リャナンシー
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リャナンシー (Leannán-Sídhe, Leanan-Sidhe) は、アイルランドに伝わる若く美しい女性の姿をした妖精。リャナン・シー[1]、リァノーン・シー[2]、ラナウン・シー[3]、ラナン・シー[4]とも表記される。その名は「妖精の恋人」「妖精の愛人」という意味を持つ[5]。
概要[編集]
アイルランドの緑の丘の近くなどに現れ、いつも人間の男性に愛を求めてくる。リャナンシーの愛を受け入れた男性には、詩の才能と美しい歌声を与えてくれるが、その代償として毎日少しずつリャナンシーに精気(一説には血)を吸われていく事になる[要出典]。つまり、この妖精にとり憑かれた者は、詩や歌声の才能と引き換えに早死にする[5]。
逆に男がその魅力に応じない場合はなんとか振り向かせようとリャナンシーは奴隷のように従うが、男が愛を受け入れるとやはりその男に取り憑く。それはリャナンシーが別の男を見つけるまで続く[6]。
ケルトの多くの芸術家、特に詩人が短命に終わるのは、彼らが彼女に恋をして命を削りながら最高の作品を作り出したからだ、と言われている[5]。
また、彼女の見た目はたまらないほど美しく見えるが、彼女が気に入った男性以外の人間には見えない。
マン島のラナンシー[編集]
同様の妖精として、マン島のラナンシー (Lhiannan-Shee) がいる。こちらはリャナンシーより悪質で、特定の男性につきまとい、身も心も破滅させるというヴァンパイア(吸血鬼)である[7]。この妖精も、つきまとわれた男性にしかその姿を見ることができない[8]。
リャナンシー (リャナン・シー)が登場した作品[編集]
民話[編集]
小説・ライトノベル[編集]
ゲーム[編集]
- ソード・ワールド2.0
- アリアンロッドRPG 2E
- 女神転生シリーズ
- メギド72
- 東京放課後サモナーズ
漫画・アニメ[編集]
脚注[編集]
- ^ W・B・イエイツ編、井村君江編訳『ケルト妖精物語』ちくま文庫、1986年、p.324
- ^ 井村君江『妖精学入門』講談社現代新書、1998年、p.75
- ^ 『フェアリー』119頁(サンリオ、1980年)
- ^ ブライアン・フラウド&アラン・リー『フェアリー』グラフィック社、2014年、p.137
- ^ a b c 『妖精学大全』109頁(「リャナンシー(アイルランド)」の項)。
- ^ W・B・イエイツ編、井村君江編訳『ケルト妖精物語』ちくま文庫、1986年、pp.324-325
- ^ 『フェアリー』119頁(サンリオ、1980年)。なお、この本での表記はラナウン・シーとなっている。
- ^ 『妖精学大全』109頁(「リャナンシー(マン島)」の項)。
参考文献[編集]
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- 井村君江 『妖精学大全』東京書籍、2008年。ISBN 978-4-487-79193-4。
- リー, アラン 『フェアリー』、山室静訳サンリオ、1980年。ISBN 978-4-387-80079-8。 ブライアン・フロウド&アラン・リー著『フェアリー』
- Mackillop, James (1998), Dictionary of Celtic Mytholgy, Oxford: Oxford University Press, ISBN 0192801201, "fairy lover"の項。