ミクストメディア

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ヴィットーリオ・ミエーレ(Vittorio Miele)、 ミクストメディア

「もともとは、通常の絵画・彫刻の技法素材ではなく、今世紀初頭のダダやパピエ・コレに端を発する、“見出された素材(ファウンド・オブジェ)”によって構成された作品、もしくはその素材表記に用いられた用語。1970年中頃から美術ジャーナリズムによって使われ始めた。M・デュシャンが生み出したファウンド・オブジェという概念自体は、当初、ほとんど手を加えない既成の日用品(レディ・メイド)か、あるいはそうした日用品のいくつかを組み合わせたものを、あえて作品として提示することで、美術品の価値転換を目論んだものだった。しかし今日では、そうした意味は曖昧になり、絵画や彫刻を構成する素材の一部としてファウンド・オブジェを画面に付着させることや、さらに拡大解釈して、単に異種素材や技法の混合という意味で用いられることが多い。版画技法におけるミクスト・メディアは複数の技法の併用のことを指す。」[1]


ミクストメディア[編集]

ミクストメディアmixed-mediaは混合技法と間違われやすいが、両者はまったく異なる概念である。混合技法はマックス・デルナーが「絵画技術体系」で提唱したテンペラ油彩を交互に使用する技法であり、英語表記はmixed-techniqueである。2[2]

ミクストメディアとして使われる媒体は油絵具水性絵具といった特定の種類を指すこともあれば、版画での技法として用いられることもあり、絵画彫刻写真映画ビデオ音楽などでそう呼ばれることもある。インスタレーションアート、特に、複数の「作品」をまとめて1つとするような場合や、展示場所と一体化された会場の空間自体を作品とする場合などは、ミクストメディアがよく用いられる。なお、マルチメディアはミクストメディアとは異なる概念であり、芸術の表現技法の範疇において使われることはない。現代美術においては絵画表現に限らず、上記のような複合技法を用いた立体作品などもミクストメディアと表記されることがある。


 脚注[編集]

  1. ^ 1ミクスト・メディア:現代美術用語辞典1.0 執筆者:木戸英行
  2. ^ 「絵画技術体系」マックス・デルナー著ハンス・ゲルト・ミュラー改訂 佐藤一郎訳 美術出版社1980