佐藤勲 (アマチュア天文家)

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小惑星発見数: 6
(19310) 大沢[共 1] 1996年11月4日
(26887) 東京ジャイアンツ[共 2] 1994年10月14日
(46632) RISE[共 2] 1994年10月14日
(73827) 中野星の会[共 3] 1996年1月12日
(100267) JAXA[共 4] 1994年10月14日
(100483) NAOJ[共 5] 1996年10月30日
  1. ^ 共同発見者: 福島英雄
  2. ^ a b 共同発見者: 荒木博志
  3. ^ 共同発見者: 安部正真
  4. ^ 共同発見者: 荒木博志安部正真
  5. ^ 共同発見者: 荒木博志、山本直孝

佐藤 勲(さとう いさお、1963年 - )は、日本アマチュア天文家国際天文学連合[1]、中野星の会所属。

経歴・人物

東京大学大学院在学中、同大の木曽観測所のシュミット望遠鏡で観測を行い、(26887) 東京ジャイアンツなど6個の小惑星の共同発見者となっている。以降もアマチュアとして小惑星による掩蔽の分野などで成果を上げている。

掩蔽観測分野

学生時代の1991年1月13日、小惑星(381) ミルラによるふたご座γ星掩蔽を観測した。これは当時、小惑星に掩蔽される恒星としては観測史上最も明るいものであった。また、初めて写真やビデオなどで記録された例でもある。それら国内の観測結果を広瀬敏夫相馬充らととりまとめ発表している[2][3]。その後1997年に日本からの小惑星による掩蔽観測というテーマで("Asteroidal Occultation Observations from Japan")博士号を取得しており[4]、当時から天体名の日本語表記(後述)についても言及している。

また、国内外で起こる小惑星による掩蔽現象について国際掩蔽観測者協会 (IOTA) など国際機関の研究者とは独立して独自で計算し公開・配布しており[5]、その中にはJAXAの探査計画DESTINY+の対象天体であるため観測キャンペーンが組まれていた(3200)ファエトンによる現象の第一予報など重要な現象も含まれる[6]

その他の分野

大学院修了後、アマチュアながらも天体力学の研究を独学で行っている[7]1998年には6月うしかい座流星群の突発出現をとらえ[8]2015年には日本天文学会から助成を受けこの流星群についての研究を行っている[9]

また、「宇宙用語研究会(JANNET)[10]」を立ち上げ天体名(特に彗星小惑星固有名の日本語読み)について[11]外国人への聞き取り調査も行いながら読み方を検証し、結果はインターネット上で発信するほか、学会発表なども行っている[12][13][14]

その他

小惑星(6338) Isaosatoは、彼にちなんで命名された[15][16]

出典

  1. ^ Individual Members”. IAU. 2021年7月8日閲覧。
  2. ^ Sato 1993, pp. 1553–1561.
  3. ^ Satō 1998, pp. 3038–3039.
  4. ^ 佐藤勲『Asteroidal occultation observations from Japan』総合研究大学院大学〈博士(学術) 甲第261号〉、1997年。doi:10.11501/3142616NAID 500000163492国立国会図書館書誌ID:000000327806https://ir.soken.ac.jp/records/3632024年1月31日閲覧 
  5. ^ 2月17日未明の小惑星クレウサによる恒星食の改良予報と、19日の恒星食の予報”. AstroArts (2002年2月8日). 2021年6月15日閲覧。
  6. ^ 早水勉小惑星(3200)Phaethonを追え - アマチュア天文家の貢献」『天文月報』第113巻第10号、2020年、637頁、ISSN 0374-2466 
  7. ^ 2体問題の解析的解法を264年ぶりに発見して,レファレンスのない論文を書いた!」『天文月報』第92巻第10号、1999年、510-513頁、ISSN 0374-2466 
  8. ^ IAUC 6954: C/1998 M4; 1998cp; METEORS”. IAU. 2021年7月8日閲覧。
  9. ^ 国内研修支援金受給者一覧”. 日本天文学会. 2021年7月8日閲覧。
  10. ^ “英語読み”でなく正しい天体名を使おう”. 廣井孝弘. 2021年7月8日閲覧。
  11. ^ 彗星の名前をどう呼ぶか
  12. ^ 日本地球惑星科学連合2015年大会/天文宇宙用語の誤表記問題 2021年6月15日閲覧
  13. ^ 第28回天文教育研究会 2021年6月15日閲覧
  14. ^ 天文教育・その他”. 日本天文学会. 2021年7月8日閲覧。
  15. ^ (6338) Isaosato = 1987 XZ = 1992 UO4”. 2021年6月15日閲覧。
  16. ^ Schmadel, Lutz D. (2012-06-10). Dictionary of Minor Planet Names. Springer Science & Business Media. p. 503. ISBN 978-3-642-29718-2. https://books.google.com/books?id=aeAg1X7afOoC 

参考文献

外部リンク