ヒメマツバボタン

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ヒメマツバボタン
ヒメマツバボタン
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: スベリヒユ科 Portulacaceae
: スベリヒユ属 Portulaca
: ヒメマツバボタン P. pilosa
和名
ケツメクサ,ケヅメグサ

ヒメマツバボタン(姫松葉牡丹[1]、学名:Portulaca pilosa)はスベリヒユ科多肉質一年草[2][3]または多年草[1]。別名:ケツメクサ,ケヅメグサ(毛爪草)[1][2][4][5]

特徴[編集]

茎は基部からよく分岐して地を這い、長さ30 cmほどになる。葉は扁平な棒状で互生し、基部に白毛がある。茎の先端に直径1 cmほどの紅紫色の5弁花をつける。花は晴れた日中だけ咲き、開花時間は短い。観賞用に栽培されるマツバボタンと比べ、葉も花も小さいため名前にヒメが付いている。肉厚の茎葉は乾燥に強く、ちぎれた断片から根づくことに加え、細かい種子が雨風で運ばれて繁殖する[1][2][3][5]

分布と生育環境[編集]

熱帯アメリカ原産。1960年代に帰化が知られるようになり[2]、現在では本州関東以南~南西諸島に帰化。環境省の生態系被害防止外来種リストに掲載され、重点対策外来種に指定されている[6]。 乾いた道端や畑地、海岸の岩場などに生える[1][3]

路側に生育するヒメマツバボタン(沖縄県石垣市平久保平野)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e (林 & 名嘉 2022, p. 100)
  2. ^ a b c d (清水ら 2001, p. 30)
  3. ^ a b c (片野田 2019, p. 158)
  4. ^ (米倉 & 梶田 2003)
  5. ^ a b (原 2019, p. 61)
  6. ^ (環境省 2016)

参考文献[編集]

  • 米倉浩司; 梶田忠 (2003年). “ヒメマツバボタン”. BG Plants 和名-学名インデックス (YList). 2024年2月17日閲覧。
  • 片野田, 逸朗『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、鹿児島市、2019年。ISBN 9784861244056 
  • 林, 将之、名嘉, 初美『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、那覇、2022年。ISBN 9784899824350 
  • 原, 千代子『琉球弧・花めぐり』南方新社、鹿児島市、2019年。ISBN 9784861244025 
  • 清水, 矩宏 ほか『日本帰化植物写真図鑑』全国農村教育協会、東京都台東区、2001年。ISBN 4881370855 
  • 環境省 (2016年). “ヒメマツバボタン” (PDF). 生態系被害防止外来種リスト. 2024年2月17日閲覧。

外部リンク[編集]