ミッタク=レフラーの定理

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一変数の複素解析において、ミッタク=レフラーの定理: Mittag-Leffler's theorem)とは、前もって与えられたを持つ有理型函数が存在するという定理である。一方、ヴァイエルシュトラスの因数分解定理は、前もって与えられた零点を持つ正則函数が存在するという定理であり、本定理とペアとなっている。この定理は、ヨースタ・ミッタク=レフラーに因んでいる。

定理[編集]

\mathbb C 上の開集合 \Omega と、閉じた離散的部分集合 E\subset\Omega を考える。各々の a \in E に対し、p_a(z)1/(z-a) の多項式とすると、D 上の有理型函数 f が存在して、各々の a \in E に対し、函数 f(z)-p_a(z)a で正則となる。特に、a での f の主要部は、 p_a(z) である。

証明の概略は、次にようになる。 E が有限であると、 f(z) = \sum_{a \in E} p_a(z) として充分である。E が有限でない場合は、 F E の有限部分として、有限和  S_F(z) = \sum_{a \in F} p_a(z) を考える。一方、S_F(z) は F が E に近づくいた場合も収束しないかも知れないので、D 以外の領域の極についての有理函数をうまく選び、S_F(z) の主要部を変えずに引き算する(このような有理函数がうまく選べることについては、ルンゲの定理[1]により与えられる)。この方法での収束は保証されている。

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すべての正の整数で、留数 1 の単純極を持つ有理函数が求めるとすると、上記の記法を使い、p_k = 1/(z-k),\ E = \mathbb{Z}^+ と置くと、ミッタク=レフラーの定理は、各々の正の整数  k に対し、z=k での主要部は、 p_k(z) であるような有理型函数 f が存在することを言っている。この f は求められる性質を持っている。さらに具体的には、

f(z) = z\sum_{k=1}^\infty \frac{1}{k(z-k)}

と置くことができ、この級数は  \mathbb{C} 上で求める性質を持つ有理型函数へ正規に収束英語版(converges normally)する(M-テスト英語版(M-test)を使い示すことができる)。

もうひとつの例は、

\frac \pi{\sin \pi z}=\frac{1}{z} + \sum_{k\in\mathbb{Z}, \, k \ne 0}(-1)^k\left(\frac{1}
{z-k}+\frac{1}{k}\right)

である。

脚注[編集]

  1. ^ リーマン球( P1∪{∞} )の場合のルンゲの定理は、正則函数は多項式函数もしくは有理函数により近似できるという定理である。一変数の場合はこの定理が成立するが、多変数の場合は一般には成立しない。なお、本定理の多変数での問題がクザン問題となっているということができる。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]