バーナード・ウルフ
バーナード・ウルフ(Bernard Wolfe、1915年8月28日(9月18日との説もある) - 1985年10月27日)は、アメリカ合衆国の小説家、SF作家。
生涯
[編集]コネティカット州ニューヘイブン生まれ。父はロシア系ユダヤ人、母はポーランド生まれのユダヤ人で社会主義運動家。
1935年、エール大学を卒業(翌1936年まで研究生として同校に留まる)。ペンシルベニア州の女性向けカレッジ、ブリン・モーで教鞭をとった後ニューヨークへ。
1937年、トロツキスト、フェリックス・モローの勧めにより、メキシコ亡命中のレフ・トロツキーの秘書となる。1938年に帰米し、約1年のトロツキスト活動の後、運動を離脱。グリニッジ・ヴィレッジに転居。
第二次世界大戦中には多くの科学雑誌から従軍記者として雇われ、記事を書き送った。
大戦後は「メカニック・イラストレイテッド」誌の編集者として働き、1946年から小説を寄稿し始める。この頃より、エドマンド・バーグラーの精神分析学と、ノーバート・ウィーナーのサイバネティックス、アルフレッド・コージブスキーの一般意味論などに傾倒し始めたという。
彼の名声は1952年にランダム・ハウスから刊行されたSF小説「リムボー(Limbo)」に由来する(イギリスでは1953年、セッカー&ウォーバーグ社から「リムボー90」のタイトルで刊行された)。1961年に本作のダイジェスト版を出版したペンギン・ブックスは、「現代における<サイバネティックス>という概念を論理的に展開した最初のSF小説」と述べた。本作はSF小説におけるニュー・ウェーブ運動の嚆矢であり、1980年代のサイバーパンク運動の早熟な果実であるともされる。
1959年、トロツキー暗殺をテーマとした大部の小説「The Great Prince Died」を発表。
1985年10月27日、カリフォルニア州カラバサスで心臓発作により死去。
著作リスト
[編集]- Limbo (1952)
- The Late Risers, Their Masquerade (1954)
- In Deep (1957)
- The Great Prince Died (1959)
- The Magic of Their Singing (1961)
- Come On Out, Daddy (1963)
- Move Up, Dress Up, Drink Up, Burn Up (短編集)(1968)
- Logan's Gone (1974)
- Lies (1975)
短編
[編集]- 「なくならない銅貨」The never ending penny 『年刊SF傑作選1』(東京創元社、1967)に収載