交響曲第1番 (カバレフスキー)

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交響曲第1番 嬰ハ短調 Op.19は、ドミトリー・カバレフスキーが作曲した最初の交響曲

概要[編集]

管弦楽作曲家としてのデビューとなったピアノ協奏曲第1番の初演から間もなく、ロシア革命の十五周年を記念する作品として1932年に作曲され、モスクワにおいて同年の11月9日に初演される。出版は1934年

当初はヴィクトル・グセフロシア語版の詩をもとに[1]帝政ロシアからソビエト体制への移行を表現する歴史的カンタータとして構想されたが、最終的には管弦楽のみによる2楽章の交響曲として完成された[2]。全体的にはロシア音楽の伝統に連なる表現が目立ち、師であるニコライ・ミャスコフスキーの影響が明瞭である[3]

楽器編成[編集]

フルート3(ピッコロ1持替)、オーボエ2、コーラングレクラリネット2、バスクラリネットファゴット2、コントラファゴットホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバ打楽器弦五部

楽曲[編集]

緩-急の2楽章構成で、演奏時間は20分程度。第1楽章は荘重に始まるソナタ形式、第2楽章は自由なロンドとして書かれている。レフ・ダニレヴィチ(Лев данилевич)は、「この作品のドラマティックな構成は暗闇から光へ、圧制のイメージから自由のイメージへと向かう」と形容し、終結部には当時の大衆歌が組み込まれているという[3]

  1. Andante molto sostenuto
  2. Allegro molto agitato

出典[編集]

  1. ^ Abraham, Gerald (1943). Eight Soviet Composers. Oxford University Press. p. 71 
  2. ^ Slonimsky, Nicolas (1971). Music Since 1900 (4th ed.). Scribner's Sons. pp. 555-556 
  3. ^ a b Schlüren, Christoph (2008). Kabalevsky: Complete Symphonies (CD). CPO. 999 833-2。

外部リンク[編集]