マグダラのマリアと聖カタリナ (ヴィッツ)

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『マグダラのマリアと聖カタリナ』
フランス語: Sainte Madeleine et sainte Catherine
英語: Saint Madeleine and Saint Catherine
作者コンラート・ヴィッツ
製作年1440年ごろ
種類板上に油彩
主題アレクサンドリアの聖カタリナマグダラのマリア
寸法161 cm × 130 cm (63 in × 51 in)[1]
所蔵ストラスブール大聖堂美術館英語版ストラスブール

マグダラのマリアと聖カタリナ』(マグダラのマリアとせいカタリナ、: Sainte Madeleine et sainte Catherine: Saint Madeleine and Saint Catherine)、または『聖カタリナとマグダラのマリア』(せいカタリナとマグダラのマリア、: Sainte Catherine et sainte Madeleine: Saint Catherine and Saint Madeleine[2] は、ドイツゴシック期の画家コンラート・ヴィッツが1440年ごろ、板上に油彩で制作した絵画である。作品は、1893年に律修司祭のアレクサンドル・ジョゼフ・ストローブ (Alexandre Joseph Straub) によりストラスブール大聖堂美術館英語版に遺贈された。美術館での目録番号はMBA 97 (「MBA」は「Musée des Beaux-Arts」を示す) [3]となっている。

絵画は、2人の聖女をそれぞれのアトリビュート (特定化するもの) 、すなわち、マグダラのマリアを香油の壺とともに、聖カタリナを車輪と本 (ここではガードルブック) とともに表している。豪華な衣装と宝石、絢爛たる金色の光輪にもかかわらず、ヴィッツは彼女たちを写実的な若い農家の女性の顔で、神秘劇を思わせる硬い態度で描いている[2]。2人ともバーゼル大聖堂に付属していたと想定される回廊の内部に座っている。ヴィッツは、やはり目を引く写実性で描かれた通りの情景へと続く、試行的な遠近法を用いている[3]

この絵画は未完成の祭壇画 (おそらく三連祭壇画) の一部であったのかもしれないが、最初から単独の作品であった可能性もある[3]。織物は同時代の初期フランドル派絵画の影響を示しているが、空間の遠近法はヴィッツ自身の革新的実験であるように思われる[2][4]

脚注[編集]

  1. ^ Broucke, Camille (December 2013). Musée de l'Oeuvre Notre-Dame. Arts du Moyen-Âge et de la Renaissance. Strasbourg: Éditions des Musées de Strasbourg. p. 164. ISBN 9782351251058 
  2. ^ a b c Müller, Hans-Joachim (2011年3月6日). “Wunder des Faltenwurfs”. Die Welt. https://www.welt.de/print/wams/kultur/article12710308/Wunder-des-Faltenwurfs.html 2020年7月25日閲覧。 
  3. ^ a b c Dupeux, Cécile (December 1999). Strasbourg - Musée de l'Oeuvre Notre-Dame. Paris: Éditions Scala. pp. 54–55. ISBN 2-86656-223-2 
  4. ^ Thomas (2011年3月24日). “Der Pionier der 3-D-Kunst”. Frankfurter Rundschau. 2020年7月25日閲覧。

外部リンク[編集]