ミロラド・パヴィチ

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ミロラド・パヴィチ

ミロラド・パヴィチ(ラテン文字:Milorad Pavić、キリル文字:Милорад Павић1929年10月15日 - 2009年11月30日)は、ユーゴスラビアベオグラード(現セルビア領)出身のセルビア小説家。類のない仕掛けに富んだ幻想的な小説を発表した。また、詩人、散文作家、翻訳者、文学史研究家でもある。彼のおじ、ニコラ・パヴィチはkajkavian方言(クロアチア系)の作家。2009年11月30日心臓麻痺により死去[1]。81歳没。

概要[編集]

現在[いつ?]までに5冊の小説を書いており、英語をはじめ多数の言語に翻訳されている。しかし、多数の短編は翻訳されていない。また、戯曲を一つ書いている。

パヴィチの小説は、通常の小説のように初めから終わりまで通して読むようには書かれておらず、一冊一冊に様々な仕掛けが施されている。また、読者は著者パヴィチが勧めない読み方をすることもできる(なお、必ずしもパヴィチが読み方を勧めているとは限らない)。この仕組みのために、比類のない精緻な小説・作文技術が多用されている。

これらの作品群は、合わせて80種類以上の翻訳版が各言語で出版されている。日本語では小説3作品が出版されている。

小説[編集]

  • ハザール事典―夢の狩人たちの物語 Dictionary Of The Khazars』 日本語版が東京創元社から刊行されている。ハザール人についての事典の形をとっており、読者は最初から最後まで通して読むこともできるし、また、まるで事典を引くように、見出しから項目を引いて読むこともできる。巻末には索引まで付いている徹底ぶりである。男性版と女性版がある。男性版:ISBN 4488013597 女性版:ISBN 4488013600
  • Landscape Painted With Tea」 小説とクロスワードパズルを混ぜ合わせたもの。日本語版未出版。
  • 風の裏側―ヘーローとレアンドロスの物語 Inner Side Of The Wind - which tells the story of Hero and Leander』 日本語版が東京創元社から刊行されている。17世紀の石工レアンドロスの物語と、現代の女子大生ヘーローの物語が、それぞれ本の両側から始まり、読者はどちらからでも読むことができる。本の真ん中には、何も書かれていない青いページがあるが、その意味は同名の人物が登場する古代ギリシャの悲恋物語を知っていれば理解でき、さらに趣が深まる。ISBN 4488016065
  • 帝都最後の恋 Last Love In Constantinople』 日本語版が松籟社から刊行されている。章番号の前にタロットカードの図柄が出ている。読者はタロットカード一組を用意して、それを併用して読むように勧められている。男性版と女性版がある。
  • Unique Item」 100通りの違った結末が用意されており、読者はそれを選ぶことができる。日本語版未出版。

上記の通り、『ハザール事典』と「Last Love In Constantinople」には「男性版」と「女性版」がある。これらはほんの一部しか違わないが、その違いは決定的かつ重要である。

脚注[編集]

  1. ^ Radio Srbija (2009年11月30日). “Writer Milorad Pavic dies”. 2009年11月30日閲覧。


外部リンク[編集]