ヒステリー

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ヒステリードイツ語: Hysterie, 英語: hysteria, ギリシア語: ὑστερία)とは精神医学において、転換症状と解離症状を主とする精神障害群を指す。現在は、解離性障害身体表現性障害身体化障害とされる。

治療の歴史[編集]

ヒステリーの原因は19世紀初頭まで女性の骨盤内鬱血によるものだと医師たちの間で定説であった。ヒステリーは女性に特有の障害と考えられたため、古典ギリシア語で「子宮」を意味するギリシア語: ὑστέραから名づけられた。

1563年、オランダの医師ピーテル・ファン・フォーレスト(1512-97)は、昔から伝わるヒステリーなどを含めた「女性の病治療」に賛同し「産婆の手技による性器への直接の刺激」が効果的だと医学的所見を纏め「貞淑な未亡人や修道女に有効な効果がみられる」と記しており「売春婦や既婚女性はこの施術を行うより配偶者(異性)との性行為が効果的である」との見解を述べている。

フランスの医師アンリ・スクテトンは、若干の圧がかかった水流で女性器を刺激する「水力打診器」の有効性を認めており、「この器具を用いた診療で患者は最初、若干の痛みに驚くものの、それらがもたらす振動と肉体的反応によって次第に落ち着きを取り戻し、暫くすると皮膚が火照り、それら複合的要因によって患者に快感がもたらされる。時間にして4~5分、患者は足取り軽く気分良く帰宅の途に着く」と1843年の文書に記している[1]

19世紀後半にシャルコーの催眠術による治療を経て、フロイトにより精神分析的研究が行われ無意識への抑圧などの考察がなされた。森田正馬は宗教の過信によって起こる祈祷性精神病は女性に多く見られるとした[2]

現在は、ヒステリーに分類されていた精神障害については、解離性障害身体表現性障害とされる。1994年に発表された、アメリカ精神医学会の『精神障害の診断と統計マニュアル』の第四版(DSM-IV)では、身体表現性障害の大分類の項にて、身体化障害の説明として、歴史的にヒステリー、また、ブリケ症候群と呼ばれたと記している[3]。世界保健機関の『ICD10』では、解離性[転換性]障害に含まれる。

脚注[編集]

  1. ^ When The Earth Was Flat"All the bit of science we got wrong" graeme donald「図説」偽科学・珍学説読本 (原書房)2013年3月
  2. ^ 1915年『神経学雑誌』、『迷信と妄想』白揚社 1983年
  3. ^ 『DSM-IV-TR』 §身体表現性障害

関連項目[編集]