.90.852, 日本耳鼻咽喉科学会

関連項目[編集]