ボーチャードピストル

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ボーチャードピストル
Borchardt Semi-Automatic Pistol, Germany, c. 1894 - Glenbow Museum - DSC00838.JPG
ボーチャードC93
概要
種類 自動拳銃
製造国 ドイツの旗 ドイツ帝国
設計・製造 ルドウィックローベ社
性能
口径 7.65mm
銃身長 165mm
ライフリング  
使用弾薬 7.65mmボーチャード弾
装弾数 8発
作動方式 シングルアクション
ショートリコイル(トグルアクション)
全長 352mm
重量 1310g
銃口初速 330m/s
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ボーチャードピストル(Borchardt Pistol、Borchardt C-93)は、1893年ドイツで開発された世界初の実用自動拳銃とされる銃である。

概要[編集]

ドイツ人ヒューゴ・ボーチャードことフーゴー・ボルヒャルト(Hugo Borchardt、1844-1921年)により開発されたこの銃は、ライフルなど大型銃に使用されていたトグルアクションと呼ばれる機構を片手でぎりぎり持てるサイズまで縮めた、オートマチックハンドガンの元祖ともされる銃である。

口径は7.65mm、弾は専用の7.65ボーチャード弾を使用する。

拳銃としては重過ぎて実用的ではなかったため、小型に改良されたものがルガーP08となった。

名称[編集]

本銃はヒューゴ・ボーチャードがアメリカに移住してから製作したのでボーチャードピストルと呼ぶのが一般的だが、一部ドイツ風にボルヒャルトピストルと呼ぶ向きもある。しかしその場合、ドイツ語の発音に倣ってボルヒャルトピストーレと呼ぶのがより妥当と思われる。

特徴[編集]

機構はほぼ同一のため構成と外観はルガーP08によく似ている。大型化したP08といった趣だが(開発経緯からは逆であるが)、バレル(銃身)が長くグリップが銃身に対しほぼ垂直に取り付けられ、大きく伸びた銃尾につけられるストックを邪魔しないようになっている。

本銃の最大の特徴として、トグルジョイントと呼ばれるスライドの折りたたみ機構が採用されており、ショートリコイル式で動作した。

閉鎖時のトグルジョイントは圧縮に対し下方向に折れるようセットされるが、下側にはレシーバーが存在するためこの動きは抑制され、結果としてバレルとボルトをロックすることになる。トグルジョイントは撃発時にバレル及びボルトと一体となって後退するが、レシーバー部の傾斜によってジョイント中央が持ち上げられることにより、今度は圧縮に対し上方向に折れるようになりこれがロックの解除となる。その直後、バレルの後退はレシーバーによって止められるが、ボルトは慣性によりジョイントを上方向に折り曲げながら更に後退を続ける。初弾をロードする際はジョイント部を引くことによってボルトをオープンできる。
斬新な機構ではあったが部品数の増加や高度な工作技術を要する、機構が脆弱となるなどの問題点もあり、ルガーP08より後の拳銃には使われていない。

この銃ではトグルジョイントにテンションを与えるのは板バネであり、銃尾にバネの格納とジョイントの動作スペースを確保するバルジがあるのがもう一つの特徴である。またグリップ内部にマガジン(弾倉)を格納した最初のモデルでもある。トグルジョイントはルガーP08とは違い左側に突き出し部分がある。またトリガー及びトリガーガードも左側に寄って取り付けられている。重心が後ろに偏った構造上銃身の跳ね上がりが非常に大きく、命中率を上げるにはストックが必要だったと推測される。

ボーチャードはボーチャード・ピストルと同時に7.65mmリムレス・ボトルネックカートリッジを開発している。これは後に7.63mmマウザー弾となり、モーゼルC96やトカレフTT-33などで採用され東側の主力軍用拳銃弾となった。

登場作品[編集]

漫画・アニメーション
ビデオゲーム

関連項目[編集]

外部リンク[編集]