メガ・ファーマ

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メガ・ファーマ (Mega Pharma) とは、メガ・ファーマシーの略。日本語では巨大製薬企業と訳され、主に海外の巨大な製薬企業を指す言葉であったが、日本でも厚生労働省2007年に発表した「新医薬品産業ビジョン」によって明文化した。

業界の展望について国がなんらかの形で提言を行うことは従来よりあったが、業界の将来性について国が細かく提言を行う事は非常に稀であり、製薬業界の展望について合併・統合を含めた競争力強化を求めていることが特徴的である。

提言は具体的に将来に渡って生き残る製薬企業のパターンを5つに分けている。その5つとは、

  • メガファーマ
  • スペシャリティファーマ
  • ベーシックドラッグファーマ
  • ジェネリックファーマ
  • OTCファーマ

である。この5形態以外の製薬企業は生き残る事が難しいとして、新産業医薬品ビジョンでは提言されている。

以下、それぞれについて記述する。

メガファーマ概要[編集]

圧倒的な売上高を誇り、潤沢な研究開発費用を駆使して新薬創出を担い、その国を代表するような製薬メーカーを指して呼ばれる。

新医薬品産業ビジョンにおいては、「世界的に通用する医薬品を数多く有するとともに、世界市場で一定の地位を獲得する総合的な新薬開発企業。このうち、今後の世界の医薬品市場をリードするブロックバスター中心ではない新しいタイプのグローバルメガファーマの一角を少なくとも1~2社は目指す事が期待される。」と策定されている。

上記内容をさらに具体的に定義した概念はまだ存在していないが、一般的に年間売上高が1兆円を超え、世界的な売上げ規模がトップ10に入るような新薬メーカーを指して呼ばれることが多い。

この定義で言えば、アメリカではファイザーメルク、イギリスのグラクソ・スミスクライン、フランスではサノフィ・アベンティス、スイスのノバルティスロシュなどが挙げられ、共にその国を代表する製薬メーカーであり、日本市場でも積極的に売上げを伸ばしている新薬メーカーである。 しかしながら、日本国内では売上げ1兆円を超える企業が存在せず、売上げ規模でもトップ10に入る企業も存在していない(2006年現在)。

日本の製薬市場は世界第2位の規模を誇りながら、世界に代表する製薬メーカーが存在しないという現状になっており、合併やM&Aによって巨大な企業に成長してきた海外メーカーと比べて、国内製薬メーカーの規模は相対的に低く、今後の世界的な市場動向によっては、日本の製薬企業が買収の危機に瀕するという可能性もある。

現在のところ、メガ・ファーマとして期待されている日本の製薬メーカーは武田薬品工業アステラス製薬第一三共の3社に絞られつつある。3メーカーは共に売上高が1兆円前後の企業であるため、未だメガ・ファーマと呼ぶには規模が小さいといわれている。そのため、この3社も含めた今後のさらなる経営統合等を視野に入れた日本初のメガ・ファーマの誕生に期待が寄せられている。[独自研究?]

スペシャリティファーマ概要[編集]

新医薬品産業ビジョンにおいては、「得意分野において国際的にも一定の評価を得る研究開発力を有する新薬開発企業。 比較的規模の小さい企業でも大きな研究開発の成果を活かして成長していくケース(グローバルニッチファーマ)や得意分野に研究開発を絞り込んで国際競争力の強化を図るケース(グローバルカテゴリーファーマ)を目指すことが求められる。」と策定されている。

特定の分野における製品のシェアが圧倒的に高い世界的な薬を創出する新薬メーカーとされる。一般的に中堅と呼ばれる優良企業が多く、この分野については、今後も多くのメーカーが目指すべき分野と考えられている。

また、この分野は従来から外資系メーカーも多く、もともと持っている新薬の中から、より得意な分野、あるいはニッチな分野で新薬を投入して日本市場での足がかりを築き、売上げを伸ばす戦略を展開している。

例えば、糖尿病分野におけるノボノルディスクなどが上げられる。内資系メーカーでも従来から分野を特化した戦略を展開しているメーカーも多く、眼科領域に特化している参天製薬や、皮膚科分野におけるマルホなどが挙げられる。 戦略的に特化できるため製品の差別化が図りやすく、競合相手も少ないというメリットがあり、規模の大小は別として内資系メーカーにおいてもスペシャリティファーマを目指す動きが盛んになりつつある。

ベーシックドラッグファーマ概要[編集]

新医薬品産業ビジョンにおいては、「医療を支える基礎的な医薬品、必須医薬品又は伝統的な医薬品を効率的かつ安定 的に供給する企業。医療を支える基礎的な医薬品、必須医薬品又は伝統的な医薬品(例えば、ワクチン、輸液、血液製剤、局方品、漢方製剤・生薬など)について、今後も質の良い製品を安定的に供給していけるような企業体質の強化が求められる。」と策定されている。

この分野は、なくてはならない分野の医薬品でありながら、年間売り上げが100億円に満たないメーカーも数多く存在している。 代表的なメーカーとしては、漢方薬ではツムラ、局方品では丸石製薬などが挙げられる。


ジェネリックファーマ概要[編集]

新医薬品産業ビジョンにおいては、「良質で安価な後発医薬品を安定的に、情報提供を充実させて販売する企業。後発医薬品の市場シェアの拡大が政策課題とされている中で、良質で安価な後発医薬品に対するニーズは一層高まると考えられ、安定供給や品質に対する信頼性の向上に寄与する優良な大手後発医薬品企業の成長が求められる。」と策定されている。

代表的なメーカーは、沢井製薬ニプロファーマ日医工東和薬品などが挙げられる。

OTCファーマ概要[編集]

新医薬品産業ビジョンでは、「セルフメディケーションに対応し、一般用医薬品を中心に開発する企業。国民の健康維持・増進や疾病の予防などのQOL向上のためのニーズが高まっていることを考慮して、「スイッチOTC 医薬品」を含むOTC医薬品の活用により、健康等国民の求める新たなニーズにも対応できる一般用医薬品企業の成長が求められる。」と策定されている。

代表的なメーカーは、大正製薬佐藤製薬などが挙げられる。


関連項目[編集]