プロジェクト:競馬/執筆者向ヒント集/さまざまなノウハウ/馬名表記

PJ:HRヒント集:目次
1 出典をさがす
2 成績表をつくる
3 血統表をつくる
4 父系について
5 さまざまなノウハウ
(1)  毛色問題
(2)  馬名表記
(3)  距離表記
(4)  年齢表記
PJ:HorseRacing 5-2 馬名を書くときの留意点
競馬分野のノウハウ集
  • PJ:HR-horsename
ここでは競走馬の「名前」を表記する際の注意点について解説します。
Point:オグリキャップ?オグリキヤツプ?ダンジグ?ダンチヒ?
同じ馬の名前に複数の表記があります。
(対策→)出典を示しつつ併記で。リダイレクトも活用しましょう。

促音・拗音をどう書くか[編集]

基本的には、促音・拗音の「ッ」「ツ」等の表記は、あまり過度に気にする必要はありません。リンクやリダイレクトを使ってうまく対応してください。

(例)オグリキャップ

オグリキャップは、地方競馬時代は「オグリキヤツプ」と表記されていました。これは地方競馬では促音・拗音などの小さな「ッ」「ャ」の文字が登録上使えなかったからです。しかし地方競馬で走っている頃から、実況アナウンサーも「キャップ」(cap)と発音しており、「きやつぷ」(KIYATSUPU)とは発音していません。ロッキータイガーロツキータイガー)なども同様です。

種牡馬のミルジョージ(Mill George)は、日本での血統登録上は「ミルジヨージ([1])」になっています。トウショウボーイは「トウシヨウボーイ([2])」、ニッポーテイオーは「ニツポーテイオー[3]」、パッシングショットは「パッシングショット([4])」です。時期によっても違いますが、競走馬の馬名登録と繁殖用馬の馬名登録が一元化されていなかったり、中央競馬と地方競馬で規則が違ったりしたためです。したがっていずれの表記にも一定の妥当性があります。書類上は「トウシヨウ」だけどローマ字表記は「TOSHO」になっていたり、公的記録は「ジヨージ」となっていても多くの人や書物は「ジョージ」と読んでいる、ということもよくあります。

イエリユウイエリュウ)、ビユーチフルドリーマービューチフルドリーマー)、ハクリヨウハクリョウ)、ウイルデイールウィルディール)、リユウフオーレルリュウフォーレル)、ダイナナホウシユウダイナナホウシュウ)など、こうした例は枚挙に暇がありません。

ウィキペディアでは、リダイレクト機能やパイプ付きリンク機能([[トウショウボーイ|トウシヨウボーイ]])が用意されています。これらを使ってうまく対応してください。無理に書き換えたり、統一する必要はありません。

とくに古い馬の場合[編集]

明治時代には「てふてふ」と書いて「蝶々」と読んでいましたよね。当時の人達は「てふてふ」を「TEFUTEFU」と発音していたわけではなく、「TYOUTYOU」と発音していたわけです。

たとえば輸入種牡馬のChapel Bramptonは、「チヤペルブラムプトン」と登録されています。当時は、馬名登録に限らず、社会一般として拗音・促音も大文字で表記されていました。この馬のことを現代の文献ではしばしば「チャペルブラムプトン」と書きます。どちらでもいいです。古い文献では「チャペルブランプトン」と書いているようなものもあります。おそらく、「Chapel Brampton」の発音としてはこれが一番近い表記なのでしょう。同じような例としてシアンモア(Shian Mor)がいます。同馬は古い文献では「シャンモア」「シァンモア」などと書かれることもあります。

しかし、「クワンサイ」と書いて「かんさい(関西)」と読んだり、「バイクワ」(梅花)、「ユニフワーム」(ユニフォーム)などになってくると悩ましいですね。

外国馬の馬名をカタカナ表記する[編集]

馬名をはじめ、地名、人名、レース名、企業名など、外国語固有名をカタカナで書こうとするときに、しばしばどう表記するか悩まされます。

  • 迷った場合には、あまり深く考えたり、統一性に過度にこだわる必要はありません。ウィキペディアにはリンクリダイレクトの機能があり、その機能を使えばどうにかなります。

記事中で用いる場合、初出時には原則としては原語を併記してください。そうすることで、外部での検索などの役に立ちます。

  • 例 ソーマンビー (Thormanby)

ただし、次のような場合にはカタカナ表記のみも可とします。(とはいえ、外部での検索性にも配慮すると、原語を併記することが望ましいでしょう。)

  • ウィキペディア日本語版のなかに対応する記事があり、その記事で原語等を確認出来る場合。
  • その馬が日本に輸入(ジャパンカップでの来日なども含む)されたことがあり、日本で正式にカタカナで馬名登録されている場合。
  • 例 シャフツベリーアヴェニュー(Shaftesbury Avenue) (「シャフツベリーアニュー」とはしない)
  • 例 インデェアンキング(Indian King) (「インディアンキング」とはしない)
  • 香港など、漢字圏の馬名については、カタカナ表記するという合意があります。

血統表の中での書き方については を参照してください。

推測や発音記号よりカタカナの証拠の提示を[編集]

日本に輸入されたことがない馬の場合、どのようにカタカナ表記を行うかで議論になる場合もあります。代表例はDanzigダンジグ (競走馬)?orダンチヒ (競走馬))。

ウィキペディアは必ずしも原音主義ではありません。ダンジグ (競走馬)エルバジェ (競走馬)などの例でよく知られているように、ラテン文字で書かれた原語が何語であるか、発音方法がどうであるか、馬主・関係者・現地・メディアでどう発音されているかを、完全に特定することは困難です。多くの場合、外国でさえ複数の発音があり、原語から発音を推測してカタカナに置き換えたものの妥当性を議論するのは、しばしば非生産的です。

Wikipedia:外来語表記法/英語にも例示されている通り、原語をカタカナにする場合には一般に複数のスタイルが用いられており、どれか1つだけを正しいと決めつけるような議論はたいてい不毛です。

あれこれ推測するよりも、実際にカタカナ書きされた出典を示すように心がけましょう。どのような表記であれ、そのカタカナ表記を採用している出典を提示することで、その表記が実際に使われていることの証拠になり、不必要な議論を回避できることになります。特に単独記事とする場合、記事名に採用される表記には、複数の出典を示すことが、こうした議論を予防するのに役に立つでしょう。(一般に、単純なGoogle検索の結果のようなものはあまり重要視されません。)

複数の異なる表記方法が見込まれる場合、議論を回避するため、可能であれば、複数の表記それぞれの出典を示しながら、本文で複数の表記がみられることにも言及をするとよいでしょう。既に出典を示したカタカナがあって、別のカタカナ書きと出典が見つかった場合、両方を併記するスタイルとするほうが、読者にとって親切です。

どうしてもカタカナ表記の出典が見当たらない場合には、原語表記のみとするか、暫定的なカナ表記を行うことは許容されます。この場合、もしもカタカナ書きの出典を見つけられた場合には、修正や追記を行ってください。

「元ネタ」に気をつける[編集]

競走馬の馬名は、しばしばもとになった事物があります。記事を作る際には、そうしたものと記事名が衝突することがないか、少し調べてみましょう。

もしも同名の他の事物がある場合には、Wikipedia:曖昧さ回避にしたがって適切な「_(○○)」を記事名につけることになります。一般的には「_(競走馬)」とする場合が多いですが、同名異馬がいる場合などには、さらに生年や生産国で区別することもあります。

(例)

多様な表記がある馬の例[編集]

イタリア語馬名

ウィキペディア内では、イタリア語の二重子音(「LL」音など)は撥音を伴って表記されています。イタリア語の日本語表記も参照。

ドイツ語馬名

過去の議論[編集]

馬名関連
  • 血統表内での外国馬の表記方法統一
  • 表記の統一は不要
  • 中国馬名(香港競走馬)の記事名を中国語からカタカナへ変更
  • 不成立
  • 日本で登録されていないものは「日本語(外国語)」と併記するのがよい
個々の馬名関連
  • Danzigをダンチヒからダンジグへ


そのほかの表記ゆれ関連
  • 表記の揺れ - 「ジュベナイル」「ジュヴェナイル」、「ダーレー」「ダーレイ」など
  • 言葉の揺れの修正 - Racing レーシング、レイシング、Juvenile ジュベナイル、ジュヴェナイルなどの表記統一提案

関連項目[編集]