ビーチスターズ

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ビーチスターズ』は、森尾正博による日本漫画ビーチバレーを題材にしている[1]。『週刊ヤングサンデー』(小学館発行)2007年14号から休刊号にあたる2008年35号まで連載され、その後は『スピリッツ増刊 YSスペシャル』に連載の場を移し、同誌VOL.4(2008年12月発売)にて「第1部・完」となった。2009年5月より新創刊された『ゲッサン』にて『ザ!!ビーチスターズ』のタイトルで再開、2009年06号から2010年05月号まで連載された。

あらすじ[編集]

七瀬イルカバレーボールをこよなく愛する高校2年生の少女。しかし17歳の誕生日に悲劇は起こる。立て続けに多くの部員が退部し、女子バレーボール部が廃部を余儀なくされたのだ。失意から無気力状態になったイルカを、心配した友人たち。気晴らしをさせようと、お台場へ連れて行くが……。そこで見た光景は、ビーチバレーの試合だった。その日から彼女は、ビーチバレーの魅力に惹かれていく。

主な登場人物[編集]

日ヶ崎高校[編集]

ビーチバレー部[編集]

七瀬 イルカ(ななせ イルカ)
神奈川県立日ヶ崎高校(モデルは茅ヶ崎市か)に通う女子高生。両親と妹の4人家族。身長150cmと小柄だがプロポーションは良く、 ビキニの水着が似合う[2]マドンナカップを目指して奮闘中。天才的センスを持つが、無我夢中になるタイプゆえに危険性も備える。驚異の跳躍力を持ち、低身長をスピードでカバーした戦法が得意。パートナーはことみ。
本田 京介(ほんだ きょうすけ)
23歳の男性教師で、ビーチバレー部顧問。通称:ポン太。他人のペースに流されやすい性格で、「気が付けば顧問になっていた」とされている。神奈川県立山神高校出身。学生時代はデスメタル部元部長で、校内で最も恐れていた伝説の人物でもある。
石原 ことみ(いしはら ことみ)
元バレー部員で、ポジションはセッター。しかし中学時代は、クイック攻撃が得意なアタッカーで「音速のエース」と呼ばれていた。ところが、そのクイックを多用しすぎた結果、脚を疲労骨折。それがトラウマになって、治った後もネットの前で跳ぶことが出来なくなってしまった。だが、イルカの激励で立ち直っていく。
多ノ倉 リン(たのくら リン)
元バレー部員。廃部を機にビーチバレー部に入部。しかしアタッカーだったためレシーブが下手で、矯正が間に合わず、マドンナカップの予選には出られなかった。
相沢 みちる(あいざわ みちる)
元バレー部唯一の新入部員。中学時代はバスケットボール部に所属していたが、他の部員からのいじめでトラウマを抱えてしまっていた。しかし高校に進学してバレー部に入部してからは「自分の人生が楽しくなった」と生き生きした顔で青春を送っている。
武田 滝子(たけだ たきこ)
通称:タッキー。色黒で大きな花の髪飾りを付けている1年女子。太っちょな外見に似合わず動きは素早い。バレー歴は「テレビゲームで一度だけやっている」という完全な穴埋め部員。しかし自称「一流スター」と呼ぶが如く、単なる穴埋めに留まらない行動を見せている[3]。パートナーはみちる。

その他の人物[編集]

藤井(ふじい)
元女子バレーボール部顧問。生徒たちからは鬼教師として知られている。頑固な性格で、練習場代わりとして使用したテニスコートを破壊するなど暴走気味の一面を見せている。部員たちとの意見の食い違いを起こし、廃部の原因を作った張本人でもある。
バレーボールのコーチとしては優秀で、成果も上げていたが、その結果独善に陥ってしまい、厳しすぎる指導をしてバレーボール部を潰してしまう。ところが本人はそれに気付かず「自分は正しい。悪いのは、勝手に辞めた生徒たちだ」と信じて疑わなかった。しかしタッキーからの鋭いひとことと、ビーチバレー部立ち上げに奮闘するイルカ達を見て、己の愚かさに気付かされることになる。

ビーチバレー部の協力者[編集]

徳野 涼子(とくの りょうこ)
かつてアテネオリンピックでビーチバレー日本代表の選手として出場した才媛。イルカたちと偶然出逢ったことからコーチを務める。なお、モデルは徳野涼子本人。

マドンナカップのライバルたち[編集]

早川 さなえ(はやかわ さなえ)
ビーチバレー界のトップスターで、人気も実力も抜群。口数が少なく、笑顔を見せない素振りから「沈黙の天使」の異名を持っている。イルカのライバル且つ目標にしている人物。ロンドンオリンピック出場の最有力候補とされている。
寺島 アキラ(てらしま アキラ)
福岡県立北小倉高校2年生のビーチバレー選手。人呼んで「小倉の鷹」。さなえを強くライバル視している。イルカから「トゲ頭」呼ばわりされている。風を使った曲線サーブ「ツイスターブレード」が武器。
小野 礼華(おの れいか)
東京都・私立東条学院高3年生のビーチバレー選手。おっとりした性格の、さなえのパートナー。グラビアアイドルに匹敵するプロポーションの持ち主。
神楽坂 洋(かぐらざか ひろ)
青森県代表のビーチバレー選手で高校3年生。イルカのプレイスタイルにほれ込んでいる。
泉 貞子(いずみ さだこ)
愛媛県代表のビーチバレー選手で高校3年生。常に選手の行動や癖を見抜いている。洋とはいわば腐れ縁の間柄。常にクールだが、自分の手帳には他人(特に洋)に対する怨みの言葉を書き込んでいる。

山神高校[編集]

倉地 マチコ(くらち マチコ)
山神高校ビーチバレー部のエースで、バレーボールの経験あり。中学時代、ことみにエースの座を奪われたことを根に持っている。鍛えた筋肉の持ち主で、イルカ曰く「マッチョ子」。必殺技はパワーを生かしたクロススパイク。
天野 雫(あまの しずく)
マチコのパートナー。常にマチコのプレイをフォローする。
ノブオ
京介の後輩でバレーボール部員。イルカ相手に不良仲間たちとビーチバレー対決を挑んだが、敗戦を喫している。

その他の登場人物[編集]

DJ山本(ディージェーやまもと)
ビーチバレーを知り尽くした実況DJ。熱い語り口で実況する。
友村 広子(ともむら ひろこ)
神奈川おはようTVの新人アナウンサー。通称ピロリン。山本と共に実況するが、ビーチバレーに関しては素人。
相沢 明彦(あいざわ あきひこ)
みちるの父親。みちるが中学時代にいじめを受けたことがきっかけで、娘に対し過保護になっていた。

単行本[編集]

全て小学館から発売されている。

ビーチスターズ(ヤングサンデーコミックス)
  1. 2007年7月10日発行、ISBN 9784091512178
  2. 2007年9月10日発行、ISBN 9784091512338
  3. 2007年12月10日発行、ISBN 9784091512505
  4. 2008年3月10日発行、ISBN 9784091512888
  5. 2008年6月10日発行、ISBN 9784091513366
  6. 2008年8月10日発行、ISBN 9784091513670
  7. 2009年4月4日発行、ISBN 9784091514271
ザ!!ビーチスターズ(ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)
  1. 2010年2月12日発行、ISBN 9784091222176
  2. 2010年6月16日発行、ISBN 9784091223883

脚注[編集]

  1. ^ その題材から想像される以上に、お色気シーンは多い。ただし本質的には、あくまでストーリー中心である。
  2. ^ 最初に大胆なビキニを着せられた時は赤面しているが、後にもっと大胆なビキニを自ら購入している。
  3. ^ イルカが校内にビーチバレーのコートを作ろうとした時、農業を営む祖父から作業用のトラクターを借りて来る、など。

外部リンク[編集]