ヤーガン族

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ヤーガン族のモリの穂先

ヤーガン族(ヤーガンぞく、英:Yaghan または Yagán、Yahgan、Yámana、Yamana)は、かつてフエゴ島の南の島々からホーン岬に存在を広げていた先住民である。

概要[編集]

彼らはかつてはフエゴ人英語版として知られていた、しかし、それがティエラ・デル・フエゴの先住民のどれにもあてはまるので、この語は近年は避けられる。彼らは、孤立言語と考えられるヤーガン語英語版を話す。ヤーガン族は、食物を集めるために島の間をカヌーで渡る遊漁民だった。男性はアシカを狩り、女性が甲殻類を集めるためにに潜った。

ヤーガン族は、フェルディナンド・マゼランチャールズ・ダーウィンフランシス・ドレークジェームズ・クックジェームズ・ウェッデル英語版ら、出会った人々に強い印象を残した。『世界一周単独航海』でジョシュア・スローカム英語版は、彼がある特定の地域で停泊した場合、ヤーガン族に襲われ、あるいは殺されるかもしれないと警告されたので、鋲を彼の舟スプレー号英語版のデッキにまいた。

ヨーロッパから持ち込まれた疫病に対し免疫力のなかったヤーガン族はヨーロッパ人との接触以降、その多くが病死し、入植者との武力衝突も加わり、急速に激減してしまった。生き残った僅かなヤーガン族も他の民族との混血が進んだため、純粋なヤーガン族はほとんどいなくなり、その文化の多くが失われてしまった。2009年時点ではナバリノ島にヤーガン族の最後の一人である女性が住んでおり、ヤーガン語の最後の語り手であるともいう[1]。ヤーガン族は南アメリカ大陸の南端まで移動したモンゴロイドの族の一つであり、最後の女性のクリスティーナ・カルデロン英語版が最後のヤーガン族の純粋血統を持つ者とされる[2]

脚注[編集]

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  1. ^ 池澤夏樹「言葉の生活感 生きることの困難と喜び」、『朝日新聞』2009年6月6日、東京版夕刊、7面
  2. ^ テレビ東京、番組:世界秘境全集傑作選 「南米パタゴニア」2010年5月4日放送、および世界秘境全集傑作選 DVD 世界秘境全集 第2集「南米パタゴニア」