ラファ検問所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラファ検問所
معبر رفح
ラファ検問所
交差 エジプトとガザの国境
所在地 パレスチナの旗 ラファフ
維持管理 エジプトの旗 エジプト国境警備隊英語版
検問所の位置
テンプレートを表示

ラファ検問所(ラファけんもんじょ、アラビア語: معبر رفح‎, Maʿbar Rafaḥ, マアバル・ラファフ)は、エジプトパレスチナ自治区飛び地であるガザ地区ラファフの境にある検問所。ガザ地区で唯一、イスラエルの実効支配地に面していない国境検問所である。原語のアラビア語での発音はラファフでありラファと発音されることはないが、日本のメディアでは「ラファ検問所」と表記されることが多い。ラファは語末のḥを黙字扱いした英語風の発音である。

概要[編集]

ラファ検問所の場所は、1979年エジプト・イスラエル平和条約で確定した国境線上にある。

パレスチナとエジプトは同じアラブ人同士の国家ではあるが、国境のシナイ半島自体がイスラム系過激派の活動も盛んな地域であり[1]2012年6月5日には覆面をした武装集団が検問所を襲撃し、エジプト軍兵士15人が死亡する事件も発生した[2]経緯もあることから、検問所の運用は厳格に行われている。2023年の戦争(後述)直前にはガザ地区の住民の移動は1日あたり400人、エジプトからガザ地区に向かう商品などの物資は検問所の通過を認めず、一度エジプトからイスラエルを経由して他の検問所を利用することとされていた。

様相が一転したのは、2023年10月7日に発生した、パレスチナ・イスラエル戦争以降である。検問所がイスラエルの爆撃により破壊されたことで事実上封鎖状態となり[3]、大量の難民流入を恐れたエジプト政府が、ガザ地区の住民は自分たちの土地にとどまるべきとして再開に難色を示した[4]ため、アメリカとイスラエルはエジプトに対してパスポートを持つアメリカ国民とガザ地区の住民が検問所を通過できるように働きかけた[5]。エジプト政府は空爆で破壊された検問所を修復するなど再開に向けた準備を進める一方、ジョー・バイデン米大統領が10月18日にイスラエルを訪問し、ベンヤミン・ネタニヤフ首相とガザ地区への人道支援を再開させることで一致したことを受け、10月21日より検問所が再開され、人道支援物資を積んだトラックが戦争開始以来はじめてエジプト側からガザ地区に入った[6][7]。11月1日からはパスポートを持つ外国人やパレスチナ人の通過が認められるようになった。通過した外国人の中には複数の日本人も含まれていた[8]

脚注[編集]