ヒバカリ

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ヒバカリ
ヒバカリ
ヒバカリ Hebius vibakari
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
亜目 : ヘビ亜目 Serpentes
: ナミヘビ科 Colubridae
: ヒバカリ属 Hebius
: ヒバカリ H. vibakari
学名
Hebius vibakari (Boie, 1826)[1][2]
シノニム

Tropidonotus vibakari Boie, 1826
Natrix vibakari Stejneger, 1907
Natrix vibakari ruthveni Van Denburgh, 1923
Amphiesma vibakari Malnate, 1960
Amphiesma vibakari danjoense
Toriba, 1986[3]

和名
ヒバカリ[1][4]
英名
Japanese keelback[2]

ヒバカリ(日計・日量[4]Hebius vibakari)は、爬虫綱有鱗目ナミヘビ科ヒバカリ属に分類されるヘビ。ヒバカリ属の模式種。

分類[編集]

以前は旧ヒバカリ属Amphiesmaに分類されていたが、2014年にAmphiesma属18種の核DNAのRAG1遺伝子など3遺伝子座・ミトコンドリアDNAシトクロムb の分子系統推定から、本種を模式種として1913年に記載されたHebius属を復活させ本種を含むAmphiesma属に分類されていた多くの種(Amphiesma属1種、Hebius属39種、Herpetoreas属3種)を分割する説が提唱された[5]

属内ではザウテルヘビと近縁で、記載前の亜種ダンジョヒバカリはザウテルヘビと混同されていたこともある[3][6]

Hebius vibakari vibakari (Boie, 1826) ヒバカリ
日本(本州四国九州壱岐隠岐屋久島など)[7]
全長40 - 65センチメートル[7]。胴体の斜めに列になった背面の鱗の数(体列鱗数)は19[4][7]。総排出口までの腹面にある幅の広い鱗の数(腹板数)は142 - 153[3]。総排出口から後部の鱗の数(尾下板数)は左右に62 - 82ずつ[3]。背面の色彩は淡褐色や褐色[4][8]。吻端から口角、頸部にかけて白や淡黄色の斑紋が入る[4][8]。腹面を覆う鱗(腹板)の色彩は黄白色で、外側に黒い斑点が入る[4]
Hebius vibakari danjoense (Toriba, 1986)[3] ダンジョヒバカリ Danjo Island keelback[9]
日本男島[4]固有亜種
全長18.1 - 34.2センチメートル[4]。オスでは尾の比率が30 - 33 %[9]。体列鱗数は頸部で19、胴体中央部や総排泄孔前部では17[9]。腹板数は127 - 134[3][9]。尾下板数は左右に88 - 89ずつ[3][9]。頭部は暗褐色[9]。胴体は淡褐色で、黒褐色の斑点と縦縞状に明色斑が入る[9]
Hebius vibakari ruthveni (Van Denburgh, 1923)
大韓民国中華人民共和国黒竜江省)、朝鮮民主主義人民共和国ロシア南東部[4]
腹板数は143 - 155[3]。尾下板数は左右に54 - 69ずつ[3]

生態[編集]

平地から低山地にある森林に生息し、水辺を好む[4][7]薄明薄暮性傾向が強いが[8]、雨天時には昼間も活動する[4]。危険を感じると鎌首をもたげ、威嚇する[4][8]。基亜種は10 - 翌4月に冬眠する[4]。泳ぐのが上手である[10]

魚類カエルやその幼生、ミミズなどを食べる[7][8]

繁殖様式は卵生。基亜種は5 - 6月に交尾を行う[8]。基亜種は7 - 8月に1回に2 - 10個(平均6個)の卵を産む[4][8]。亜種ダンジョヒバカリは1 - 2個の卵を産む[9]。卵は34 - 37日で孵化する[4]

人間との関係[編集]

名前は、無毒種だがかつては毒蛇とみなされ「噛まれたら命がその日ばかり」と考えられていたことに由来する[4]

H. v. danjoense ダンジョヒバカリ
男島は無人島で環境は安定していると考えられているが分布域が3平方キロメートル以下と限定的で、隣接する女島には灯台の管理や台風からの避難などで人の出入りがあるため例として偶発的な外来種の侵入などによる環境の変化が懸念されている[9]
情報不足(DD)環境省レッドリスト[9]
Status jenv DD.png

出典[編集]

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  1. ^ a b 日本産爬虫両生類標準和名 日本爬虫両棲類学会(2017年6月9日閲覧)
  2. ^ a b Hebius vibakari. Uetz, P. & Jiri Ho?ek (eds.), The Reptile Database, http://www.reptile-database.org, accessed April 17, 2016
  3. ^ a b c d e f g h i Toriba Michihisa, "Preliminary Study on the Systematic Status of a Danjo Islands Snake," Japanese journal of herpetology, Volume 11, Number 3, Herpetological Society of Japan, 1986, Pages 124-136.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 小林章 「日本のヘビを楽しむ 第2回 ヒバカリ(Amphiesma vibakari vibakari)」『クリーパー』第15号、クリーパー社、2002年、38-43頁。
  5. ^ Peng Guo, Fei Zhu, Qin Liu, Liang Zhang, Jian X. Li, Yu Y. Huang & R. AlexanderL Pyron, "A taxonomic revision of the Asian keelback snakes, genus Amphiesma (Serpentes: Colubridae: Natricinae), with description of a new species," Zootaxa, Volume 3873, Number 4, 2014, Pages 425-440.
  6. ^ 乙部洋平 「CLOSE UP CREEPERS -注目の爬虫両生類-」『クリーパー』第45号、クリーパー社、2008年、92-93頁。
  7. ^ a b c d e 松井孝爾 「ヒバカリ」『動物大百科12 両生・爬虫類』深田祝監修 T.R.ハリディ、K.アドラー編、平凡社1986年、163頁。
  8. ^ a b c d e f g 鳥羽通久 「ヒバカリ」『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』千石正一監修 長坂拓也編、ピーシーズ、2002年、325頁。
  9. ^ a b c d e f g h i j 太田英利 「ダンジョヒバカリ」『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-3 爬虫類・両生類』環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、株式会社ぎょうせい2014年、84頁。
  10. ^ 原色爬虫類・両生類図鑑(北隆館 ISBN 978-4-8326-0756-9 140P)