コンテンツにスキップ

フェンベンダゾール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フェンベンダゾール
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com 国別販売名(英語)
International Drug Names
識別
CAS番号
43210-67-9 チェック
ATCコード P02CA06 (WHO) QP52AC13 (WHO)
PubChem CID: 3334
ChemSpider 3217 チェック
UNII 621BVT9M36 チェック
KEGG D04140  チェック
ChEBI CHEBI:77092 ×
ChEMBL CHEMBL37161 チェック
化学的データ
化学式C15H13N3O2S
分子量299.349 g/mol
テンプレートを表示

フェンベンダゾール は、広範囲な駆虫スペクトルを持つベンズイミダゾール駆虫薬であり、代表的な商品名は SrifenClofen) 、Panacurである。以下のような消化管内寄生虫に対して用いられる:ジアルジア回虫鉤虫、鞭虫、テニア属の条虫(ただし犬で一般的な条虫である瓜実条虫に対しては効果があまりない)、蟯虫肺虫肺吸虫円虫および糞線虫など。この薬剤はヒツジうさぎアシカに投与できる。ジブロムサランやニクロサミドなどのサリチルアニリドと併用した場合、薬剤相互作用が生じる可能性がある。雌牛での流産、ヒツジでの死亡が報告されている[1]

毒性

[編集]

駆虫薬として多くの品種で広く用いられているが、毒性の報告もある。鳥類コウノトリピンクペリカンハゲワシハト)や爬虫類ヘビカメ)では骨髄抑制腸陰窩壊死、遠位の絨毛の脱落などが報告されている。[1] 反芻動物における流産は、その他の駆虫薬と併用したことが関連していると考えられる。[1]

フェンベンダゾールは多くの種において、消化管からはほとんど吸収されない。実験動物を用いた研究では、経口投与した場合のLD50は10 g/kgを超える。[1]

代謝

[編集]

フェンベンダゾールは肝臓で代謝され、やはり駆虫作用のあるオキシフェンダゾール英語版に変換される。オキシフェンダゾールの一部は、肝臓やルーメン内でフェンベンダゾールに戻る。[2][3]

また、フェンベンダゾール自身も、他の駆虫薬フェバンテルが代謝されて生じる、活性代謝物でもある。[4]

関連項目

[編集]

参考文献

[編集]
  1. ^ a b c d Plumb's Veterinary Drug Handbook, Fifth Edition, 2005.
  2. ^ Junquera, P. (2015年7月26日). “FENBENDAZOLE, anthelmintic for veterinary use on CATTLE, SHEEP, GOATS, PIG, POULTRY, HORSES, DOGS and CATS against roundworms and tapeworms”. PARASITIPEDIA. 2015年9月8日閲覧。
  3. ^ Junquera, P. (2015年7月26日). “OXFENDAZOLE, anthelmintic for veterinary use on CATTLE, SHEEP, GOATS, HORSES, DOGS and CATS against roundworms and tapeworms”. PARASITIPEDIA. 2015年9月8日閲覧。
  4. ^ Junquera, P. (2015年7月26日). “FEBANTEL for veterinary use on DOGS, CATS, CATTLE, SHEEP, GOATS, PIG and POULTRY against roundworms and tapeworms”. PARASITIPEDIA. 2015年9月8日閲覧。